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TOYOTA GAZOO Racing NASCARカンザス レースレポート

2016年10月18日 14:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

カイル・ブッシュ(#18:左)5位/マット・ケンゼス(#20:右)9位
2016年10月18日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部

NASCARスプリント・カップ・シリーズ第31戦カンザス
カール・エドワーズが惜しくも2位
エクスフィニティではカイル・ブッシュが今季9勝目

“チェイス”第2ラウンド第2戦が行われたカンザスでは、後半首位を争ったカール・エドワーズが惜しくも2位。“チェイス”を争うトヨタ勢は3台がトップ10フィニッシュを果たした。エクスフィニティ・シリーズではカイル・ブッシュが今季9勝目。“チェイス”を争うダニエル・サレスが3位でフィニッシュし、ランキング首位タイにつけた。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第31戦 Hollywood Casino 400
開催日:10月16日

カール・エドワーズが惜しくも2位
“チェイス”を争うトヨタ勢3台がトップ10フィニッシュ

 10月16日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第31戦「Hollywood Casino 400」が開催された。

 シーズン終盤の10戦で上位ドライバーがタイトルを争うプレーオフ“チェイス”は第2ラウンドの第2戦へ。トヨタ勢は5名全員が上位12名の第2ラウンドへ進んでおり、今大会を含む残り2戦で、上位8名が選抜される第3ラウンドへの全員進出を目指す。

 カンザスは2001年開設の比較的新しい1.5マイルオーバル。年に2戦行われており、今季春の大会ではカイル・ブッシュが勝利。過去にはデニー・ハムリンとマット・ケンゼスも勝利を挙げている。

 また、ここカンザスは隣州ミズーリ出身のカール・エドワーズにとっては地元のレース。多くの勝利を挙げているエドワーズだが、カップ・シリーズで未勝利な地元カンザスでの初勝利を目指し臨んだ。

 14日(金)に行われた予選では、トヨタ勢が速さを見せ、ケンゼスが今季初ポールポジションを獲得。僅か1000分の1秒差の2番手にカイル・ブッシュ。3,4番手にエドワーズと、今大会がカップ・シリーズ400戦目となるマーティン・トゥルーエクス・Jr.が続き、“トヨタ・カムリ”勢はトップ4を占めて決勝へと臨んだ。

 16日(日)午後1時34分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのケンゼスに、2-3-4位のトヨタ勢、そして予選7番手のハムリンもこれに追いつき、“トヨタ・カムリ”がトップ5を占める序盤戦となった。

 前半戦を支配したケンゼスは、長いグリーンフラッグランで一時2位に6秒近い大差をつけ独走したが、中盤に壁にヒット。ハンドリングに不調をきたし、ポジションを落とすこととなってしまった。

 “チェイス”序盤に2勝を挙げるなど好調なトゥルーエクス・Jr.は、前半のグリーンフラッグ下でのピット作業で燃料が完全に入らず、再度ピットインを強いられ後退。ハムリンも序盤ハンドリングトラブル、そこからトップ10へと復帰するも後半、直前を走行していた車両のスピンを避けきれずに接触し車両前部にダメージ。修復のため再びポジションを大きく落としてしまった。。

 トラブルで後退したチームメイトに変わり、後半トヨタ勢をリードしたのはエドワーズ。60周以上にわたって首位を走行するなど上位争いを続けた。

 一方、前半はハンドリングに苦しみながらも、ピットでの調整でポジションを戻していったカイル・ブッシュは、235周目の、この日最後となるイエローコーションでタイヤを交換。上位勢がピットに入らなかったため、7位での再スタートとなったが、残り30周での再スタートで絶好のスタートダッシュを決めて3位に浮上。エドワーズとサイド・バイ・サイドの2位争いを展開した。

 このバトルを制したエドワーズが終盤首位を追い上げたが惜しくも届かず2位でチェッカー。カイル・ブッシュは5位、ケンゼスが9位でトヨタ勢は3台がトップ10フィニッシュ。

 中盤大きく順位を落とすも追い上げたトゥルーエクス・Jr.が11位、ハムリンは15位でチェッカーを受けた。

 今大会の結果、ケンゼス、カイル・ブッシュ、エドワーズの3人が“チェイス”ランキング3-4-5位で、やや余裕を持って第2ラウンド最終戦となる次戦タラデガへと臨むこととなる。トゥルーエクス・Jr.はランキング7位で、次ラウンド進出条件の8位を14ポイント上回っているが、自力での次ラウンド進出には上位でのフィニッシュが必須となる。

 ハムリンは8位から6ポイント遅れの10位とやや厳しい位置にいるが、最後の席となる8位争いは、ハムリンを含む4人が7ポイント差で競っており、何が起こるか分からない次戦の超高速オーバルタラデガは、サバイバル戦となることが予想される。

 次戦第32戦は10月23日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで行われる。

ドライバー カール・エドワーズ:
「再スタートではイン側が抜群のスタートを切り前に出られてしまった。その後はカイル(ブッシュ)とのバトルとなり、その間に首位に離されてしまった。我々の“トヨタ・カムリ”は絶好調だったので2位という結果は残念だ。応援に来てくれた地元の皆に感謝する。彼らの前で上位を争えたのは嬉しかったが、それだけに勝ちたかった。次は何が起こるか分からないタラデガだが、ポイント面ではやや余裕を持って臨むことが出来る」

<チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ>
“チェイス”と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバー(全レース出場、ランキング30位以内が条件)と、未勝利でランキング上位の計16名が“チェイス”に進出。“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落しポイントはリセット。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。


NASCAR XFINITY SERIES
第30戦 Kansas Lottery 300
開催日:10月15日

カイル・ブッシュがポール・トゥ・ウィンで今季9勝目
ダニエル・サレスが3位フィニッシュ


 10月15日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第30戦「Kansas Lottery 300」がカンザス・スピードウェイで開催された。同シリーズのカンザス戦でトヨタは2008年以来8年間で6勝と強さを見せている。直近では2014年、15年とカイル・ブッシュが連勝中。

 15日(土)決勝の前に行われた予選では、カイル・ブッシュが今季8度目となるポールポジションを獲得。昨年キャンピング・ワールド・トラック・シリーズのチャンピオンに輝き、今季エクスフィニティ・シリーズにステップアップ、シリーズレギュラー最多の4勝を挙げて“チェイス”入りを果たした20歳、エリック・ジョーンズが2番手で“トヨタ・カムリ”が最前列を独占。

 シリーズフル参戦2年目で初勝利を挙げ、同じく“チェイス”入りを果たした24歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが4番手につけた。

 予選後、午後2時7分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのカイル・ブッシュは序盤から後続を大きく引き離して独走。離されながらも2位、3位にエリック・ジョーンズとサレスが続いた。

 レースは残り50周を切ったあたりで、グリーンフラッグ下でのピットと、その直後の多重クラッシュなどで順位が入れ替わったが、トヨタの3台はトップ10をキープ。

 183周目、この日9回目のイエローコーションからの再スタートは、エリック・ジョーンズが首位で迎えたが、再スタート直後に後続に押されてバランスを崩し、最前列の2台が接触。この接触でエリック・ジョーンズはタイヤのパンクに見舞われ、車体修復のために複数回のピットを強いられ、周回遅れの15位まで順位を落とすこととなってしまった。

 サレスが首位、カイル・ブッシュが2位で残り13周での再スタートが切られると、カイル・ブッシュが首位を奪還し、その後は2位以下に再び大差をつけてトップチェッカー。今季9勝目を挙げた。カイル・ブッシュは自身の持つシリーズ通算勝利を更新する85勝目。カンザスでは3年連続勝利となった。

 サレスは終盤パワーダウンのトラブルに見回れるも、3位でフィニッシュ。“チェイス”を争うライバルの先行を許すこととなったが、1周以上首位に立つことで得られるリードラップボーナスを獲得したため、ポイントでは首位タイと好位置をキープ。

 エリック・ジョーンズは15位フィニッシュ。しかし、“チェイス”を争うライバルのうち半数が後半のクラッシュなどに巻き込まれたこともあり、ランキングでは次ラウンド進出ライン上の4位タイにつけている。

 エクスフィニティの“チェイス”は次戦からの2戦を終えた時点でのトップ4が最終戦でのタイトル争いに挑むこととなり、更なる激戦が続く。

 次戦第31戦は11月5日(土)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「ハードな戦いだった。我々の“トヨタ・カムリ”は信じられないほど速く、上位を争えたし、ロングランでは後続を引き離すことも出来たので、簡単なレースに見えたかも知れない。しかし、レースが終盤に入ると様々なトラブルにも見舞われ、耐えるレースになった。幸運にもコーションが出て、再スタートも上手く行き、混戦を勝ち抜くことが出来た」

<エクスフイニティ・シリーズの“チェイス”>
今季よりエクスフィニティ・シリーズと、キャンピングワールド・トラック・シリーズでもプレーオフ“チェイス”システムが採用されることとなった。エクスフィニティ・シリーズでは、全33戦のシーズンのうち、終盤の7戦でタイトルを争う。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバーと、未勝利でランキング上位の12名が“チェイス”に進出。“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの2ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。