日本GPで導入されたホンダF1パワーユニットのアップデートは主に信頼性向上を狙ったものだが、マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンは、レースでのパフォーマンスを一歩前進させることにも役立っていると語った。
ホンダはマレーシアGPに新しいエンジンブロックと軽量化した排気管を持ち込み、フェルナンド・アロンソが金曜プラクティスでテストした。
結果は前向きであり、アロンソはそのアップデートを日本で使用、バトンも決勝日に搭載した。バトンは予選で下位に終わったため、グリッド降格ペナルティを次戦ではなく日本で受けてしまうという戦略的判断をチームが行い、パワーユニットの交換を行ったのだ。
マレーシアでアロンソは新しいパワーユニットについて「速さが向上したわけではない」と語っている。「(新しい)エンジンは(それまでのものと)パフォーマンスは変わらない。馬力は全く同じだ。信頼性がほんの少しだけ強くなった」
しかし日本で初めて新しいパワーユニットを試したバトンは、信頼性の改善はパフォーマンスの面でもプラスに働くだろうと述べた。
「信頼性はパフォーマンスの助けになる。エンジンでよりアグレッシブな戦略を行うことができるからだ」
「だから決勝ではパフォーマンスの助けになる。だが、予選では特に違いはないだろう」
そういった向上は、鈴鹿では確認することができなかった。2台ともポイント獲得に至らず、アロンソはマクラーレンは精彩を欠き、存在感を示せなかったとレース後に語った。
しかし、レーシングディレクターのエリック・ブーリエはそのような困難は予期していたと述べた。
「あのサーキットレイアウトは我々のシャシーに合っていない。そして、明らかにエンジンの面で、我々はまだメルセデスと同じレベルのパフォーマンスに達していない」
「そのふたつを考えると、我々にとって苦しい週末になるのは明らかだ」
「だが、ドライバーが言ったように、まさに同じ理由で、他のいくつかのサーキットレイアウトでは驚くほど良いパフォーマンスを発揮する」
「我々はパワーユニットの力をもっと引き出すことができる。またマシンをさまざまな考え方の下で活用することができる。そういった面で我々は強いし、ある条件下ではベストと言えるかもしれない」
パワーユニットの開発制限が取り除かれる来シーズン、ホンダは大幅なパフォーマンス向上を成し遂げることを望んでいる。しかし最新アップデートでは信頼性向上に集中した。
新しいエンジンブロックと軽量化された排気管はそれを実現しており、この最新のアップデートによって残り4戦をトラブルなく乗り切ることができるという自信を深めたと、ホンダは述べている。
ホンダの開発拠点さくらでは最新アップデートについてさらに詳細な分析が行われている。しかしファクトリーはすでに来年のパワーユニットの開発に焦点を移した。2017年の規則変更が明らかになって以来、ホンダは別チームを設置して来季ユニットの開発に取り組んでいる。
ホンダには今シーズン中に使用できる開発トークンが2点残っているが、これを使用する予定はない。