メルセデスは2015年度のF1シーズンで大幅に改善した財務レポートを受け、収支の関係が改善の方向に向かっていると考えている。
メルセデスF1チームを管理しているメルセデス・ベンツ・グランプリLtd.は、2015年度の売上高が6,630万ポンド(約84億円)増加し、損失額が2,230万ポンド(約28億円)まで減少したことを明らかにした。
この数字はメルセデスが7,610万ポンド(約96億円)の損失を報告した2014年度の会計収支から大幅な改善をみせたことを示している。
メルセデスは、F1に復帰した翌年(2011年)と比較し売上高を86%増加させたと思われる。これは近年のスポンサー獲得が難しい情勢のなか、マーケットの傾向に相反する結果である。
2014年、15年と2年続けてワールドチャンピオンシップを制したメルセデスは、2016年以降F1の商標権保有者から毎年ボーナスを受け取る見込みだ。
トト・ウォルフはF1で成功する秘訣を以下のように述べている。
「オーナーのダイムラーがF1をビジネスとして良く理解していることと、良い方向に向くよう時間をかけていることが、チームが成功する鍵だ」
「どんなビジネスでも何かを成功させるためには明晰な分析が必要だろう」
「F1では、いくつかの鍵となる要素がある。ドライバー、シャシー、パワーユニット、適切なテクノロジー、必要な予算、そして最高の人材だ」
「これらの要素がうまく提携し合うには、正しい意思決定を行う必要がある」
「しかし、一つだけ金で買えない要素がある。それは時間だ。我々の出資者は、我々に一体となる基礎を作り、団結する時間を与えてくれた。それが我々の成功にきわめて重要な要素だった」
「出資者がF1のビジネスをよく理解しているおかげで、我々はとても恵まれたポジションにいる」
「もしF1チームを多国籍企業のように運営しようとすればうまく行かないことを彼らは知っている」
「周りに惑わされることなく、賢明な決断を下す者が必要であることを、ダイムラー会長のディーター・ツェッチェは理解している」
ウォルフは2017年度の新たな空力ルールが、メルセデスの成功を脅かす可能性を認めているが、チームは今後の新規則に対応できると力説している。
「どのチームも立ち止まってはいない。ダイナミックに変わっていく環境の変化に適応し続けなければならないのだ」
「何が成功をもたらすかを知り、ライバルたちの挑戦や新規則への対応を適切に対処するには、適切な判断をしなければならない」
「2017年、新しいルールの下で困難に直面するだろう。そのときに我々は、新たな成功の道筋を探し出さねばならないんだ」