GT300に挑むaprは、今年から2台のZVW50型トヨタプリウスを投入。ブリヂストンタイヤを装着する「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」を、昨年に引き続き嵯峨宏紀選手と中山雄一選手がドライブする。開幕からの2戦は産みの苦しみを味わうも、マシンの熟成は徐々に進んでいき、その成果が最初に現れたのが第3戦のSUGO。予選2番手から力強いレースを見せ、初優勝を飾っている。
そして、前回の鈴鹿1000kmでも2位入賞。目まぐるしく変わる天候に若干翻弄もされたが、ピット戦略も完璧に今季2回目の表彰台に上がることとなった。その結果、ドライバーランキングでは2位に浮上。トップがハンデ上限の100kgにほぼ達しているのに対し、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は76kgとあって、差を詰める可能性は十分にあり! 異国での大活躍に期待がかかった。
公式練習 10月8日(土)10:00~11:35 土曜日のチャンインターナショナルサーキットは、確かに暑いには暑いのだが、これまでに比べると、それほどでもないというのが正確な印象か。また、未明には激しいスコールが降り、早朝の路面はウェットコンディション。過去2回はセッション中の降雨は一度もなかったのだが、いよいよそんな心配も……と思われた一方で、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」が装着するウエットタイヤのパフォーマンスは、高い定評を誇る。
最初に「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」のシートにおさまったのは嵯峨選手。まずはピットイン~アウトでチェックを行い、セットを調整した後、開始10分目から本格的な走行が開始される。周回を重ねるごと嵯峨選手はタイムを縮めていき、まずは1分34秒912が記録された直後に赤旗が。すぐに再開されてリズムを切らさずに済んだのは何より。その様子は、走行再開後に1分33秒927という、ターゲットとされるタイムがすぐに記されたことで明らかだ。
計測開始から3分ほど経ったところで「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」がコースイン。雲で覆われたせいか、気温こそ公式練習より上がって30度になったものの、路面温度は逆に下がって28度に。このコンディションに対応すべく、中山選手は実に4周もの間ウォームアップを行っていた。そしてワンアタックを完璧に決めて2番手をコンマ4秒も突き放す、1分32秒884をマークすると、チェッカーを待たずにピットに戻ってきた。後の3分間に逆転する者など現れようもなく「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」はトップでQ1を突破することとなった。
予定どおり4周のウォームアップの後、アタックをかけたが、まずは1分33秒363を記すに留まり、もう1周続けていくも33秒471と、タイムアップならず。納得のいかない嵯峨選手は1周のクールダウンを挟んで、再度アタックを試みるも、タイヤのピークはすでに過ぎており、1分34秒150を記すのがやっと……。そのため、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は4列目、8番グリッドから決勝レースに挑むことになった。
決勝日・フリー走行 10月9日(日)9:50~10:20 日曜日になると朝から強い日差しが照りつけるようになり、いよいよタイらしさが戻ってきた。午前中に行われたフリー走行から気温は32度に達し、路面温度に至っては39度にも! これが予選で……と、舌打ちしたチームもきっとあったに違いない。そんな状況においても「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は順調そのもの。嵯峨選手が走り出すと、周回を重ねるごとタイムを刻んでいき、1分34秒718を記したところで、いったんピットイン。そこから先は中山選手の走行となる。
スタート直後の「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、オープニングの1周だけで10番手にまで落ちていたが、それは想定の範囲。1コーナーを抜けてからのヘアピンを挟んだ2本のストレートでは、トルクフルなFIA-GT3勢の方が有利であるからだ。しかし、嵯峨選手は先行を許した車両にも遅れることなく続いていき、逆転の機会を待つことに。