今シーズン限りでレースの第一線を離れ、現役を引退することを発表したマーク・ウエーバーが、14日(金)に富士スピードウェイで開幕したFIA世界耐久選手権(WEC)第7戦のプレスカンファレンスに登場。引退を決断するに至った経緯を語った。
2002年から13年までF1で活躍、翌年からWECに転向しチャンピオンを獲得しているウエーバー。今季もティモ・ベルンハルト、ブランドン・ハートレーらとタッグを組んで、ランキング4番手につけており、走りに陰りは感じられない。
そんなウエーバーは会見で「(今年5月に行われた)第2戦スパのころから(引退が)頭をよぎることがあった」と明かす。
「最終的な決断を下すには時間がかかったけれど、素晴らしいスタッフと仕事ができるポルシェで(ドライバーとしてのキャリアを)終えたいと感じたんだ」
「今はテストやミーティング、チームのための活動をこなしながら、レースに臨んでいる。ただ、人生は短く、ほかのことにも取り組んでみたいと思うようになってきた」
「もちろんドライバーとしての活動を続けながら、(休日に)ゆっくり映画を楽しんだりすることもできるだろう。ただ、午前3時に起きてサーキットへ向かってレースを戦うためには、相応の情熱が必要になる」
また、発表がWEC富士開幕直前の13日になったことについては、「これ以上(発表が)早くても遅くても間違いだったと思う。翌日が富士戦だから発表したわけでも、10月13日に特別な意味があるわけでもないよ」と説明。「チームと話し合い、発表できるようになったタイミングとしてベストだった」と述べている。
ウエーバーはF1に参戦しているころから人気が高く、日本にも多くのファンがいるドライバーのひとり。この日も引退発表の影響もあってか、平日にもかかわらず、ポルシェのピット前には多くのファンが集まっている。
そんな日本のファンに対し「日本のファンの応援には心から感謝している。本当に熱心に応援してくれるファンが多いからね」とウエーバー。
「日本には鈴鹿サーキットがあり、僕にとってのヒーローであるアイルトン・セナやネルソン・ピケ、アラン・プロストらが愛した国。僕にとってもいい思い出がたくさんある場所だ」
「日曜日の決勝レースではトヨタやアウディと僅差の争いになるだろうけど、カーナンバー1を死守するために全力で勝利を目指していくよ」
来季、ウエーバーはポルシェの特別アドバイザーに就任。シリーズ数戦ではWECの現場を訪れるとのことだが、プロドライバーとして富士スピードウェイを訪れるのは今年が最後。今週末はウエーバーの富士“ラストラン”を目に焼き付けよう。