世界ラリー選手権(WRC)第11戦スペインは13日、SS1が行われ、オット・タナク(フォード・フィエスタRS WRC)がトップタイムをマークした。
前戦のツール・ド・コルスから1週間のインターバルを経て開催された第11戦。バルセロナ南部のリゾート地、サロウでの1戦は舗装路面(ターマック)と未舗装路面(グラベル)が入り交じるミックスコンディションのイベントだ。
あいにくのウエットコンディションで行われたSS1では、最上位クラスで唯一DMACKブランドのタイヤを履くプライベーターのタナクがライバルより2.7秒速いタイムを記録。トップに立ってみせた。
総合2番手にも同じくプライベートのロレンツォ・ベルテリ(フォード・フィエスタRS WRC)が続き、総合3番手にセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が続いている。
しかし、そのタナクは走行後、マシンに違和感を感じながらの走行だったと語る。
「トリッキーなステージだったけど、まずまずの結果を出せたと思う」
「ただ、リヤのデフ(ディファレンシャル)にほんの少し違和感を感じたんだ。このあとマシンをチェックする必要がありそうだ」
今大会でのシリーズ4連覇達成に期待がかかるオジエは「アタック中、ほとんどグリップはなかったけれど、走れないほどではなかったよ」と走行を振り返った。
「こういうコンディションでは先にコースインするほど不利になるけれど、今回だけは僕に味方してくれたようだ」
「明日以降は厳しい戦いを強いられるだろう。特にグラベルステージではレッキ走行後に雨が降って(コンディションが変化して)いるからね」
総合4番手には比較的雨量の少ないタイミングでアタックしたWRC2のヤン・コペッキー(シュコダ・ファビアR5)が続き、クリス・ミーク、クレイグ・ブリーンのシトロエンDS3 WRC勢が続いた。
総合7番手にはSS1を「まるで地獄のようなコンディションだった」と表現するティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 WRC)がつけている。
本格的に競技がスタートする現地14日はSS2~7の6SSが行われる。全ステージが終了するまでサービスが設けられていないため、各ドライバーには慎重さも要求される。