2016年10月11日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部
NASCARスプリント・カップ・シリーズ第30戦シャーロット
マット・ケンゼスが最後尾から追い上げ2位フィニッシュ
エクスフィニティではトヨタの2名が“チェイス”第2ラウンド進出
金/土の2日間で行われるはずだったシャーロットのレースは、ハリケーンの影響で順延となり、日曜日に両カテゴリーが2週連続となるダブルヘッダー開催。スプリント・カップ・シリーズはペナルティで最後尾スタートとなったマット・ケンゼスが追い上げを見せ2位フィニッシュ。その直後に行われたエクスフィニティ・シリーズでは、ダニエル・サレスが3位、エリック・ジョーンズが5位でフィニッシュし、2人揃って“チェイス”の次ラウンド進出を決めた。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第30戦 Bank of America 500
開催日:10月9日
ハリケーンによる順延戦
マット・ケンゼスが最後尾から追い上げ2位フィニッシュ
10月9日(日)、米国南東部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第30戦「Bank of America 500」が開催された。
シャーロットはNASCARのチームや関係企業が多く本拠地を持つNASCARの聖地のひとつ。シリーズ戦は年2戦行われているが、去年の春大会はカール・エドワーズ、今年の春大会はマーティン・トゥルーエクス・Jr.が制している。
シーズンの終盤10戦で上位ドライバーがタイトルを争うプレーオフ“チェイス”は序盤の3戦からなる第1ラウンドを終え、対象ドライバーが16名から12名へと絞られた。トヨタ勢は3戦中2戦を制し絶好調なトゥルーエクス・Jr.を含め、“チェイス”に進んだ5名全員が危なげなく第2ラウンドへ進出。再び全員揃って、8名のみが生き残る第3ラウンドへの全員進出を目指す。
6日(木)練習走行の後、午後7時20分より予選が行われ、カイル・ブッシュが4番手、トゥルーエクス・Jr.が7番手、エドワーズが8番手、デニー・ハムリンが9番手、ケンゼスは17番手グリッド。
この週末、ハイチ他カリブ海諸国に大きな被害をもたらしたハリケーン“マシュー”はその後北上し、アメリカ南東部に接近。この影響により、7日(金)と8日(土)に予定されていた一切の走行セッションは全てキャンセルに。
8日(土)夜に予定されていたカップ・シリーズの決勝は9日(日)正午に順延されて実施されることとなった。
台風一過の好天となった9日(日)、午後0時5分に1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。トヨタの“チェイス”勢5台のうち、ケンゼスを除く4台は序盤から着実にトップ10圏内をキープ。
ケンゼスは予選後、車両修復のために禁止されている作業を行ったために最後尾へとグリッドを後退してスタート。20位前後まで追い上げたところで迎えたこの日最初のピット作業で、クルーが車両到着よりも僅かに早くコースに降りてしまい、ペナルティ。再び後方からの追い上げを余儀なくされてしまった。
89周目には、序盤2位を走行するなどトヨタ勢を引っ張っていたカイル・ブッシュが突然にタイヤバーストに見舞われ、予定外のピットイン。イエローコーションが出なかったため周回遅れとなってしまった。
中盤はハムリンが50周にわたって首位を走行。この間に、カイル・ブッシュは“ラッキー・ドッグ”(イエローコーション発生時に周回遅れの最上位車両が1周取り戻せる救済措置)を獲得し、首位と同一周回に復帰した。
その後、ケンゼスとカイル・ブッシュも着実に順位を上げ、残り100周を切る頃には“チェイス”を争うトヨタ勢の5台は全車トップ10へ。
259周目の再スタート直後には12台が絡む多重クラッシュが発生。7位を走行していたカイル・ブッシュがこれに巻き込まれ、車両修復のために順位を落とすこととなってしまった。
更に、308周目にはこの日の大半でトップ3を走行、この時点でも2位を走行していたハムリンがエンジントラブルに見舞われ、痛恨の戦線離脱。これにより出されたイエローコーション時には、ケンゼスと3位を争っていたトゥルーエクス・Jr.がクラッチトラブルに見舞われ、16位へと後退。
残り18周での再スタート後、首位を争ったケンゼスが2位フィニッシュ。最後尾スタートと序盤のペナルティから追い上げてのトヨタ勢最上位フィニッシュを果たした。
カイル・ブッシュも序盤のタイヤバースト、複数のピットペナルティや終盤のクラッシュなどから見事な復帰を果たし6位でチェッカー。エドワーズとトゥルーエクス・Jr.は12位、13位フィニッシュとなった。
今大会は他チームも“チェイス”を争うドライバーが多くアクシデントに見舞われる波乱の展開となり、エンジントラブルで30位に終わったデニー・ハムリンも、“チェイス”争いでは次ラウンド進出圏内の8位をキープ。しかし、ポイントでは大きく遅れを取ることとなり、残り2戦も生き残りを賭けた激しい戦いが予想される。
次戦第31戦は10月16日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われる。
ドライバー マット・ケンゼス:
「ここはNASCARでも有数の追い越しが難しいコースであり、後方スタートからの2位は素晴らしい結果だ。正直なところ今日の48号車(ジミー・ジョンソン:シボレー)には誰も叶わなかっただろう。それだけに2位という結果には満足している。我々はここ3,4週、好調が続いているので、次週以降もそれを継続できるのを願っている。
昨年まで2年連続でここシャーロットで“チェイス”から脱落した。今年も多くの問題に見舞われたが、何とか返り咲くことが出来た。長い一日だったが、ピット作業も戦略も上手く行って、望み通りのフィニッシュとなった」
<チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ>
“チェイス”と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバー(全レース出場、ランキング30位以内が条件)と、未勝利でランキング上位の計16名が“チェイス”に進出。
“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落しポイントはリセット。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。
NASCAR XFINITY SERIES
第29戦 Drive for the Cure 300
開催日:10月9日
ダニエル・サレスとエリック・ジョーンズがトップ5フィニッシュ
2人揃って“チェイス”次ラウンド進出
10月9日(日)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第29戦「Drive for the Cure 300」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。
今季よりエクスフィニティにも導入されたプレーオフ“チェイス”は3戦目を迎え、今大会の結果で第1ラウンドを争った12名から、8名へと対象ドライバーが絞られる。トヨタ勢では今季フル参戦2年目の24歳メキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが前戦ドーバーで今季2勝目を挙げ、次ラウンド進出を決めている。
昨年ルーキーながらキャンピング・ワールド・トラック・シリーズのチャンピオンを獲得し、今季よりエクスフィニティ・シリーズにフル参戦している20歳のエリック・ジョーンズは、レギュラーシーズン中にシリーズ最多の4勝を挙げるも、“チェイス”に入ってからは2戦連続で不運に見舞われ後方フィニッシュ。
ランキングでは次ラウンド進出圏外の10位につけるも、ライバルとの争いは僅差であり、今大会、優勝もしくは上位フィニッシュでの次ラウンド進出を目指した。
7日(金)に予選と決勝が行われる予定となっていたが、ハリケーンの影響で金曜日の走行は全てキャンセルに。スターティンググリッドは6日(木)に行われた公式練習のタイムで決定され、決勝は9日(日)、こちらも順延されたカップ・シリーズ決勝の後に、2週連続となる同一日ダブルヘッダーとして開催されることとなった。
9日(日)午後4時52分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
2番手グリッドのエリック・ジョーンズと4番手グリッドのサレスは、序盤から、ダブルヘッダー同時参戦したカップ・シリーズのレギュラードライバーとトップ5圏内でのバトルを展開した。
レースは中盤、100周以上に渡ってイエローコーションが出ない展開となり、周回遅れが続出。エリック・ジョーンズ、サレスを含む数台のみが首位と同一周回に。2度にわたるグリーンフラッグ下でのピットインが行われる中、エリック・ジョーンズは最後までピットインを引っ張り、残り40周で首位に浮上。
175周目にイエローコーションが出され、エリック・ジョーンズはピットへ向かったが、ここで交換のため外したタイヤがピットエリアから転がり出てしまい、ペナルティ。首位と同一周回車両が少なかったため、9位へと後退するだけで済んだが、ペナルティのドライブスルーを消化している間に上位勢の隊列は整い再スタート。
エリック・ジョーンズは大きく引き離されて再スタートを切ることとなってしまったが、その直後にダコダ・アームストロングがスピンを喫し再びイエローコーション。この間にエリック・ジョーンズは上位勢に追いつき、ライバルのピットインもあって6位へ浮上。
最後の12周で、4位再スタートのサレスはひとつポジションを上げて3位フィニッシュ。エリック・ジョーンズも5位でチェッカーを受け、ランキングは6位へ浮上しサレスと共に“チェイス”次ラウンド進出を決めた。
次戦第30戦は10月15日(土)、カンザス・スピードウェイで行われる。
ドライバー ダニエル・サレス:
「良いレースだったと思う。レースをスタートしてから日が落ちて暗くなっていったのも良いレースが出来た要因かも知れない。グリップや車両バランスがどんどん良くなっていった。周回遅れが多発する中でも高いパフォーマンスを示すことが出来、力強くレースを戦えた。今日も上位でレースを争うことが出来たが、次戦以降もこの調子を維持していかなければならない」
<エクスフイニティ・シリーズの“チェイス”>
今季よりエクスフィニティ・シリーズと、キャンピングワールド・トラック・シリーズでもプレーオフ“チェイス”システムが採用されることとなった。エクスフィニティ・シリーズでは、全33戦のシーズンのうち、終盤の7戦でタイトルを争う。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバーと、未勝利でランキング上位の12名が“チェイス”に進出。
“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの2ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。