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LEXUS TEAM WedsSport BANDOH スーパーGT第7戦タイ レースレポート

2016年10月15日 12:01  AUTOSPORT web

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優勝を飾ったWedsSport ADVAN RC Fの関口雄飛/国本雄資、坂東正敬監督
2016 AUTO BACS SUPER GT Round 7
「BURIRAM SUPER GT RACE」

■開催日 予選10月8日(土) 決勝10月9日(日)
■開催地 チャン・インターナショナルサーキット
■入場者数 予選24,249人 決勝27,948人

悲願の初優勝!
ポールトゥウィンで完全勝利!

 いよいよシリーズも後半に突入した第7戦は舞台をタイのチャン・インターナショナルサーキットに移し開催された。本来ならば、最終戦のひとつ前のラウンドは重量を半減するが、今シーズンは第3戦(オートポリス)が震災の影響で最終戦(茂木)に組み込まれることになったので、第7戦では、ウエイトを積んだままの戦いとなった。LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは、予選では、レコードタイムを更新してポールポジションを獲得し、関口選手と国本選手の速さが光る予選となった。

 決勝では、トラブルに見舞われるが、運を味方につけライバルを寄せ付けない圧倒的な速さで優勝をつかんだ。

 チームが500クラスに参戦して6年目の悲願の優勝、それもポールトゥウィンという完全優勝を関口選手と国本選手がチームにもたらした。関口選手はGT500では初優勝。国本選手は2013年以来の優勝となった。

 しかも、今回は素晴らしいパフォーマンスをみせたメカニックに送られる『ZF Award』も受賞しチーム力の高さも実証した。

■予選 10月8日(土) 1位 1分24秒307
□公式予選  天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 Q1(GT500)開始時28℃/34℃、Q2(GT500)開始時28℃/33℃

 朝から日差しが痛いほど厳しいチャン・インターナショナルサーキット。午前中に行われたフリー走行では、トップタイムをマークしていた19号車WedsSport ADVAN RC F。ピットウォークを挟んで15時から300クラスの予選が始まるスケジュールになっていたが、その直前の14時半ごろには急に雨雲が流れてサーキット上空を覆い。ポツリポツリと雨粒が落ちてきた。雨季に差し掛かっていたこともあり、雨が懸念されたが幸いにも雨はすぐに止み、予定通り300クラスのQ1が開始され、15時20分から500クラスのQ1がはじまった。

 いつものごとく15時20分から始まったが全車がピットで待機し、先陣を切って走り出した19号車WedsSport ADVAN RC Fは4分遅れの15時24分にコースイン。それを追うように同じYOKOHAMAユーザーの24号車が続けてコースへ。その3分後には役者がそろい、Q2への切符をかけてタイムアタック開始。19号車WedsSport ADVAN RC Fのアタックドライバーは国本選手だ。全車が出そろってまずは6号車が1分28秒台でトップタイムをマークする。これを追う国本選手が1分24秒789のタイムでトップを奪うが、覆いかぶせるように6号車が再びトップへ。その後、8号車、37号車が終了間際にタイムを更新し、上位に食い込んでくる走りを見せたところでQ1は終了。19号車WedsSport ADVAN RC Fは4位でQ2への切符を手にした。

 Q1の結果、1位6号車、2位8号車、3位37号車、4位19号車。Q2もオンタイムで16時05分から始まった。今度は関口選手がポールポジションをかけて19号車WedsSport ADVAN RC Fに乗り込んだ。Q2開始から3分後、まだだれもいないコースへライバルを出し抜くようにコースイン。程なくして全車が出そろいそれぞれアタックを開始。Q2のこり3分の時点でQ1トップの6号車が1分24秒、809で暫定トップに立つ。しかし、12号車が1分24秒466でトップを奪う。残り2分を切ったところで19号車を操る関口選手が1分24秒490で2位にくいこむ走りを見せる。

 しかし、ここであきらめることなく関口選手はもう1ラップ、アタックを開始し、Q2終了間際に1分24秒304でついにトップに立った。その後、順位は目まぐるしく変わるが、19号車WedsSport ADVAN RC Fを上回るライバルは現れず、予選トップに。決勝のポールポジションを獲得した。
Q2の結果。1位 WedsSport ADVAN RC F。2位15号車 Dorago Modulo NSX CONCEPT-GT。3位 12号車 CALSONIC IMPUL GT-Rという結果に。

■決勝 10月9日(日) 1位 
□決勝  天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:33度/44度>中盤:32度/41度>終盤:32度/39度

 決勝日も晴天に恵まれたチャン・インターナショナルサーキット。決勝はいつもより1時遅い15時から。海外ということでフォーメーションラップの前のパレードランは無く。定刻通りの15時。1周のフォーメーションラップから、300km先のゴールを目指して決勝の火蓋が切られた。

 19号車WedsSport ADVAN RC Fのスタートドライバーは関口選手だ。関口選手は、オープニングラップの1コーナーをトップで駆け抜ける。後続のライバルはもつれ込むように19号車WedsSport ADVAN RC Fに続く。19号車WedsSport ADVAN RC Fを操る関口選手は4ラップ目には2位の15号車との差を1秒半ほど引き離し、7ラップ目には3秒引き離し、クリアなレース展開で中盤に差し掛かった30ラップ目にはそのマージンを8秒ほど築いた。

 ライバル達がピットインし始めた30ラップ周辺、19号車WedsSport ADVAN RC Fも36ラップ目にピットインを予定し準備を整えていた矢先の32ラップ目。19号車WedsSport ADVAN RC Fの左リヤタイヤがバースト。関口選手から無線が入り、予定より早めのピットイン。チームクルーは、素早いピット作業で関口選手に代わって国本選手を戦列に送り出した。トラブルが発生した場所がコースの最終セクションだったので、最小限のロスですんだのはチームにとって幸運といえた。

 戦列に戻った国本選手は一旦ピットインのタイミングで6番手に位置するが、全車がピットを終えた38ラップ目には再びトップに浮上し2位の12号車に11秒のマージンを築きレースを展開。19号車WedsSport ADVAN RC Fを操る国本選手はライバルを寄せ付けない速さをみせる。すると、45ラップ目に2番手の12号車にドライブスルーペナルティーが提示され、12号車は辛くもポジションを大きく落とすことに。12号に代わって15号車が2位に浮上した。

 この展開で19号車WedsSport ADVAN RC Fは2位の15号車に28秒の大差を築いた。しかし、気を抜くことなく、だが、タイヤをいたわりながらのレースを展開し、ファイナルラップへ突入。チーム全員が勝利を確信しながらも、何が起こるかからないレースに固唾をのんで、モニターを見つめる。そして、国本選手が最終コーナーを立ち上がり、歓声が沸き起こる中トップでコントロールラインを通過!チームに初優勝をもたらした。

 500クラスにステップアップし、6年目の初優勝は、ポールトゥウィンという完璧な優勝となった。

■関口雄飛選手コメント
午前中のフリー走行では昨日とはちがうフィーリングンになっていたのでチームと話合い、セットを若干変えました。そうしたらレース前の8分間では、調子を戻せたので自信を持ってスタートしました。レースが始まり5周くらいで少しずつですが後続が離れてきたので自分のペースが一番いいのがわかったのでできるだけマージンを築いてピットに帰ろうと思いました。燃料も軽くなり、ピットインが近くなってきたころタイヤも使い切って帰ろうと思ってプッシュして走りました。その矢先、タイヤがバーストしてしました。T7あたりだと思うんですが、トラブルが最小限で抑えられてよかったです。後半、国本選手が同じタイヤでいったので、不安もありましたが、後ろとのギャップを見ながらうまくタイヤマネージメントしてくれて勝てて本当に嬉しいです。500の初表彰台が初優勝なんですが、ここまで長かったので、チーム、ヨコハマタイヤさん、TRDさん、ファンの皆さんに感謝しています。本当にありがとうございました。

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■国本雄資選手コメント
まずはチーム、YOKOHAMAさん、TRDさんがいい車を作ってくれて本当に感謝しています。今週末、走り始めから調子がよくてパフォーマンスも高くて、変えたら変えたなりの動きがあって順調にレースまで行くことができました。スタートスティントで関口選手が10秒近いギャップを築いてくれて、5周前くらいでタイヤが壊れてしまったので、早めのピットインになりましたが大きなロスなく僕に代わりました。2位と15秒近いリードがあったし、しかも12号車のドライブスルーペナルティーで、その後ろの15号車とのギャップが25秒くらいできました。その後はタイヤの事だけ考えて、1~2秒くらいペースを落としてタイヤを滑らせないように心掛けて走りました。ギャップは最終的にすべて使い果たしましたが、勝ちを意識して戦ったレースだったので、自分を見失わないように集中して最後まで走りました。本当に皆さんのおかげで勝つことができましたし、チームにとっての初優勝に貢献することができてすごくうれしいです。ありがとうございました。

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■坂東正敬監督コメント
本当に嬉しいです。ここまで本当に苦労しました。その苦労の間、我がチームをサポートしてくださったスポンサーの皆様に感謝しています。ここまで一緒に開発を共にしてきた横浜ゴムさんにも本当に感謝しています。2009のチャンピオンから中々結果が出ない間ずっと応援してくださったファンの皆様、本当にお待たせしました。そして応援ありがとうございます。
レースはTRDの素晴らしいサポートにも助けられポールトゥウィンという最高の結果を出す事が出来ました。本当に関わってくれた全ての人に感謝します。
昨年と全く違うコンディションの中、僕が予想していたペースよりも断然速かったです。うちの2人のドライバーは凄いっすね!
想定していたタイムより速く走った為、タイヤに負担をかけてしまいました。僕がもう少し指示をしていたらトラブルはなかったですね!素晴らしいタイヤです。
タイヤ開発も攻めて作ったタイヤですから勝てる自信はタイに来る前からありました。国本選手の本来のパフォーマンスを出していれば30秒くらい2位と離してレースをしていたかもしれませんが、僕が勝ちに拘ってレースをコントロールした為、国本選手にはタイヤを労わってレースをしてもらいました。結果優勝です。1勝しないと何も発言権もないし、全てを変えられないとずっと思っていたのでこの優勝はもの凄く大きいです。メカニックも本当に素晴らしかった。あのトップの緊張感の中、イレギュラーでピットに入ってきたがとても早いピットワークで国本選手を送り出せました。エンジニアも凄いです。ポール獲れる車を作ってくれました。本当に今回の勝利はみんなで獲た勝利だと思っています。本当にありがとうございます。まだシリーズは終わっていません。挑戦者ですから失う物はありません。現在はシリーズランキング5位!残り2戦狙っていきます。
今後とも応援宜しくお願いします。最後に、レース後泣かない予定だったんですが・・
親父が突然僕のとこ来て、「お前! やったな! すげーぞ! お前はすげーぞ! 俺が出来ない事やりやがったな!」って言われて泣いてしまいました。
車輌製作から手伝ってくれたTRDの仲間、現場に来られなかった仲間、本当に感謝しています。僕のストーリーはこれからです。期待してください。今回は本当にありがとうございました。

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