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Honda MotoGP第15戦日本GP MotoGPクラス決勝日レポート

2016年10月17日 19:11  AUTOSPORT web

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マルク・マルケス
2016.10.16 ロードレース世界選手権 第15戦 日本GP 決勝

[MotoGP]マルケス今季5勝目を挙げてタイトルを獲得

2016年10月16日(日)・決勝
会場:ツインリンクもてぎ
天候:晴れ
気温:25℃
コースコンディション:ドライ
観客:5万2216人(4日間:8万8472人)

MotoGP レポート
 快晴となった第15戦日本GPは、タイトル王手でHondaのホームグランプリを迎えたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がシーズン5勝目を挙げて、2年ぶり3度目のチャンピオンを獲得しました。予選2番手からスタートし、オープニングラップでポジションをキープ。4周目にトップに浮上すると、そのまま後続を振り切って24周のレースを走りきりました。

 ハイペースで周回するマルケスを追いかけた総合2位のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は、7周目の10コーナーで転倒。代わって2番手に浮上したホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)も20周目の9コーナーで転倒リタイア。3戦を残し、ロッシに77点差、ロレンソに91点差をつけたことで、マルケスのタイトル獲得が決定しました。

 これで125cc、Moto2時代を含めて通算5度目、最高峰クラスで3度目のタイトル獲得は、共に史上最年少での記録達成となりました。2013年には史上最年少記録で最高峰クラス初のポールポジション(PP)、優勝、タイトルを獲得。14年にはシーズン最多PP記録と最多優勝記録を達成しました。今年は15戦を終えてシーズン最多タイ記録となる8人のウイナーが誕生する激戦となっていますが、マルケスは15戦して5勝を含む11度の表彰台獲得と安定した成績を残したことがタイトル獲得につながりました。

 今大会は、タイトル王手で迎えるもロッシとロレンソという実績あるヤマハ勢がタイトル争いの相手となるだけに、確実に表彰台に立ってチャンピオン獲得に前進する作戦でした。しかし、序盤にトップに浮上したマルケスは、ライバルの2人を突き放す快走をみせ、それが結果的にライバルの脱落にもつながりました。最高峰クラスでは、これまで優勝経験のないツインリンクもてぎでの初優勝であっただけにファンも大喜びの結果となりました。

 予選5番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda)は、ツインリンクもてぎでのベストリザルトとなる5位でフィニッシュ。ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は14位でフィニッシュし、3戦ぶり9度目のポイントを獲得。負傷欠場のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)の代役として土曜日のフリー走行から出場の青山博一は15位でフィニッシュしてポイントを獲得しました。予選14番手のジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、7周目の転倒でリタイアに終わりました。

 今大会を終えてHondaのコンストラクターズポイントは316点。次戦オーストラリアGPでタイトル王手をかけます。そしてチームコンストラクターで429点を獲得しているRepsol Honda Teamも同様にタイトル王手でオーストラリアGPを迎えます。

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MotoGP コメント
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「レース前はチャンピオンになれるなんて思っていなかったので信じられない気持ちです。正直、今大会は不可能だと思っていました。でも、(バレンティーノ)ロッシが転倒したのを見て、優勝に向けて一生懸命プッシュしようと決めました。全力で走りました。そして残り3周で、(ホルヘ)ロレンソも転倒したことをピットボードで知りました。その後は集中力を維持するのが難しく、同じ周で4、5回コーナーでミスをしてしまいました。今回のタイトル獲得は、転倒が多かった昨年のことを考えると、とても特別です。また、Hondaのホームであるもてぎで獲得できたことも特別です。Hondaは一生懸命がんばってくれました。これまで苦戦してきたこのサーキットでその成果を感じました。僕自身もシーズン中に前進することができました。ミシュランのフロントタイヤをうまく使う方法も学びました。今年は難しい年でしたが最高の年になりました。チームや今年亡くなった祖母のためにもすばらしいことでした。きっと喜んでくれていると思います。今はとにかく勝利を喜び、さらに『マルク・マルケス』スタイルで、残りの3戦に挑みたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 5位)
「今日はいいポジションでフィニッシュできましたが、レース中盤にミスをしてしまいました。ハードコンパウンドのフロントタイヤは正しい選択だと思っていましたが、レース序盤は速く走るのがとても難しかったです。そのため終盤まで待つことになりましたが、いつものようにうまくいくと信じていました。しかし、ミスしてコースを外れてしまい、その周で8秒か9秒ロスしてしまいました。それでも力強い結果を出すことができました。表彰台争いができるはずだったので少し残念ですが、チームはすばらしい仕事をしてくれました。シーズン後半に向けて重要な結果になりました」

ティト・ラバト(MotoGP 14位)
「前の2レースがノーポイントに終わっていたので、今回の14位はとてもうれしいです。自分の限界を理解し、完走しようとがんばりました。MotoGPをさらに学ぶためにも本当に集中しました。もてぎで2ポイント獲得しましたが、僕にとっては簡単なサーキットではありませんでした。この勢いを来週末のオーストラリアまで持っていき、引き続き前進したいです」

青山博一(MotoGP 15位)
「昨年のドイツGPに(カレル)アブラハムの代役で出て以来のMotoGPとなりました。今回の仕事は開発ライダーとしてレースを見学すること、そしてタレントカップの指導だったのですが、しっかりとレースの装備を持ってきていました。いつでも参戦できるようにと思っていたのかもしれません。しかし、レースの感覚はすぐには戻らないので、土曜日からの参戦するという状況に最初は戸惑いもありました。久しぶりのレース、それもRepsol Honda Teamで、日本GPというなかなかできない経験の中でプレッシャーもありましたが、完走してポイントを獲得したことにホッとしています。参戦できたことを感謝しています」

ジャック・ミラー(MotoGP リタイア)
「ブレーキングが少し遅れ、1コーナーでフロントエンドから流れてしまいました。レースラインを保とうとしましたが速すぎて、フロントから転びました。スコット(レディング)や(ダニロ)ペトルッチ、(アルバロ)バウティスタ、そして(ステファン)ブラドルがいる集団についていこうと一生懸命プッシュしていました。転倒するまでは、いいバトルができたと思います」