来たる2017年の新F1テクニカルレギュレーションにおいて、大きな変更が決まっているエアロダイナミクスは「驚くべきものになる」と、ウイリアムズのチーフテクニカルオフィサーであるパット・シモンズは述べている。
新しいレギュレーションではフロントとリヤウイング、およびタイヤ幅の拡大が大きな目玉となっており、これによってラップタイムは1周あたり3~5秒速くなると期待されている。
理論上、このレギュレーション変更によって勢力図が変わり、コンストラクターズ・チャンピオンシップで3位から5位に転落したウイリアムズのようなチームが上の順位に返り咲くことができるかもしれない。
2017年のウイリアムズの進歩の可能性に励まされる一方で、シモンズはそうした進化に基準点のようなものがあるわけではなく、ライバルチームの動向にも注意を払っていることを認めている。
チームが2017年に向けてどのように備えているかについて質問されてシモンズは「我々が来年に向けて取り組んでいるエアロダイナミクスの改善は驚くべきものだから、その質問に答えるのは非常に難しい」 と答えた。
「毎週風洞の中でダウンフォースのテストを行っているが、我々だけがこうした状況にあるとは思えない」
「全てのチームの風洞実験施設で同じことが起きていると思うよ。はっきりとは分からないけどね」
「我々は通常エアロダイナミクスにおいて達成すべき目標値を設定するものだが、来年についてはそもそも目標値がどれくらいなのかも分からないから何も言えない」
「大きな目標や、実現可能性やらの話はできるかもしれないが、目標が何になるのかということは、テストを行いつつ他のチームがどうなっているか見極めるまで分からないんだ」
空力開発の進行状況に加え、シモンズはピレリタイヤのサイズ変更によってマシンの他の部分のデザイン変更も行われるという事実に驚いている。
「そのクリエイティブの構成といったら、まったくの別物だ」と彼は言った。
「毎日報告書を読んで、『ワオ! こんなに変更があるのか?』と思ったよ」
「変更点は徐々に減っていくとは思う。ただ今のところ、まったくその気配がないがね」
「もちろんその数は初めの1カ月の時ほどではないが、それでも並外れている」
「それに加え、我々が集中しているのはエアロだけではない」
「我々が処理しなければいけないことのひとつに、新しいピレリタイヤへの対処がある」
「これは簡単なことではない。他のほとんどのチームがそうであるように、我々はサスペンションの形状を変更しなければならないし、ブレーキダクトもまったく違うものに交換しなければいけないんだ」