レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、大きな論争となっているプレシーズンテストのバーレーン開催について、来年のグランプリ後に行うことを提案した。
F1チームは現在、2017年シーズンに先だって行われるプレシーズンテストの実施場所をバルセロナにするかバーレーンにするかで対立している。
ピレリは、涼しい環境で表面化しにくい様々な問題の洗い出しには、バーレーンの暑い気候が必要だと主張している。
そうした中でホーナーが妥協案を示した。
「シーズン初めの4レースでいえば、メルボルンはかなり気温が低いだろうし、中国も当然寒い。バーレーンは夜のレースで、ロシアも比較的涼しくなるだろう」
「そう考えると、シーズン中にバルセロナでテストするよりは、バーレーンのレース(4月16日)の後、装備やスタッフがサーキットに残って行うのがより賢明な策だろう」
ウイリアムズのチーフテクニカルオフィサー、パット・シモンズによれば、チームは「シーズン前に中東に行くことには絶対反対」だが、彼自身の考えではホーナーの提言は「とても理にかなっている」という。
「バーレーンは(テストに関して)最高のコースとまでは言えないが、そこで(レース後にテストを)行うことは問題ない」とシモンズは語った。
「費用もかからないし、最初の数レースでは定められたタイヤを使うからね」
「オーストラリアはミディアム、ソフト、スーパーソフトだ。もしピレリがハード、ミディアム、ソフトにしたければそれでも構わない。全チームが同じ条件なのだから」
「問題は、プレシーズンテストを(バーレーンで)行うと40万ポンド(約5000万円)の追加費用がかかることだ。メルセデスやフェラーリにとっては大した額でなくても、我々にとっては莫大な支出となる」
ホーナーは、ピレリがバーレーンテストのプレシーズン実施にこだわるならば、彼らが相当な費用を負担をすべきだと主張する。
「実際、とても単純なシナリオだ。ピレリが自分たちのために我々に暑い気候のバーレーンでのテストをさせたいなら、彼らが費用を負担すべきだ」と付け加えた。
「それでなくても我々は(タイヤ開発テスト用の)車両を作って、今走らせている」
「各チームにかかる費用は、ロジスティクスに応じて30万から75万ポンド(約3800万円から9500万円)となる。バルセロナで3月にテストすることに何の問題もないのに、こうした費用をチームに負担させるのはフェアではない」
一方、F1で毎シーズン7000万ポンド(約89億円)という多額の支出を行っているピレリは、F1にすでに大きな貢献をしているとして、この追加費用を支払う必要はないと考えている。
ホーナーは「では『バーニー(・エクレストン)が払うのか?』と問えば、答えは明白だ。つまり、我々は皆バルセロナに行く、ということだ」と語った。