2016年F1第17戦日本GP 批判を受けたルイス・ハミルトン、木曜記者会見 ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。マレーシア&日本GP編です。
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ハミルトン、スマホ遊びで抗議行動
■photo4■LAT
かつてニコ・ロズベルグは「ブリトニー」と呼ばれていた。F1にデビューした当時ブロンドの長髪だったことからついたニックネームだ。しかし鈴鹿で内なる「ブリトニー・スピアーズ」を見せつけたのは、チームメイトのルイス・ハミルトンの方だった。木曜記者会見での彼の姿を見て、私の頭の中で「Oops!...I Did It Again」が再生された。
ハミルトンが記者会見中にSnapchatで遊んでいたことに対して一部F1メディアが憤慨していたが、私はそれに完全に共感していたわけではない。実際私は今年、このコラム上で、2回以上にわたって、彼のライフスタイフを弁護してきた。ただ、ハミルトンが自分の写真にうさぎの耳をつけて「もう最高」とコメントを添えていた件、あれが抗議行動だったとしても、1968年のメキシコオリンピックでトミー・スミスとジョン・カーロスのパフォーマンスには遠くおよばないのは間違いない。
ハミルトンは、FIA記者会見の形式がマンネリ化していると批判した。それ自体は間違っていない。6人のドライバーが前後2列に並んで座り、後列のドライバーにはMCによる最初の義務的な質問以外、ほとんど声がかからない。その上、MCはFIAを代表する立場なので問題を生みそうな質問は一切行わない。会見場につめかけたジャーナリストが面白い質問をするのに期待するしかないのだ。
さらに、各チームの広報担当者はドライバーたちに、チームに関してネガティブな発言は一切するなと申し渡している。
ただ、ルイスに敬意を表しつつ、彼に思い出させたいのは、F1ドライバーたちは、世界中で最も幸運な人間なのだということだ。確かに、君たちには誰よりも速くレーシングカーを走らせる能力があるのは確かだが、だからといって我々がそんなに大きな尊敬の念を持って君たちに接しなければならないというのは理解できない。はっきり言えば、君たちのスキルなんて、この地球上において何の役にも立たないシロモノだ。あえて言うなら、いくつかの会社の製品の販売を促進することぐらいか。
君たちドライバーは普通の基準では考えられないほど巨額のサラリーをもらっている。長時間におよぶスポンサーイベントに出席し、何百人もの人々と握手をし、記念撮影に応じ、決められた服を身につけ、気に入らない人に対してお世辞を言い、メディアからのバカな質問に答える……それはすべて辛いことかもしれないが、莫大な額のサラリーは、その辛さを和らげるために支払われているのだ。
君たちは走ることが好きで、今、好きなことをしているわけだ。だからそれに関してはノーギャラだってやるはずだ。ルイスも他のチャンピオンたちも、誰よりも多くの勝利を達成し、誰よりも多くのファンを持ち、誰よりも多くのものを手にしている。他のドライバーたちの手本になるべきではないか。
鈴鹿で土曜、ハミルトンは、今後はチーム主催の会見は減らすと宣言した。でも実際、誰も困らないよ。君は面白いことはほとんど言わないのだし。
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