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2017年はさらにワークスの戦い激化!? ニュルブルクリンク24時間に向けた噂

2016年10月12日 21:11  AUTOSPORT web

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VLN9のスタートシーン。レクサスRC F GTプロトタイプが優勝を飾った。
少しずつシーズンオフの気配を迎えはじめたヨーロッパのモータースポーツ界だが、10月8日に行われたVLNニュルブルクリンク耐久シリーズの第9戦では、BMWやメルセデスベンツAMGといったドイツメーカーを中心に、早くも2017年5月に開催予定のニュルブルクリンク24時間レースへ向け動きが出はじめている。レクサスRC F GT3の新型車がデビューウインを飾ったレースで、2017年への動きの噂を聞いた。

■ワークス続々投入。BMWは17年も本気!?
 BMWでは、DTMを担うチャーリー・ラム率いる名門シュニッツァーが、M6 GT3とBMWジュニアドライバーたちとともに、2011年のM3 GT2での参戦以来5年ぶりにノルドシュライフェへカムバックした。

 また、DTMではマルコ・ウィットマンとティモ・グロックが所属するRMGが、VLNに初参戦するブルーノ・シュペングラー用にM235iレーシングでのサポートを行うなど、ふだんのVLNでは見かけないチームやドライバーの参戦があり、パドックを大いに賑わせた。また、RBMの代表バート・マンペイやそのエンジニアらの姿もピットにあり、次回のVLNには新たなDTMチームが登場するかもしれない。

 シュペングラーのDTM参戦は、ニュルブルクリンクで導入された新たな規定により、たとえトップクラスのプロドライバーであっても、SP9=GT3マシンで参戦する以前には、VLNの実戦2戦以上での練習参戦(GT3カー以外)を課しているからだ。DTMドライバーとしての実績があるシュペングラーであっても例外は適用されず、M235iで参戦。同様にDTMドライバーのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタもすでにM235iを駆ってVLN参戦を済ませており、来年のニュル24時間でのBMW勢には、DTMチームやドライバーの参戦が増えることが予想される。

■ファルケンがBMWにスイッチか?
 一方、日本でもお馴染みのポルシェワークスドライバーのフレデリック・マコウィッキは、ファルケン・モータースポーツのポルシェ911 GT3 Rを駆り、2016年に念願のニュル24時間初参戦を果たした。さらにファルケン・モータースポーツでは、BMW M6 GT3をレンタルしてそのポテンシャルを確かめていたことから、来季はひょっとするとファルケンカラーを纏ったBMW M6 GT3が登場するかもしれない。ちなみにこのM6 GT3のサポートにはシューベルト・モータースポーツが全面的に協力をしていたのだが、シューベルトのクルーが1日限りでファルケンのユニフォームを着用した。

 また、メルセデスAMGのワークス活動を担うHTPが、若手ワークスドライバーのラインアップでタイヤおよび戦略やセットアップの調整準備に入り、データ収集に勤しむなど、ワークス勢では着々と準備が始められていることに驚く。幹部によると、メルセデスベンツAMG GT3の来季用のアップデートやマイナーチェンジもなく、今季と同様の仕様で引き続き来季もカスタマーチームへのマシンやパーツが販売される。

■新車も多数。日本車の17年参加は……!?
 試験的に今季何度かニッサンGT-RニスモGT3で参戦をしてきたザクスピードは、GT-R使用チームとして来季の本格的な参戦へ向けて動いている様子だ。今回はトム・コロネルやニッサンGTアカデミー出身のドライバーらがステアリングを握った。

 一方で、先日パリモーターショーで発表されたばかりの2017年モデルのポルシェ911 GT3カップカーがマンタイレーシングからレース初参戦をする予定だったが、テクニカル規定が合わず、残念ながら参戦を見送らず得なくなった。ただ、オフィシャルから許可が下りれば10月22日に開催のVLNの最終戦にお目見えする可能性もあるという。また、KTMクロスボウのGT4車両が登場したり、TCR規定車両が増えるなど、相変わらず車種バラエティも豊かだ。

 SP9=GT3クラスの参戦が年々ワークス化し、さまざまなカテゴリーからトッププロドライバーが集う祭典となり、自動車メーカーやサプライヤーにとっても力が注がれるレースとなっているニュルブルクリンク24時間。日本チームの新たなGT3の参戦も期待されるところだが、果たして……!? 2017年の開催スケジュールは5月25~28日となっている。