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運営は解散→衣装は赤字補填で没収→正真正銘どん底アイドルの現在

2016年10月13日 18:02  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

運営は解散→衣装は赤字補填で没収→正真正銘どん底アイドルの現在

 3dots and more(スリードッツアンドモア)というアイドルグループがいる。けっして売れているわけではない。ただし、グループに才能や未来を感じているからこそ、彼女たちをバックアップする人たちがいるのも事実。


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■9月末で運営が解散→自力で活動継続を決意


 3dots and moreが誕生したのは、2014年4月。彼女たちの才能に将来性を感じた人たちが集い、直ぐに「3dots and more 制作運営委員会」を設立。専門学校「東京スクール・オブ・ビジネス」もマネージメント授業の一環として運営委員会へ協力を表明。学生たちも大人たちに混じり3dots and moreの活動をサポートし続けてきた。


 プロの作家陣を起用しながら、3dots and moreはこれまでに3枚のミニアニバムをリリースしたが、グループ活動はつねに赤字が続いていた。それでも運営委員会は2年半ほど3dots and moreを支えてきたが、資金不足及び追加資金の投下は難しいと判断。彼女たちの活動の母体であった「3dots and more 制作運営委員会」は2016年9月末日をもって解散した。


 普通ならそこでグループも解散となるのだが、3dots and moreは「自分たちの力で続ける」と活動継続を表明。幸い、東京スクール・オブ・ビジネスは支援を継続。今も彼女たちの活動をサポートし続けている。


■衣装は赤字補填で没収→私服に 練習場は→公園に ライブはステージ→路上


 ただし、活動を継続出来てると言っても、彼女たちの前にはこれまで以上の苦難の道が待ち受けていた。まず、それまで身につけていた衣装は赤字補てんのために没収。スタジオでの練習も資金不足から不可能になり、現在は公園に集まって行っている。さらにライブハウスでの活動も以前よりも抑え、現在は私服姿でのストリートライブを軸に活動をしている。


 今や完全自主制作ということもあり、今の3dots and moreは見た目も活動の規模もかなりアマチュアレベルへ陥っている。だが、身体に染みついたプロ意識と絶対に這い上がってやるという強い意志が加味され、たとえ路上だろうが完成度高い歌やパフォーマンスを見せてゆくことが、ライブに触れた人たちを魅了し続けてもいる。


 現在は「東京スクール・オブ・ビジネス」の生徒たちと一緒に、彼ら彼女らが授業の一環として一緒に進化成長してゆくための活動を行っている。ただし、現状定められた期限は3月まで。4月以降はまだ白紙の状態。でも彼女たちは、自分たちが夢をあきらめない限りは活動を止めることもグループを卒業することも有り得ないこと。何より3dots and moreのメンバーたちは、どんな困難が待ち受けようが、それさえも全身で受け止め未来を描くことをみずから選択している。


■このどん底から這い上がれるか?


 「解散を賭けて」という名目を立てファンと一丸になってゆく動きは、アイドルシーンではけっして珍しくない。でも3dots and moreは「すべてを投げ打って」ではなく「すべて投げ捨てられ」何もなくなったところから、ふたたび這い上がろうとしている。


 正直、かなり苦難の道だ。すでに、路上ライブで酔っぱらいに絡まれたりと苦労を重ねている。それでも彼女たちは「未来をつかむこと」をあきらめてはいない。


まずは10月16日・duo MUSIC EXCHANGEでのイベントライブを筆頭に、数少ないライブハウスでのライブをしっかり成功させ、ふたたび安心出来る環境を整えることを3dots and moreは求めている。 なお、路上ライブの情報はブログやTwitter(@ae_andmore)で告知される。気になる方は、ぜひ足を運んであげて欲しい。


(文:長澤智典/編集:宮崎美和子)