マルク・マルケス 2016.10.14 ロードレース世界選手権 第15戦 日本GP フリー走行
[MotoGP] マルケスが4番手、クラッチローが5番手で初日を終える。ペドロサはケガのために今大会を欠場し、青山が代役で出場
2016年10月14日(金)・フリー走行
会場:ツインリンクもてぎ
天候:晴れ
気温:21℃
コースコンディション:ドライ
MotoGP レポート
シーズン終盤を迎え、タイトル争いの天王山となる第15戦日本GPのフリー走行が行われました。タイトルに王手をかけるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が4番手とまずまずのスタートを切りました。午前中の走行では順調にラップを刻んで2番手。午後のセッションでは、4番手タイムをマークしました。
この日は、タイヤのテストに集中し、決勝に向けて準備を進めました。午後のセッションでは、ハードスペックのフロントタイヤにトライしているときにヘアピンで転倒しましたが、再スタートを切ると、そのまま走行を継続、セッション終盤に初日のベストタイムをマークしました。「転倒したあとに、そのまま走行を続け、ラップタイムを更新したのはポジティブ」とマルケスは手応えをアピールしました。
5番手にはカル・クラッチロー(LCR Honda)で、これまで苦手としてきたサーキットで、上々のスタートを切りました。シーズン中盤戦に入って調子を上げているクラッチローは、この日は、いくつかの異なるセッティングにトライし、セットアップの方向性を見極めることに成功しました。2日目も引き続きセットアップに集中しますが、ツインリンクもてぎのベストリザルトに向けて好スタートを切りました。
2年連続の日本GP制覇に闘志を燃やしていたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、午前中の走行で5番手、午後の走行ではさらにポジションを上げる意気込みでしたが、新品のタイヤを入れたアウトラップで転倒を喫しました。医務室に運ばれて診察を受けた結果、右鎖骨の骨折が判明、今大会を欠場することとなりました。
転倒したのは”90°コーナー”と呼ばれる11コーナーで、ハイサイドを喫したペドロサはマシンから放り出され、路面に着地した衝撃で右鎖骨を骨折しました。ペドロサは、スペインに帰国、バルセロナの病院で手術を受ける予定です。代役として、RC213Vの開発テストを担当する、青山博一が出場することが決まりました。青山のレース参戦は、昨年のドイツGP以来となります。
ケガのために欠場していたジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は復帰を果たし、18番手でした。復帰第1戦の初日は、思うようにタイムを短縮できませんでしたが、周回を重ねるごとに実戦の感覚を取り戻しました。チームメートのティト・ラバトは19番手。ミラーとともに、2日目はタイム短縮とポジションアップに挑みます。
MotoGP コメント
マルク・マルケス(MotoGP 4番手)
「ダニのケガは本当に残念でした。いつものスピードが戻ってきていたし、早くよくなることを願っています。今日は思っていた以上にいいフィーリングでした。正直、もう少し苦戦すると思っていましたが、最初から感触はそれほど悪くありませんでした。今日はいい仕事ができました。午後はフロントにハードタイヤを試し、少しプッシュしようとしているときに転倒してしまいました。でも引き続き走ることができたし、ラップタイムも更新しました。これはポジティブなことでした。ここではライバルたちが強いサーキットですが、彼らとはそれほど差はありませんでした」
カル・クラッチロー(MotoGP 5番手)
「少し疲れていますが、今日はそれほど悪い日ではありませんでした。全体的にはマシンの仕上がりにかなり満足しています。改善の余地も、少し苦戦しているエリアもありますが、それでも、とても満足しています。今日は違うセッティングをいくつか試しました。そのため、少し時間を無駄にしてしまったかもしれませんが、それも想定内のことでした。明日も向けて引き続きデータを検証していきます。さらに少し前進できることを願っています」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 9番手)
「本当に悲しいです。ホンダのホームサーキットでレースをすることをとても楽しみにしていました。このサーキットは大好きなサーキットのうちの1つです。FP2のアウトラップでした。11コーナーに入った瞬間にリアから滑り、タイヤがグリップが復活したときに宙に飛ばされました。これ以上話すことはありません。できる限り早くサーキットに戻ってこられるよう回復することに集中したいです。僕の代役として彼のホームファンの前でレースをするヒロに幸運を祈ります」
ジャック・ミラー(MotoGP 18番手)
「今日は久しぶりの走行となり、セットアップに苦戦しました。明日は、もう少しいい走りができることを願っていますが、今日は難しい一日でした。明日に向けて気持ちを切り替え、なにができるか考えたいです。どこを改善できるのか、データを検証するために今夜は長い夜になりそうですが、さらに自信をつけるためにいい方法を見つけたいです。リアタイヤのスピンが少し多く、それに苦しんでいます。フロントエンドのハンドリングも、もっとよくする必要があります」
ティト・ラバト(MotoGP 19番手)
「このサーキットはとても好きです。そして、ホンダにとって重要なレースになります。午前中の走行は、レースウイークのスタートとしては満足しています。着実にタイムを更新したし、すべてひとりで走ることができたのでうれしいです。FP2の最後はもっと速く走ることができたと思いますが、6コーナーでラバティが僕の前で大きなクラッシュをしたので完全なラップにはなりませんでした。ファステストタイムとのギャップの大きさは分かっています。明日は落ち着いて集中して走らなければなりません。そしてマシンのセットアップを進めたいです」
青山博一(MotoGP)
「ダニのことは本当に残念でした。早く治ることを願っています。このような形でレースに戻るのは、最良の方法ではありませんが、友人やファンの前でHondaのためにベストを尽くします。マイク・ジョーンズが僕のレーシングナンバ―の7をすでに使っているので、僕は73を使います。この番号は250cc時代の最初のシーズンに使った番号です」