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JRC第8戦:勝田の猛追しのぐ。鎌田卓麻、11年ぶりの総合優勝達成

2016年10月17日 21:11  AUTOSPORT web

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11年ぶりに総合優勝を飾った鎌田卓麻(スバルWRX STI)
全日本ラリー選手権(JRC)は14日~16日、第8戦『M.C.S.Cラリーハイランドマスターズ2016 Supported by Sammy』が行われ、鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)が11年ぶりの総合優勝を飾った。

 10km以下の短距離ステージ群によって構成される第8戦ラリーハイランドマスターズは、毎年僅差のバトルが繰り広げられる1戦。今年は全12SSが設定され、総SS距離は88.14km、総走行距離は375.81kmで争われた。

 14日のデイ1、オープニングのSS1では鎌田が2番手の奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)に対し3.1秒のギャップをつける快走をみせる。

 勢いに乗る鎌田は続くSS2~4を連続で制してリードを拡大。2番手に対し、早くも10.4秒の大量リードを築いてみせる。

 続くSS5、6では総合3番手につける勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が奮闘。ランキング争いを繰り広げる奴田原を交わして、トップの鎌田と7.9秒差の総合2番手に浮上している。

 一方、前戦のラリーHOKKAIDOを制した新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)はマシントラブルにより、総合5番手で初日を終えた。

 明けた16日(日)は鎌田と勝田範彦がステージ勝利を奪い合う接戦となる。リードを広げたい鎌田SS7~SS8で連続トップとなり総合2番手の勝田範彦とのギャップを12.7秒まで拡大。続く、SS9~10では勝田範彦が反撃して、その差を6.8秒まで詰めることに成功する。


 SS11は鎌田が制し、8.3秒差で迎えた最終SS12、ここで勝田範彦は渾身のアタックを披露。鎌田より5.2秒速いタイムでフィニッシュするも、3.1秒届かず。鎌田が今季初、自身としては2005年以来の総合優勝を手にした。

「周りの皆さんがかなり攻めていたので、追い詰められてびっくりしました(笑)」と鎌田。

「(優勝できて)ほっとしました。最後のセクションは抑えながら、行けるところは行ったんですが……」


「まだターマックが1戦残っていますし、次も勝てるように頑張ります」

 総合3位にはランキング首位の奴田原が入ってポジションキープ。ランキング2番手の勝田範彦と7.1点差で最終戦新城ラリーへ臨む。総合4位は前日ターボチャージャーを交換した新井敏弘が入っている。

 今大会には、トミ・マキネン率いるトミ・マキネンレーシングで修行中の勝田貴元、新井大輝も参戦した。勝田貴元は足立さやかとタッグを組み、スバルWRX STIで最高峰のJN6クラスに挑戦。マシンに不調も抱えながらもクラス5位を手にした。

 新井大輝は小坂典嵩とともにJN5クラスに参戦。シトロエンDS3を操り、クラス2位を2分以上引き離す圧巻の走りを披露した。

 JN4クラスは石川昌平/石川恭啓(トヨタ86)がクラス優勝したほか、JN3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が、JN2クラスは小濱勇希/馬場雄一(スバルBRZ)が、JN1クラスは鈴木尚/山岸典将(スズキ・スイフト)が、それぞれクラス優勝を飾った。

 2016年シーズンのJRC最終戦新城ラリーは11月4~6日に行われる。