14位フィニッシュながら、次へ繋がる内容に。
年に一度、海を越えて海外でレースを行うスーパーGTシリーズが、その舞台をマレーシアからタイに移して今年で3年目。昨年は第3戦として6月の開催だったが、初年度同様10月の開催に戻され、シリーズ第7戦として「BURIRAM SUPER GT RACE」が開催されることとなった。
今年から2台のZVW50型のトヨタプリウスでGT300に挑むaprが、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」を託したのは、永井宏明選手と佐々木孝太選手だ。永井選手はルーキーながら、佐々木選手の指導のもと、ポルシェカレラカップジャパンやスーパー耐久で、メキメキ実力を高めてきたドライバー。
加えて、日本から西南に約4500km離れたタイは、気候区分では熱帯に相当するため、厳しい暑さとも戦わなくてはならない。せっかく日本は秋めいてきて、涼しくもなっているというのに……。とはいえ、これら過酷な条件は、ウエイトハンデ4kgの「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」には大きな武器となるはず。
1分34秒433、34秒106を連続して記録するが、本来のターゲットタイムは1分33秒台。そこでいったんクールダウンを行った後、再度アタックをかけるが、今度はクリアラップがとれず。タイヤもピークを過ぎていたことから、チェッカーまで3分を残したところで「#30 TOYOTA PRIUS spr GT」はピットに戻ってくる。
決勝日・フリー走行 10月9日(日)9:50~10:20 日曜日になると、強い日差しが注ぐようになり、ようやくタイらしい気候となってきた。この暑さを待っていたチームも少なくなかったのではないだろうか。午前中のフリー走行で、最初に「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」を永井選手が走らせ、ピットストップなしに11周連続のロングをかける。最後の周には1分36秒314を記し、永井選手も納得の走りができたようだ。このあとは佐々木選手が担当。7周走行し、その間に1分35秒575をマークすることとなった。
グリーンシグナルの点灯後、コントロールラインを過ぎてから連続するストレート区間は、モーターアシストを生かせない今回の「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」に試練を投げかけた。特にポルシェ勢にはストレートだけで抵抗を許されることなく抜かれてしまい、オープニングラップを終えたところでの永井選手の順位は22番手。それでも、前方でアクシデントが発生するたび順位を上げ、また、6周目にはタイから出場の86マザーシャシーをかわしていた。
18周目となると、早くもドライバー交代を行うクルマも現れ、本来は「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」もショートスティントの予定だったが、永井選手がコンスタントに周回を重ねていたこともあり、22周目に暫定14番手となったところで、佐々木選手と交代することとなった。
トップとの差を1周に収めたことから、しっかり3ポイントを稼いでチームランキングでは16位に。続くツインリンクもてぎでの2連戦は、第3戦代替レースがポイント半減、最終戦はノーハンデとなるものの、ほとんどウエイトに苦しんでいない「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」にとっては、そう大きな影響を及ぼさないかもしれない。
しかし、ストップ&ゴーの連続するレイアウトに相性のいいことは、昨年の「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」の優勝で実証済。2レースで少しでも多くのポイントを稼いで、笑顔のままシーズンを終えられることを期待したい。