チャン・インターナショナル・サーキットのターン7~8のコースサイドに建設されたBric Box Hotel Buriram 10月8~9日に開催されたスーパーGT第7戦タイ。舞台となったチャン・インターナショナル・サーキットは、年々コース周辺のインフラが整備されており、快適度が増している。そんななかでオートスポーツweb編集部員は、今季のタイ戦の宿泊地を、ネタ重視でチョイスしてみた。
チャン・インターナショナル・サーキットでのスーパーGT開催時は、多くのドライバーやチーム関係者がサーキットを訪れる。宿泊地は、GTアソシエイションが取りまとめたパッケージで予約するか、自分たちで手配するかどちらかだ。
我々オートスポーツweb編集部では、毎年レンタカー/ホテルは自前で予約するのだが、今回ネットでホテルを予約したタイミングで出てきたのが『Bric Box Hotel Buriram』だ。たまたま空いていたのだが、写真を見てビックリ。簡素なプレハブのような作りだが、サーキットのインフィールド区間にあたるターン7からターン9までを一望できるのだ。
「これは泊まればネタにできる……!」と即座に予約。実際に泊まってきたので、その様子をお伝えしよう。
■部屋はそこそこ清潔感アリ
今回、Bric Box Hotel Buriramに泊まった編集部員は3名。1フロア8部屋×2階建ての建物が5棟あり、我々が割り当てられたのはいちばんターン8寄りの棟。アクセスはサッカースタジアムであるニュー・アイモバイル・スタジアムの横から通常どおりサーキットに入り、途中看板に従って右折するだけ。
いったいフロントはどこなんだ……!? と思っていると、超シンプルな青い建物がひとつ。予約時に出るバウチャーを見せると、あっという間にチェックインが完了した。ちなみに、この時は気付かなかったのだが、ネットを使いたい時にはお願いをすれば紙を渡されWifiを繋ぐことができる。
部屋は3~4畳ほど。中にあるのはベッド、ベッドの上の棚、クローゼット(スーツケースは横にしたら入らず)、引き出し、冷蔵庫、電気ポット、コップ等々。ドアをひとつ開けるとシャワーとトイレがある。
部屋自体はそこそこ清潔感もあり、シャワーもしっかりお湯が出る(水圧が高めなのも嬉しい)。基本的に我々の仕事は早朝から夜22時くらいになるのはザラなので、寝るだけと思えば非常に快適だ……とは思っていた。
■思わぬハプニングさえなければ……。
初日、食事を終えて戻ってくると、入口ドアの上にあるライトを点けっぱなしだったことに気がついた。とりあえずドアを開けすぐに閉めたが……。たぶん20匹ほどの小さな虫が部屋に入ってしまった。サーキット周辺はとにかく虫が多いのだ。
そのまま虫と格闘すること約20分ほど。ティッシュでつぶし、ホッとしていると、サーキットのスタッフが何事かドアを叩いてきた。「ドア上のライトを消してくれ」という趣旨のことが言いたかったようだが、何かと思いドアを開けた瞬間、さらに50匹ほど入ってしまった。
「……部屋、変える?」とスタッフも困惑の様子。荷物も広げてしまったので、「まあいいよ」とふたたび格闘すること30分ほど。10分の1ほどにはできたので、あとは日本から持ち込んだ『どこでもベープ』に頼ることにした。いちおうその夜は熟睡できた。
とりあえず泊まる際、とにかく灯りを消して部屋に入ることをオススメする。また、別室の編集部員の部屋では、初日のみ朝5時に火災報知器が鳴りだし、その後ずっと鳴りっぱなしになるアクシデントもあった。そういったアクシデントがなければ、基本は快適だ。
■レースにどっぷり浸かりたい人はぜひ
さてさて肝心の眺望だが、ドアを開ければそこはサーキットだ。ベッドサイドの窓からも見ることができる(人が通るのでブラインドは下げておいた方がいいが)。ターン7からマシンが立ち上がり、ターン8~9、ターン10を抜けるあたりまでをずっと見ることができる。距離感としてもけっこう近めだ。ちなみに、写真も撮ることができる(ここに泊まって、スーパーGTのスタートシーンを撮った日本人プロカメラマンもいた)。
また、パドックまでもクルマで5分かからない。アクセスとしては最高だ。また、今年からニュー・アイモバイル・スタジアムの裏手にマクドナルドやケンタッキー、和食(焼肉、寿司アリ。味はちょっとアレだったが)が入ったショッピングモールができており、クルマさえあれば食事には最悪困らない。スタジアム横までいけばコンビニもある。敷地内で生活することも不可能ではない環境だ。エキゾーストノートで目覚め、サーキットを眺めながら寝る……というレースファンにはうってつけの環境かもしれない。
ただ、他に観光をしたかったり、もう少し快適性を求めたい場合はあまりオススメできないかも。今回も宿泊者は、チーム関係者やメディアが多かった。価格は予約方法によって変動するが、一泊2000円~10000円ほど。毎年のようにホテル事情も変化しているブリーラムだけに、参考のひとつにしていただければ幸いだ。