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岡崎体育、Mステ出演でさらなるブレイクなるか? リスナーに訴求する“2つの魅力”

2016年10月14日 18:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『BASIN TECHNO』通常盤

 2016年5月にアルバム『BASIN TECHNO』でメジャーデビューを果たしたソロアーティスト・岡崎体育が、10月14日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に初出演。番組内で「Voice Of Heart」を披露することが決定している。


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 岡崎は“盆地テクノ”というジャンルを提唱し、コミカルなパフォーマンスやメタ的な視点を持つ楽曲で多くのファンを獲得しているアーティスト。4月に公開した「Music Video」のMV再生数は1000万回を突破し、先日10月10日には『明石家さんまの転職DE天職』(日本テレビ系)で軽妙なトークを繰り広げるなど、お茶の間へ徐々にそのキャラクターと楽曲を浸透させている。なぜ彼はここまで順調に人気を獲得しているのか。インディーズ時代から岡崎体育に注目している音楽コンシェルジュのふくりゅう氏は、その理由についてこう分析する。

「岡崎体育がリスナーを惹きつけるのは、『世の中の人が音楽にどんな要素を求めているのか?』という難しい疑問に答えられるクリエイティブでポップな感性にあると思います。彼がブレイクしたきっかけは、バズを起こすための入り口としてMVあるあるを詰め込んだ『MUSIC VIDEO』、バンドへの対抗心を燃やした『FRIENDS』など、ギミックの効いた動画とシンクロした、笑えるセンスを持つ楽曲を打ち出したこと。つまり“引きとなるコンテンツ・マーケティング”に成功したアーティストといえますね」


 続けて同氏は、彼がそこまで振り切った楽曲を作る背景についてこう推察した。


「先にあげたMVありきのものではなく、口パクであることを2番で明かす『Explain』や、歌詞が飛んだことをネタにする『Voice Of Heart』など、ライブで見ることによって衝撃を与えてくれる、アーティストの内面を“同時解説”した批評性のある楽曲も面白いですね。既存のJ-POPシーンに中指を立てた、パンク魂のあらわれとでもいいますか。それをやりきれるのは、これらの楽曲とは裏腹に、彼が自信を持って発信したいと思えるバラード曲を持っていたからだと思います」


 岡崎体育の“もう一つの魅力”であるというバラードについて、ふくりゅう氏は以下のように解説する。


「ギミックの効いた笑える動画センスは、あくまでバズを起こすための入り口であり、岡崎体育の本質は同郷である京都の先輩・くるりの岸田繁顔負けの名曲を生み出せる、ポップセンスを持ったシンガー・ソングライターだと思っています。王道感ある切ない名曲『エクレア』『スペツナズ』、そして商品化されていない3年前に作られた『鴨川等間隔』には、そんな彼の魅力があらわれています」


 最後に、ふくりゅう氏は彼の今後に対し、こう期待を寄せた。


「動画やライブで打ち出される笑いのセンスは、今後、より時代とシンクロする可能性があると思います。彼自身のフォーマットが確立されているので、CMタイアップなどもどんどん舞い込んで来そうですよね。それと並行して共感度の高い言葉の力、泣けるせつないメロディを持つ楽曲を生み出せる才能も発揮されることにも期待したいです」

 今回のMステ出演を機に、岡崎はさらなるブレイクを果たし、ふくりゅう氏が解説したような“もう一つの魅力”を発揮することができるか。


(中村拓海)