マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、ホンダ以外のF1パワーユニットマニュファクチャラーは開発の面ですでに“頭打ち”の状態になりつつあるため、ホンダは彼らとの差をさらに縮めていくことができると感じている。
先週末開催された日本でのホームレースでは、マシンとサーキットとの相性が悪く、マクラーレン・ホンダは不本意な成績に終わり、フェルナンド・アロンソは「悪い意味で驚いた」とすら発言した。しかし、F1に復帰した昨年は苦戦を強いられたホンダが今シーズン、大きく進歩しているのは事実だ。
メルセデス、フェラーリ、ルノーの開発は頭打ちになりつつあるが、ホンダにはまだ進歩の余地がたっぷりあるとブーリエは考えている。2017年にはF1パワーユニットの開発制限が撤廃されるため、ホンダはそれをうまく利用してライバルたちとの差を縮めることができるというのだ。
「(他マニュファクチャラーとの比較で)ホンダのプロジェクトの成熟度を考えると、今後さらに成長し続けるだろう。この部分で最大の進歩を見つけることができる」とブーリエ。
「エンジンレギュレーションには彼らにとって良い点がある。それは利用できる燃料の量だ。常に使えるエネルギーの量が制限されている。今のパワーユニットの開発には限度があり、我々は頭打ちの状態に向かっている。だが、レギュレーションにおいて少し自由が認められることが、我々がライバルたちに追いつくチャンスになるのだ」
「さらに、メルセデス、フェラーリ、ルノーはユニットの開発を2010年にスタートしたが、一方のホンダがスタートしたのはその3年後の2013年だ」
「そのため、パワーユニットの開発の成熟度を考えれば、ホンダには他より大幅に前進の余地がある。彼らは追いついていくだろう」
「エンジンを自由に開発できることが、向上が頭打ちの状態に早急に到達することに、一役買うだろう」
「現在、我々はまだ上昇曲線にいる」
2017年にエンジン開発の制限を取り除くという規則と同時に、新しい空力規則が導入され、それによってチーム間における序列が一新される可能性がある。
ブーリエはマクラーレンが開発の上昇曲線を描き続けることを確信している。 「我々は今後も上位との差を縮めていくという自信がある」
「あなた方(メディア)よりも、私は水面下で何が起きているかについてずっとよく知っている。だから今後も追い上げていく自信を持っているのだ」
「来年何が起ころうとも我々はギャップを縮める。他のチームが何をしているかは分からないから、予測も数字も出すつもりはないがね」
「いま他と比べて自分たちがどこに位置しているかは正確に理解している。このまま前進を続けたら来年どこまで行けるのか、おおよその位置は答えられるかもしれない」
「我々に関しては、前とのギャップを縮めることができるだろう。それは間違いない」