フェラーリF1のチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネ(写真左)が、ベッテルは来季以降、チーム内での立場を自分で築き上げる必要があるとの発言をしている。これについてベッテルは、代表との不和など解決すべき問題は何もないとの考えを示した。
6月にバクーで行われたヨーロッパGPの後(オーストリアGPからマレーシアGPまで)、ベッテルは1度の表彰台と57ポイントを得ているが、同期間でチームメイトのキミ・ライコネンは79ポイントを獲得。不調の続くベッテルに関して、アリバベーネはスカイスポーツ・イタリアに以下のように語っている。
「セバスチャンとは(2017年末まで)契約がある。今季、来季は共に協力して仕事に取り組んでいき、来シーズン中は様子を見ることにする。我々にはそれぞれの目標があるので、誰であろうと立場とサラリーは自身の手で得ていくべきだという考えは、間違っていない」
この発言についての意見を求められたベッテルは、英AUTOSPORTに対して次のように述べた。
「(アリバベーネが何を言ったかは)まだ聞いていないけれど、総じて僕は、彼との率直で正直な関係を楽しんでいる。もし僕も何か気に入らないことがあれば彼に伝えるし、同様にその逆になることもある。僕らの間には何の問題もなく、解決すべきことなど何もない。僕らは同じ目標の達成に集中している。レースに勝ち、特に将来的にさらなる強さを得ることが、主な目標なんだ」
シーズン序盤、ベッテルにテクニカルトラブルが続発していなければ、おそらくドライバーズ選手権でライコネンを上回っていただろう。しかし7月に新たな契約を締結したライコネンは腕を上げ、対するベッテルは苦戦を強いられた。
マレーシアGPでは1コーナーでニコ・ロズベルグに接触し、結果として日本GPで3グリッド降格のペナルティを科されることとなった。ベッテルも自身の不調には落胆していることを認めているが、復調にかけるモチベーションは高い。鈴鹿の予選ではライコネンに僅差で敗北したものの、この後に来季に向けての抱負を語っている。
「チームはパフォーマンスを発揮したがっていて、僕も同じ思いだ。そうできなかったレースは他にもあったが、余力はあるので自分自身に満足していない。今季は浮き沈みの激しいシーズンだ。これまでの週末に見られたペースを考えると、結果は公正でも割に合うものでもない。でも、こういうこともあるさ」
「いま最も集中すべきは、その部分ではなく、今シーズン末に向けて前進に努めること。レギュレーションが変わろうとも、今季に学んだことのすべてを来季に持ち越してやる。今シーズンのマシンについて学べることはまだ多くあるし、それが助けになるはずだ」