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従業員に優しすぎる会社って、やっぱり潰れちゃいますか? 「ブラック企業の方が有利」という意見もあるけれど

2016年10月17日 05:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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Q&Aサイトの教えて!gooに、こんな相談が寄せられていました。質問者のきゃりー大好きさんが過去に勤めていた「いい会社だなぁ」と思った会社は、残念ながら潰れてしまい、すでにこの世には存在しないのだそうです。

その一方で、ブラック企業に関する話題は世の中から一向になくなりません。質問者さんは「やはり利己的な会社の方が伸びるのか?」と疑問に思い、「優しすぎる会社って逆に潰れないですか?」と質問しています。(ライター:Makiko.N)

ブラック気味の「儲けている会社」の方が人気なのか

「逆に」という表現がユニークですが、質問者さんの頭の中には「社員を大事にしない会社は、きっと潰れる」という常識があるのかもしれません。しかし政府が「過労死白書」をまとめるほど、日本には深刻なブラック職場が蔓延しています。

従業員に優しい会社は、それが原因で業績が傾いてしまうことがあるのか。回答者からは、「その傾向はある」という意見が寄せられています。

「そうだと思います。やはり、しっかりしてないとつぶれますよ」(シロロックさん)
「社員に優しすぎる会社って事ですか? 仕事で馴れ合ってりゃそりゃ潰れますわな。優しいではなく甘いってヤツですかね」(miya483さん)

murachanさんも、同じ実力を持った企業が2社あって、片方が社員の給与待遇や福利厚生が良く、もう片方が社員を酷使するブラックだとしたら、「確実に後のほうが有利でしょう。余分にかかる人件費だけ会社の利益になりますので」と答えています。

手厚い福利厚生は社員のモチベーションを高め、安心して働いてもらうために支払われているはず。しかしそれが効果的に働いておらず、ムダに支払うだけになっていれば会社の足を引っ張るだけです。

またmurachanさんは、大きく不祥事を起こさない限り、ブラック気味の会社のほうが株式市場では「儲けている会社」として人気が出るとも指摘しています。

「他社に真似できない強み」が労働環境を左右する?

一方で「利己的な会社の方が伸びるとは言い切れない」という意見もあります。blue5586pさんは、最近発覚した大企業の東芝や三菱自動車の不正を例にあげて、社員が上の人の顔色ばかりうかがう会社は絶対に伸びないと反論します。

「一時的には伸びたように見えても、不正というものは、必ず発覚するものです。上の者であっても、何の気兼ねもなく、発言したいことは発言できる、風通しの良い風土こそが、会社に必要なのです」

例にあげられた大企業は体育会系というより、まったりした居心地のよい社風と言われていますが、社員が気兼ねなく意見を言い合える環境ではなさそうです。ただ「不正というものは、必ず発覚するもの」と言い切れるかどうか……。

会社の理想の状態を「他社に真似できない強みを持ち、社員に優しく、ユーザーも満足して使える会社ですね」とする意見もあります。確かに「日本一社員を幸せにするホワイト企業」として有名な岐阜県の未来工業には、業界トップ企業の2倍以上の営業利益率を誇る高収益体質の強みがありました。

未来工業は「優しすぎる会社」ではありませんが、要するにそういう強みを持たないと、他社との価格競争に巻き込まれて安月給の長時間労働になってしまうのですね。その「強み」は、果たして誰が作るのか。社長任せなのか、それとも社員自身が作るのか。その答え次第で、会社の将来が決まってくるのかもしれません。

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