先日開催されたリオデジャネイロ・パラリンピックでハンドサイクル競技に出場し、自身よっつめとなる2個の金メダルを獲得したアレッサンドロ・ザナルディが、ひさびさとなるモータースポーツ復帰参戦を果たすことになった。
元F1ドライバーとしてウイリアムズなどで活躍、そして北米CARTシリーズでは圧倒的強さで二度のチャンピオンに輝いたザナルディは、先月開催されたパラリンピックのハンドサイクリングH5部門のTT(タイムトライアル)とロードレースで見事金メダルを獲得。同じく国別対抗でも銀メダルを獲得するなど、依然衰えぬアスリート魂を見せてくれた。
そのザナルディが、今週末の10月14~16日にイタリアのムジェロで開催されるイタリアGTチャンピオンシップの最終戦に、かつてWTCC世界ツーリングカー選手権でともに戦ったロアール・モータースポーツからBMW M6 GT3でエントリーすることが決まった。
今季はパラリンピックに全精力を集中していたザナルディだが、すでにM6 GT3のシート合わせを行い、テストセッションもこなすなど精力的に準備を進めており、昨年7月にBMW Z4 GT3でティモ・グロックやブルーノ・シュペングラーらと出場したスパ24時間以来となる、レースカーのドライビングを楽しんだ。
レース翌週の23日に50歳の誕生日を迎えるザナルディは「私がいつも言っていることだが、自分の人生は決して終わることなく、いくつもの経験が叶えられる特別な幸運を与えられていて、今年はとくにその象徴のような一年だと言える」と、笑顔を見せた。
「リオデジャネイロの準備を進めてはきたが、50歳という年齢もあり、真にコンペティティブな状態までは実現できなかった。だから、勝負に勝って金メダルを獲得したことは格別な感慨があったよ」
「しかもその上に、今回はいま一度、素晴らしいレーシングカーのシートに座って、自分の原初的な情熱にふける特権にあずかることができるなんて! ミュンヘンのワークショップで、この美しいBMW M6 GT3を見たとき“これをいますぐドライブしてみたい”と夢想したよ」
「そして今、BMWは私にこのクルマをドライブしてもいい、と言ってくれたんだ。しかも、私の大好きなサーキットのひとつであるムジェロでね」
「僕はとても、とても幸運な男だ。早くステアリングホイールを握って、自分の持てる能力をすべて出し切って、このマシンをドライブするのが待ちきれないよ!」