10月7~9日まで鈴鹿サーキットで開催された2016年F1日本GP。決勝が終わった翌10日(月)には恒例のファンミーティングが行われ、佐藤琢磨と松下信治が登場しトークショーを行った。
松下は「鈴鹿サーキットならではのフォーミュラカーのレースでしたね。、ドライバーとしての視点ではスタートを決めたロズベルグ選手が良いレースを展開したと思います。観客側からはアクションがなくて……、と思うかもしれませんけどね」とドライバー目線でコメント。
一方の琢磨は「DRSの効果で追い抜きの頻度がすごいですね。僕もメインストレートで観ていましたけど、何回も立ち上がってしまいました」とコメント。例年以上にオーバーテイク多かったレースを楽しんだことを明かした。
また琢磨は残り2周のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のシケインでの攻防戦についても解説。「直前のヘアピンでフェルスタッペンのライン取りが少し甘かったことから始まるバトルでした。そこでハミルトンはピタリとラインをつけて、スプーンから130Rにかけて近づき、シケインでのバトルに発展した」と、鋭い視点でレースを振り返った。
トークショーの後半では、会場に集まった子どもたちから質問を受け付けるコーナーが用意され、「インディカーで早く走るコツはなんですか?」、「鈴鹿サーキットで得意なコーナーと苦手なコーナーを教えてください」など、大人顔負けの質問が飛び交ったが、2人とも子どもたちにも分かるよう丁寧に回答していたのが印象的だった。
そのなかで松下は、マクラーレンのシミュレーターを利用していた時のことについて触れ、「僕は右足に力を入れてアクセルを踏むのが癖なんですが、以前マクラーレンのシミュレーターをやっているときにアクセル(ペダル)がボキッと折れたことがあります」という、驚きのエピソードを披露。ここでしか聞けないエピソードが明かされる、終始和やかなトークショーとなった。
琢磨が参戦するインディカーは今季すでに全戦が終了しているが、松下が参戦中のGP2は11月末に最終戦のアブダビが残っている。来季に繋げるためにも好結果が欲しい松下は「僕は4歳の時に初めて鈴鹿サーキットにきてF1を見て、そこからずっと夢を見てきました」と集まったファンや子どもたちに意気込みを語る。
「本当にF1ドライバーになることが小さい頃からの夢ですし、僕もF1ドライバーとしてここに戻ってきたいですね」
「そのためにGP2で結果を残して、力強くアピールして、堂々とここに帰ってこられるようにまずは頑張りたいです」
また琢磨も「来年もインディ500でのチャンピオンを狙って、邁進して頑張っていきたいです」とファンにメッセージを送った。
松下に関して言えば、来季の体制も気になるところ。すでに何らかの交渉は始まっており、その進捗も順調とみられているので、続報に期待したい。