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LEXUS TEAM DENSO SARD スーパーGT第7戦タイ レースレポート

2016年10月17日 13:21  AUTOSPORT web

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DENSO KOBELCO SARD RC F
2016 SUPER GT 第7戦「BURIRAM SUPER GT RACE」(10/8-9)
チャーン・インターナショナルサーキット(1周4.554km)
入場者数:予選24,249名、決勝27,948名 合計52,197名

 10月9日(日)、シリーズタイトルへの挑戦権生き残りを懸けたまさに正念場のとなるSUPER GT第7戦「BURIRAM SUPER GT RACE」の決勝が行われ、10番グリッドから粉骨砕身に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートを担当した平手が序盤7位争いを展開。上位陣に食らい付く闘志を見せつつ冷静にタイヤを温存。29周を終えピットインしてヘイキと交代。各車両ピットインを済ませて順位が落ち着くと一気に4位に浮上した。

 その後、上位陣と互角のペースで周回を重ねていたヘイキであったが後半ペースが思うように上がらず後退を余儀なくされたが、最後まで踏ん張りを見せてゴールまでクルマを無事に運びチェッカー。攻めのレースを見せ7位フィニッシュを果たし、最終戦までタイトル挑戦権を得る貴重なポイントを獲得した。

 ドライバーポイントでは4点を獲得(計45点)してランキング4位、チームポイントでは7点を獲得(計62点)してランキング3位となった。次の運命の最終決戦は11月11日(金)~13日(日)にツインリンクもてぎにて2レース(第3戦代替含む)開催される。

 シリーズ6戦を終えた現時点でランキング3位につけるDENSO KOBELCO SARD RC F。第7戦はシリーズ唯一の海外戦でタイ・バンコクから東北東約400kmに位置する「チャン・インターナショナルサーキット」(ブリラム県)が舞台。「チャン(Chang)」はタイのビールブランド名でありサーキットのネーミングライツ。

 ブリラムはこの季節は雨季入っていて最高気温34度、最低気温24度ぐらいで日本の夏とほぼ同じ気温。公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は現地15時スタート(日本時間17時)の300km(66周、約2時間)で争われる。ピットストップは1回。ウェイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる82kgを搭載する。

 コースレイアウトは、富士スピードウェイのコース変更などを担当したティルケ社で、高低差のほとんどない右回り4.554kmのストップアンドゴーセクションと高速コーナーを複合させたテクニカルでチャレンジングなコース。ピットスタンドからは全周が見渡すことができ、スタジアムが大きくそびえ立っている。

 ピットはオートポリスと同じコース外側に位置し、左側からの給油となる。最終戦を前にシリーズタイトルへの挑戦権生き残りを懸けた正に正念場のタイラウンド。ハンディ重量が重く今回も厳しい戦いが予想されるが、チーム一同、粉骨砕身に勝利を狙っていった。

 8日(土)午前中の公式練習走行は、気温28度/路面温度31度のドライコンディション。10時から混走セッションが開始され、まずはヘイキがウェットタイヤ2セットを皮むき。雨天への準備を行い、その後ミディアム系とソフト系のタイヤのフィーリングをチェックした。

 まずミディアム系での最初のアウティングでは1分26秒639とその時点で4番手タイムを刻み、いったん赤旗中断を挟みながら13周を走行。次にソフト系タイヤを装着して1分26秒278でその時点7番手タイムをマーク。

 続いて26周目から平手がそのままソフト系のタイヤを確認。コンスタントに良いタイムを連続走行で刻みタイヤの状態を確認。その結果、ソフト系タイヤで良いデータを得られロングランで確認することとした。混走セッションの最後は平手が5周にわたってアタックシミュレーション。混走セッションではヘイキのマークしたベストで12番手に。

 10分間のGT500単独セッションでは、ヘイキがQFでは使用しない方のタイヤでアタックシミュレーション。3周目に1分25秒681の14番手タイムとなった。公式練習走行ではトータル44周を走行して公式予選への準備を整えた。

■Q1:ヘイキが悔しい10番手
 8日(土)天候は午前の曇りがちな空から晴れ間が広がり気温28度/路面温度34度に。15時20分からQ1が開始され、残り約7分でヘイキがコースイン。練習走行のタイムから苦戦が予想されたがインターバルも含めてセッティングを向上させ、良いバランスの状態にクルマが仕上がったことからQ1突破が期待された。

 ソフト系タイヤをチョイスしていたヘイキは丁寧にタイヤを温め、4周目のアタックラップに気合い十分に臨んだヘイキは、セクター自己ベストを更新していくが他車に前を阻まれてしまい自分のペースでアタックできない苦境に。

 重さが効いてコーナー立ち上がり~ストレートスピードは伸びずも、コーナーリングスピードは非常に速かった利点が活かせない。最終的に25秒台にのせてきたヘイキであったが、トップから0.7秒落ちの1分25秒117のタイムで10位という結果に。行く手を阻まれコンマ数秒を失ってコーナーリングの速さを活かせず悔しい結果となった。


■フリー走行
 9日(日)決勝日は朝から晴天に恵まれて気温32度/路面温度40度のなか、9時50分から今回スタートを担当する平手がコースイン。27~28秒台の好タイムで周回を重ね8周を終えてピットイン。続くヘイキは自分の担当するセカンドスティントで装着予定のタイヤを1周ベディング。

 次に元のソフト系ユーズドタイヤを装着して引き続き27~28秒の好タイムでヘイキがロングランチェック。フリー走行ではトータル20周を走行して、11周目にヘイキがマークした1分27秒170の6番手タイムと速さをアピールした。サファリも精力的に走行を重ね14周の走行となった。

■決勝スタート
第1スティント:平手がクレバーにペースを堅持
 9日(日)15時決勝スタート前には青空が広がり、気温33度/路面温度44度と日差しが強くなった。10番グリッドからDENSO KOBELCO SARD RC Fを駆る平手が、Q1で使用したソフト系タイヤを装着して無理をせずにスタート。

 大観衆が見守るグランドスタンド前を序盤7位争いをしながら駆け抜け、上位陣に食らい付く闘志を見せる平手。クレバーにタイヤを温存しながら周回を重ねた。上位陣と遜色ない1分27から28秒台で順調に安定した走行を続けていく平手。無線でも「タイヤはまだまだ元気だよ」と伝えてきた。

 そして前後のピットタイミングを勘案し、満を持して29周を終えピットインしてヘイキと交代となった。

第2スティント:ヘイキが一時4位を走る快進撃
 DENSO KOBELCO SARD RC Fは、各車ピットインを済ませて順位が落ち着くと一気に4位に浮上する攻めのレース展開をみせた。その後も上位陣と互角のペースで周回を重ねていたヘイキ。スティント後半思うようにペースが上がらず後退を余儀なくされたが、最後まで踏ん張りを見せてゴールまでクルマを無事に運びチェッカー。

 攻めのレースを見せ7位フィニッシュを果たし、最終戦までタイトル挑戦権を得る貴重なポイントを獲得した。

 ドライバーポイントでは4点を獲得(計45点)してランキング4位、チームポイントでは7点を獲得(計62点)してランキング3位となった。次の運命の最終決戦は11月11日(金)~13日(日)にツインリンクもてぎにて2レース(第3戦代替含む)開催される。

■ヘイキ・コバライネン
「走り出しからクルマの調子は良くてタイヤも良かったので、前を塞がれなければQ1を突破できるパフォーマンスがあった。決勝もコウヘイやチームが良い仕事をしてくれていたから自分自身のスティントをとても楽しんで気持ちよく走れた」

「4位に浮上した時には本当にアメージングな気分になったんだ。最終的にフィニッシュ順位は7位であったけど、安定して高いパフォーマンスであったブリヂストンタイヤが良すぎて少し気合いが入り過ぎたかも知れないね。攻めるレースをした結果だから仕方がない」

「次はもてぎは僕もコウヘイも割りと相性の良いコースだから、2レースをどうやって組み立てて、いかにチャンピオンシップ獲得を目指すかをタイラウンドが終わってからずっと考えてる。最終戦までこの争えるポジションにいられたことを感謝して、最後の2レースを思う存分戦いたい。そしてファンやチームに関わっているすべての人を喜ばせたいね」

■平手晃平
「今回タイで貴重なポイントを獲得して最終決戦のもてぎでチャンピオンシップを狙える位置で戦えることを嬉しく思いますし、チームメンバー全員を誇りに思います」

「自分が今回スタートを担当したのですが、タイヤをセーブしながらでも最高のパフォーマンスで周りと争えたブリヂストンの安定した性能の高さに驚くとともに、次のもてぎが楽しみになりました」

「もてぎは自分もヘイキもわりと得意としていてオフシーズンテストでも良い感じだったので走るのが今から楽しみです。チームが戦う毎に進化し続けていて自分たちも安心して戦える環境に感謝して、今季あと残り2レースを精一杯戦って満足できる結果を得たいと思います。引き続き熱いご声援よろしくお願いします!️」

■野田英樹監督
「チーム一丸となって精一杯の力を出し切ったことを嬉しく思います。ふたりのドライバー、チームクルー全員、素晴らしい仕事ぶりでした。また遠くまで応援に来てくださったスポンサー 各位、ファンの皆様、ありがとうございました」

「最後のもてぎ2戦はどうなるかわかりませんが、タイトル争いに残って乗り込む事ができる程チームは強くなりました。ラスト2戦は、2人のドライバーに悔いのないように思いっきり走って欲しいと思います。結果は自ずとついてくると思いますし、それを呼び込む力もついてきています。皆様どうか引き続き応援のほどよろしくお願い申し上げます」