トップへ

フォルクスワーゲン WRC第11戦スペイン ラリーレポート

2016年10月18日 11:41  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

セバスチャン・オジエ(ポロR WRC #1)
2016年10月17日(月)
フォルクスワーゲングループジャパン株式会社

オジエ選手が「ラリー・スペイン」を制し、WRC4連覇を達成
● セバスチャンオジエ選手が優勝、2016年WRCチャンピオンの座に
● フォルクスワーゲン・モータースポーツもマニュファクチャラーズ・タイトルに王手

 2016年世界ラリー選手権(WRC)第11戦「ラリー・スペイン」が、10月13日~16日にバルセロナ南のリゾート、サロウを中心に開催されました。

 フォルクスワーゲン・モータースポーツのセバスチャン・オジエ選手は、金曜日に首位に立つと、その後は危なげない走りでこのイベントを制して、今季5勝目をマークするとともに、4年連続4度目のWRCタイトルを手中に収めました。


 アンドレアス・ミケルセン選手は、オジエ選手の4連覇を阻むタイトル獲得のチャンスがあったものの、リタイアを喫してそのチャンスを失いました。ヤリ-マティ・ラトバラ選手は、アクシデント後も競技を続けて14位で完走しました。

 ポロR WRCは、今回のラリーで節目となるWRC通算50戦目を迎えます。同時に、オジエ選手が3位以内でフィニッシュし、パワーステージ(最終スペシャルステージ。トップ3にはボーナスポイントが与えられる)で1ポイントを獲得すれば4連覇が決定。

 フォルクスワーゲン・モータースポーツは、ヒュンダイよりも20ポイント以上の得点を積み重ねれば、マニュファクチャラーズ・タイトルも決定します。

「ラリー・スペイン」は、今季唯一のミックス・サーフェス(舗装路と非舗装路の混在)ラリーであり、チームは双方の路面に対応しなければなりません。木曜夕刻の第1スペシャルステージ(SS:競技区間)は、モンジュイクの丘で開催されます。

 金曜日は2カ所のSSがミックス・サーフェス、それ以外はグラベル(非舗装路)です。土曜と日曜はオール・ターマック(舗装路)。ラリー総走行距離は1,430.58km、19カ所のSS距離は340.32kmです。

 SS1は、時折大雨が降るコンディションでしたが、熱心なファンが3.2kmのルート脇に詰めかけ、「ラリー・スペイン」特有の喧噪に包まれました。オジエ選手が3位、ミケルセン選手が8位、ラトバラ選手が15位で明日からの本格的な戦いに挑みます。

 金曜日のデイ1も雨。ルートは泥濘路と化し、非常に滑りやすい状況になりました。オジエ選手とミケルセン選手は着実に走行、地元開催に奮起する首位ダニソルド選手(ヒュンダイ)とそれぞれ17.0秒、35.1秒差の2位、3位でグラベル区間を終えました。

 一方、ラトバラ選手は3番手走行中のSS5でラインを外し、サスペンションにダメージを受けました。同選手は、ラリー2ルール(未完走のSSをペナルティタイムに換算し、翌日以降の競技復帰を認めるルール)により、翌日も出走します。

 オール・ターマックのデイ2、オジエ選手は、ソルド選手を逆転、5.8秒差ながら首位に立ちました。オジェ選手のライバル、ミケルセン選手は、SS12の右コーナーでバリアにヒットして横転、修復不能なダメージを負ってしまいました。

 ミケルセン選手のタイトル獲得の可能性が消滅する一方で、オジエ選手は明日のパワーステージで1ポイントを獲れば4年連続のタイトルが決定することになりました

 オジエ選手は最終デイ3も気を緩めることなく、2位以下との差を15秒6に拡げてフィニッシュランプに登壇しました。最終パワーステージでも、ラトバラ選手に次ぐ2位を獲得してタイトルを決めました。なお、ポロR WRCはこれまで50回のパワーステージに挑み、うち39回を制したことになります。

 第12戦の「ウェールズ・ラリーGB」は、10月27日~30日にディーサイドを中心に開催されます。

終了後のコメント
■ フォルクスワーゲンモータースポーツディレクター:スヴェン・スミーツ
「4度目のタイトル獲得、しかもそれを勝利で飾るとは!セバスチャンだけでなく、フォルクスワーゲン・チームにとっても素晴らしい日です。次戦のラリーGBには、マニュファクチャラー部門4連覇がかかっています」

■ カー#1:セバスチャン・オジエ(フランス) 最終結果:優勝(2016年タイトル確定)
「今の気持ちをどう表現すれば良いのかわかりません。とにかく素晴らしい気分です、フォルクスワーゲン・チームの献身的なサポートがなければタイトル獲得は不可能でした。改めて感謝しています」

■ カー#2:ヤリ-マティ・ラトバラ(フィンランド)最終結果:14位
「セバスチャン、おめでとう!フォルクスワーゲン・モータースポーツの努力の賜物です。マニュファクチャラーズ・タイトルも確定させたいですね」

■ カー#9:アンドレアス・ミケルセン(ノルウェー)最終結果:リタイア
「セバスチャン、おめでとう!今後の僕の目標は、ランキング2位を確定させることです。残り2戦もベストを尽くします」

■ FIA世界ラリー選手権 第11戦ラリー・スペイン最終結果
1.セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(フォルクスワーゲン)3時間13分03秒6
2.ダニ・ソルド/マルク・マルティ(ヒュンダイ)+15秒6
3.ティエリー・ヌーヴィル/ニコラス・ジルスル(ヒュンダイ)+1分15秒0

■ FIA世界ラリー選手権 マニュファクチャラーズ選手権ランキング(第11戦終了時点)
1.フォルクスワーゲン・モータースポーツ 322
2.ヒュンダイ・モータースポーツ 260
3.M-スポーツ 144
4.フォルクスワーゲン・モータースポーツII 136

■ FIA世界ラリー選手権 ドライバーズ選手権ランキング(第11戦終了時点)
1.セバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン) 222
2.アンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン) 127
3.ティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイ) 127
6.ヤリ-マティラトバラ(フォルクスワーゲン) 104