いよいよ開幕したFIA世界耐久選手権(WEC)第7戦富士。母国凱旋を果たしたTOYOTA GAZOO Racingは、フリー走行1回目で組5号車TS050ハイブリッドが4番手、6号車が2番手。フリー走行2回目は5号車が5番手、6号車が6番手だった。
小林可夢偉/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ組の6号車が3戦連続で表彰台を獲得するなど、好調を維持してホームレースに臨んだTOYOTA GAZOO Racing。
しかし、走行初日は前戦のCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)から大きく下がった気温、路面温度に苦しめられた。コンディション変化がミシュランタイヤのパフォーマンスにも影響し、タイヤ摩耗のトラブルが発生してしまったのだ。
加えて、2回目のセッションでは、午前中2番手だった6号車に電気系トラブルが発生。ステアリングを握っていた可夢偉はプリウスコーナー手前でマシンを止めることを余儀なくされている。
初日は苦しいスタートを強いられた両車だが、「いつものように我々は予選よりも決勝レースに重点を置いている。今のところ順調に仕上がっているよ」とサラザンが語るように、チームは予選よりも決勝に重点を置いてセットアップを進めており、6時間の本戦へ着々と準備を整えているようだ。
また、この日は2回目の走行前に行われた記者会見に可夢偉、一貴の両名が出席。富士スピードウェイへの想いと決勝への展望を明かした。
7月の第4戦以降、連続で表彰台を獲得している可夢偉は「実は富士スピードウェイでレースを戦うのは、今回が3回目。あまり思い出はありません。一度も表彰台に上がれていませんしね(苦笑)」と、過去の富士戦を振り返る。
「ただ、ここは僕にとってもトヨタにとってもホームレース。熱烈なファンの声援も受けますから、気合いが入りますよ」
「WECで富士を走るのは2013年以来。(今季とは違い、)あのときはGTマシン(フェラーリ458イタリア)をドライブしていましたし、決勝は雨で走れませんでしたけどね」
「今週は天気が大きく崩れることはなさそうなので、週末が楽しみです」
今季、これまで思うような流れに乗ることができていない5号車の一貴は「今週末のレースパフォーマンスには自信があります。ほかのサーキットよりもライバルのアウディ、ポルシェ勢に近づくことができると思う」と自信を覗かせる。
「今シーズンは6号車と比較すると、思うような結果が出ていません。スパやル・マンでは大量ポイントを逃していますからね。ただ個人的には単純に運が悪いだけだと思っています」
「チームのスタッフは、この流れを断ち切ろうと懸命に働いてくれています。この週末に流れを切り替えられるよう願っています。2014年のように独走することは難しいかもしれませんけど、充分戦えるポジションにいると感じています」
チームは決勝を見据えた作業を進めているとのことだが、明日15日(土)の予選でも母国ファンを驚かせるような走りに期待したい。