2016年F1第17戦日本GP決勝トップ10に入ったドライバーたちがレースを振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=1位
最高の週末だね! 金曜にライトがグリーンになった瞬間から、いい感触を抱いていた。プラクティスでいいリズムに乗り、強力な予選を走り、決勝でまずまずのスタートをして、レースをリードし、ペースをコントロールすることができた。サイクルの中でこのエンジンを使う最後のレースだったから、セーブしなければならなかった。でもギャップは常に安全に保たれていたよ。
日本で勝つことを目標にし、それを達成できたから、本当に特別な気分だ。この伝説のレーストラックで勝てるなんて最高だよ。
3度目のコンストラクターズ選手権を獲得し、日本、ブラックレー、ブリックスワースの同僚たち、ダイムラーの数十万人の従業員の皆さんに心からお祝いの言葉を贈りたい。実現に力を尽くしてくれたひとりひとりのスタッフ、すべてのパートナーに本当に感謝している。彼らは世界一だよ! 何年にもわたって信じられないような努力を重ねてきたのだから、この成果を受け取るにふさわしい。盛大にお祝いしようじゃないか!
自分自身のお祝いもするかもしれないけど、それはささやかなものにとどめておく。シーズンはまだ終わっていない。あと数戦残っているから、エネルギーを保つ必要がある。
最後に今週末来てくれた観客の皆さんにお礼を言いたい。ここのファンはいつも特別な雰囲気を作り出し、彼らが素晴らしいショーをもたらしている。「ありがとう!」
最後の4戦に集中していく必要がある。次はアメリカでお会いしよう。楽しみにしているよ。
■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=2位
スタートが決め手になるだろうことは分かっていた。今日はすごくうまく決まって、その後、自分のリズムで走ることができた。このごろスタートがうまくいくようになってうれしい。2戦連続でよかった。
ニコ(・ロズベルグ)の後ろの位置を確保して、タイヤをコントロールして走った。チームはすごく強力な戦略を用意してくれた。マシンのバランスもとてもよかったので、楽しんで走り、いい結果を出すことができた。
メルセデス2台の間に入ることができてうれしかった。チームにとってまた素晴らしい結果を出せたよ。
決勝で僕らのペースはよかったけれど、ニコはあまりプッシュしていなかったんだろうね。僕がペースを上げると、ニコも同じようなペースで走り、僕がペースを落とすと彼もそうしていた。彼はコントロールしていたんだ。
終盤ルイス(・ハミルトン)の方が少し速かった。彼が追いついてくるのは分かっていた。ピットボードで表示されるギャップタイムが毎周縮まっていたからね。最終シケインの入口で、ミラーで彼が近づいてくるのが見えた。それでポジションを守った。おかげで2位を維持することができたんだ。
ブルーフラッグに関して気がかりな場面があったから、話し合う必要がある。去年も、今年に入ってからも同じ状況に陥った。バックマーカーたちもレースをしたいというのは理解している。でも周回遅れにするドライバーたちは表彰台を賭けて戦っているんだ。だからバックマーカーは違うアプローチをとる必要がある。
(FIA記者会見でハミルトンとのバトルについて語り)彼がタイトル争いをしているのは分かっているし、クレージーなことをするわけはない。
ターン14を彼がうまく立ち上がったのが見えたから、エネルギーを使って最終シケインで防御した。すべてうまくいったよ。
(Sky F1に対して語り)ドアを開けて「さあどうぞ」と言うつもりはない。彼が動いたのを見た瞬間にドアを閉めた。十分にギャップがあったから彼には僕がそうすることが見えていたはずだ。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=3位
まず最初に、ファクトリーとメルセデス・ベンツの全員に心からおめでとうと言いたい。皆が素晴らしい仕事をし、3年連続でこれほどの成功を収めた。信じられないようなことだ。2007年からメルセデス・ベンツの一員であり、2013年からこのチームの一部であることを誇りに思う。
レースの話に移ろう。スタートで何が起きたのか、よく分からないんだ。エンジニアたちの話を聞く必要がある。でもあれ以上ないほど最悪の蹴り出しだったことは確かだよ。僕のグリッドの側は完全には乾いていなくて、かなりホイールスピンをした。でも問題はそれがすべてではない。他の皆はトラクションを得て前に進むなかで、僕は大きく順位を落とした。悔しかったよ。でも仕方ない。こういうことは時には起こるものだ。
レース序盤、キミ(・ライコネン)ほどのペースがなかったので、彼を激しく攻め立てることなく、スティントを長くとる必要があった。レース後半はかなり面白くなった。ハードタイヤでペースが向上し、マシンの感触がよくなった。それでオーバーテイクできるようになった。
フロントウイングを調整したらアンダーステアが完全に消え、順位を上げていき、上位とのギャップを縮めることができた。残念ながら2位には届かなかったが、僕は今日、最大限の仕事をした。1点1点が重要なので、できるだけたくさん獲得できるよう、全力で走った。
今日ニコ(・ロズベルグ)はすごい仕事をした。ドライバー選手権において今や大きなマージンを築いた。僕にとってはさらにきつい状況になった。でも、今日のレースを含めいつもしているように、すべての力を注いでいくよ。それが僕にできるすべてだ。最善を尽くすことに集中し、その結果どうなるかを見ていこう。
今日来てくれた観客の皆さんに、心からお礼を言いたい。毎年ここのファンは最高だ。
(FIA記者会見においてスタートについて聞かれ)路面が湿っていたことはそれほど関係ない。僕がミスをした。(具体的に、と言われ)単にホイールスピンをしただけだ。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=4位
スタートはとても良かった。最初の2周で(ダニエル・)リカルドと(セルジオ・)ペレスを抜いて、だいぶ順位を上げたし、ペースも(マックス・)フェルスタッペンより速かった。
今日はフェラーリが2番目に速いクルマだったと思う。だから、彼に追いつくのは時間の問題だと思っていたけど、マックスはトラックポジションを守るために可能な限り早いタイミングでピットに入り、それを見事に成功させた。
僕らは最後のスティントをソフトタイヤで乗り切ろうと試みた。この作戦は最初はうまく行くと思ったが、デグラデーションが思ったよりも大きくて、徐々に離されてしまうことになった。
失敗をあとから批判するのは簡単だし、何でもよくご存知の「専門家」の方々は、あれこれと言うに違いない。でも、ピットウォールの人々だけでなく、クルマに乗っていた僕自身もこの戦略で行くことを望んで、そのために第2スティントを少し延ばしたんだ。
周回遅れのトラフィックのおかげで、大きくタイムを失ったのも事実だ。僕はいつもセクター1で周回遅れに引っかかっていたような気がする。あそこでは、抜かれる方もラインを譲るのが難しいから、僕は大きなタイムロスを抱えることになり、おそらくそれでルイス(・ハミルトン)に対してポジションを失った。彼は周回遅れのほとんどをストレートで処理できたようだからね。
ただ、それがなかったとしても、終盤の僕のペースではポディウムを狙うのは難しかったかもしれない。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=5位
昨日の予選は良かったのに、ギヤボックスに問題が見つかって交換しなければならず、グリッド降格のペナルティを受けた。こういう抜きにくいコースでは、ありがたいことではなかったね。当然のことながら、ひどくガッカリさせられたよ。クルマの仕上がりは良かったから、最初から前の方にいられれば、混み合ったところでバトルをする必要もなく、もっと速く走れたはずだ。
僕自身のスタートは良かったものの、その後はずっと誰かに行く手を阻まれていた。別のクルマの背後について走るのはものすごくトリッキーで、クルマの挙動もかなり大きく影響を受ける。だから、前を行くクルマの背後につけて、アタックするのも楽ではなかった。
彼らを抜いて単独走行になってからは、クルマはとても速かったし、ハンドリングも良かったよ。間違いなく言えるのは、今日の僕らにはもっと良い成績を挙げられるだけの速さがあったということだ。残念ながら、こういう結果に終わったけどね……。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=6位
僕にとっては、あまりエキサイティングなレースではなかったし、残念ながら運も味方をしてくれなかった。キミ(・ライコネン)のグリッド降格ペナルティは、僕にはむしろ迷惑なことだったんだ。順位が変わって路面が濡れた側のグリッドに並ばされ、結果としてスタートでの出遅れにつながったからね。
僕のスタートそのものは、それほど悪くなかったと思う。ただ、ご存知のようにルイス(・ハミルトン)の出足が鈍かったために、僕は路面の濡れたところを通って回避する必要に迫られ、その間にセルジオ(・ペレス)に抜かれてしまった。さらに、セブ(ベッテル)が1周目のシケインをうまく立ち上がって、ストレートで僕を抜いた後、立て続けにペレスもとらえた。
そうして順位を下げたことで、僕の最初のスティントは決まってしまったとも言える。乱れた気流に入ると前のクルマについて行けなくなるので、接近した状態を保つのは難しかったし、一気に攻撃を仕掛けられるほどのストレートスピードもなかったんだ。
そして、僕はトラフィックの中でも苦戦して、あまりうれしくない状況に陥った。終盤の最終スティントでは、ようやく前がクリアなところを走れて、いいラップタイムも記録できたけど、それまでの遅れを取り戻せるほどではなかったよ。
でも、それほど落胆しなくてもいいと思う。今日の僕にこれ以上のことができたとは思わないし、この結果は状況がもたらしたもので、そういう展開のレースだったというだけだ。コース上のパフォーマンスという意味で良い週末をすごせるように、そしてバーベーキューをお腹いっぱい食べられるように、準備を整えた上でオースティンへ乗り込むよ。これから2、3日は食事制限をして、体重を減らしてからオースティンへ行くつもりだ。現地の食べ物を心置きなくエンジョイするためにね!
(グリッドについて聞かれ)今朝、キミがペナルティを受けると知り、それはうれしいと思った。でもグリッド右側を見た瞬間に「繰り上がりたくない」と思ったよ。右側の方が路面が濡れていたんだ。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=7位
今日はレースをエンジョイできた。レース中の判断もすべて正しかったと思う。スタートは面白かったね。クリーンな競り合いをしながらターン1へ入って行ったら、いつの間にか3番手になっていたんだ。僕はそのポジションを守るためにベストを尽くしたけど、自分より速いクルマを抑え続けるのは難しいとわかっていたので、合理的に考えて相手を選んでバトルをする必要があった。
僕のクルマはかなり速かったし、2ストップの戦略は間違いなく正しいものだった。ウイリアムズ勢は僕らとは違う(1ストップの)戦略を採っていて、こっちは彼らをコース上で抜く必要があった。でも、幸運なことに、あまり時間をかけずに彼らをオーバーテイクすることができたよ。
予定のピットストップを終えた後のレース終盤は、とにかくタイヤをいたわり、トラブルに巻き込まれないように走るだけだった。今日のレースで、僕らはまた貴重なポイントを稼ぐことができた。シーズンの残り4レースでも、これと同じような成績を残し続ける必要がある。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=8位
自分のレースにとても満足している。7位も可能だったかもしれないけど、結局は土曜の予選が完璧ではなかったことの代償を、そこで払わされたのだと思う。1周目でかなり順位を上げることができたとはいえ、トップ10の後ろの方からのスタートになると、どうしても周囲が混み合っていてタイムを失うことになるからね。
バルテリ(・ボッタス)に対するオーバーテイクは、今日の僕のレースのハイライトだった。あの周に入った時にも彼をパスするつもりで迫っていったのに、最終コーナーの脱出があまり良くなくて、ターン1で抜ききれなかった。だから、僕は自分に言ったんだ。「ここで抜けないのなら、シケインで抜いてやる!」ってね。ホイール・トゥ・ホイールの際どいバトルだったけど、うまく成功させることができたよ。
今日はチームの2台がポイント圏内でフィニッシュすることが重要だった。でも、選手権争いは最終戦までもつれ込みそうだから、この後のひとつひとつのレースと、着実なポイントの積み重ねが勝負を左右することになる。どうやら(コンストラクターズ選手権の争いは)面白い勝負になりそうだし、僕らにとってはやりがいのあるチャレンジだ。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 決勝=9位
タフなレースだった。最初から最後まで、ずっと戦い続けていたからね。僕らは2台ともスタートで2つ順位を下げた。たぶん、選んだタイヤが他のドライバーたちとは違っていたからだと思う。
レース序盤のペースも、周囲のライバルと比べてあまり期待できそうな雰囲気ではなかった。ただ、それは長くコース上にとどまって1ストップをやろうとしていたからで、その戦略は狙いどおりに機能した。できればフォース・インディア勢の前でフィニッシュしたかったけど、今日は彼らのクルマの方が速かったようだ。
ともあれ、最初のスティントでは13位と14位だったのに、2台揃ってポイントを獲得できたのだから、戦略がとてもうまく機能した、よいレースだったと思う。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 決勝=10位
チームの戦略という点から言えば、競争相手と違うことを試みて、それを成功させたのはよいことだ。今日のところは、どう考えてもこれ以上の成績は望めなかった。ひと言で言えば、僕らはもっとクルマを速くする必要があるし、カレンダーの残りのサーキットが、今回よりも僕らのクルマに合っていることを願うしかない。今日はとにかくペースが遅かったことに尽きる。
僕自身については、最初のスティントでチームメイトより前を走っていたのだから、戦略的にも優位に立てるはずだったのに、その点でうまく行かなかった。
次のオースティンに向けては、マレーシアでのレースのように、フォース・インディアをペースで上回れることを期待している。最近は他チームとの相対的なパフォーマンスの予想が、とても難しいことが多い。僕らは今日のレースから学ぶ必要があるし、できれば2週間後にはもっといいパフォーマンスを示したい。