10月14~16日に、イタリアのムジェロで開催されたカンピオナート・イタリアーノ・グランツーリスモ(イタリアGT)で、BMWチーム・イタリアから参戦したアレックス・ザナルディがレース2を制し、サーキット復帰戦でいきなりの勝利を飾った。
元F1ドライバーで、2001年にアメリカのCARTに復帰した後、ドイツのラウジッツリンクで開催されたレースで両足切断の大事故に遭ったザナルディ。その後不屈の闘志でWTCC世界ツーリングカー選手権への復帰を果たしたザナルディは、ハンドドライブのマシンながら一級の速さをみせつけ、2005年には優勝も飾り、大きな感動を呼んだ。
09年には新たにハンドサイクル・ロードレースへのトライもはじめ、2012年のロンドン・パラリンピックでは2種目で金メダルを獲得。さらに、2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックでも金メダルを獲得する偉業を達成している。
そんなザナルディの衰えぬモータースポーツへの情熱が、ふたたび脚光を浴びることになった。パラリンピックに集中していたため、昨年7月のスパ24時間以来のサーキットへの復帰戦となったイタリアGT最終戦ムジェロで、ロアール・モータースポーツ/BMWチーム・イタリアのBMW M6 GT3を駆ったザナルディは、レース2をいきなり制してみせたのだ。
ザナルディはレース1に向けたクオリファイ1で8番手、レース2に向けたクオリファイ2で3番手を獲得(グリッドは2番手に)。15日のレース1では6位でフィニッシュしていた。明けた16日のレース2では、14周目にトップに立つと、2位に入った11号車フェラーリ488 GT3を振り切り見事優勝を飾った。
「いまどんな感情か、言い表す言葉はないよ。今日ほど夕暮れが美しく見えたことはない。なんという日、そしてなんという一年だろうね。僕はリオデジャネイロで素晴らしい瞬間を楽しみ、そして今日、BMW M6 GT3という美しいクルマをドライブできたことを素晴らしく思うよ」とザナルディ。
「スタートは良くなかったけれど、マシンの調子は良かったからね。僕の前を走っていたマシンがピットに入る間に、いいラップを刻み続けることが大切だと分かっていた。そして、そうしたまでだよ。コースに戻ったときにはリードを築けていて、それを守るだけだったんだ」
「僕のためにマシンを仕立ててくれたロアール・モータースポーツのみんな、BMWイタリア、そしてミュンヘンのBMWモータースポーツに感謝したい」