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WEC富士:T2Mモータースポーツやコーディネートで活躍。金子家敏さんを偲ぶ会開催

2016年10月13日 20:31  AUTOSPORT web

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金子家敏さんを偲ぶ会には、ラルブル・コンペティションのクルーやテレビスタッフ、ロマン・デュマが駆けつけた。
10月13日、WEC世界耐久選手権第7戦・富士6時間の走行を翌日に控えた富士スピードウェイで、かつてヨーロッパでスポーツカー耐久レースに挑戦したT2Mモータースポーツを率いた、金子家敏さんを偲ぶ会が行われた。

 金子さんは1955年神奈川県生まれ。高校卒業後、パリ大学に入学し、現地企業に勤めながらモータースポーツに傾倒し、1995年に現地法人『KANEKO OFFICE』を設立。同時に、名門フライジンガー・モータースポーツのチームマネージャーを務め、ヨーロッパのスポーツカー耐久レースに参戦を続けた。

 2003年、フライジンガーの活動休止にともない、金子さんは自らオーナーとして『T2Mモータースポーツ』を設立。ル・マン24時間やヨーロピアン・ル・マン・シリーズへの参戦を続けてきた。

 その後、チームは07年に活動を終えるが、金子さんはドライバーのマネージメントやテレビ中継のコーディネーターとして活躍。今季はフランスの強豪ラルブル・コンペティションのドライバーコーディネートという役柄を務めていたが、9月21日、フランスで心臓発作のため急逝。金子さん自身が楽しみにしていたというWEC富士の会場で、金子さんと親しかった仲間が集まり、偲ぶ会が行われた。

 この日は金子さんが最後に所属したラルブル・コンペティションのクルー、そして今季WECではラルブルに所属、金子さんとは長年ともに過ごした山岸大、さらに「金子さんがいなければWECやル・マンの中継は実現できなかった」というJ SPORTSの番組スタッフ、日本人ジャーナリストらが集まった。

 さらに、二度のル・マン24時間総合優勝の経験をもつポルシェLMP1ドライバーのロマン・デュマもこの会に姿をみせた。実はデュマにとっては、かつて「もうレースを辞めようか」というときにチャンスを与え、後のキャリアに繋げたのが金子さんなのだとか。

 会に集まった仲間たちは、展示された金子さんの写真を眺め思い出を語り合いつつ、亡き金子さんを偲んだ。なお、今週末LM-GTE Amクラスに参戦するラルブル・コンペティションのピットには、金子さんを偲ぶボードが掲げられている。