スーパーGT第7戦タイは9日、チャン・インターナショナル・サーキットで66周の決勝レースが行われ、GT300クラスはVivaC 86 MCが優勝した。
シリーズ唯一の海外ラウンドの決勝にはマシン修復が叶わずリタイア届けを提出したシンティアム・アップル・ロータスを除く全車が出走。サーキットサファリ中にクラッシュがあったArto MC 86もグリッドに姿をみせている。
定刻の現地15時にフォーメーションラップが行われると、レースはクリーンにスタート。まずはVivaC 86 MCを先頭に1コーナーへ飛び込んでいく。その後方にはタイを得意とするB-MAX NDDP GT-R、GAINER TANAX GT-Rという2台がぴたりとつけると、5コーナー飛び込みでB-MAX GT-RがVivaC 86のインに飛び込み、オーバーテイク。トップに浮上した。
首位に立ったB-MAX GT-Rはじわじわとギャップを拡大。GT500クラスが追いつき始めた9周目までにマージンを約1秒まで広げてみせる。一方、2番手に交代したVivaC 86の後方にはGAINER GT-RとUPGARAGE BANDOH 86が等間隔で続くと、VivaC 86は9周目にGAINER GT-Rに交わされ、3番手にポジションを落としてしまった。
トップを行くB-MAX GT-Rは2番手以下との差をおよそ2秒まで広げるも、後方からGAINER GT-Rが猛追。15周目には0.7秒差に迫られてしまう。
そして17周目、ついに両車はテール・トゥ・ノーズの状態へ。ここではB-MAX GT-Rの星野一樹が反撃してみせ、6周の攻防の末、ふたたびギャップを1秒以上まで押し戻してみせる。
しかし、その3周後にはふたたび0.5秒以内へ接近。テール・トゥ・ノーズの状態に持ち込まれるが、直後の最終コーナーでクートが前を走るGT500のARTA NSX CONCEPT-GTの右リアに追突。GAINER GT-Rは左フロントのカバーがめくれあがってしまうダメージを負ってしまった。
クートはその後、2周を走ってピットイン。このピットに前後して3番手のVivaC 86、トップのB-MAX GT-Rもピットへ向かう。なかでもVivaC 86はタイヤ無交換作戦を敢行し、わずか21.7秒というストップタイムでピットアウト。B-MAX GT-Rが戦列に復帰すると実質トップに返り咲いた。
VivaC 86に続く、実質的な2番手は24周目にピットを済ませたUPGARAGE 86、3番手にB-MAX GT-Rと続いていく。
39周目、ランキングトップのSUBARU BRZ R&D SPORTが3コーナーへの進入付近でクラッシュ。左リアを破損しており走行続行はならず。手痛いノーポイントに終わってしまった。
44周目までに暫定トップだったグッドスマイル 初音ミク AMGがピットへ向かい、VivaC 86がクラス首位に浮上。2番手UPGARAGE 86が5.229秒差、3番手B-MAX GT-Rが7.241秒差で続いていく。
その後、2位を争う2台が急接近。追いかけるB-MAXのヤン・マーデンボローが背後に迫ると、逃げるUPGARAGEの中山友貴はバックマーカーやGT500車両を巧みに使って応戦して一進一退の攻防を繰り広げる。
しかし、レース残り10周、UPGARAGE 86が5コーナーへ切り込もうとした際にイン側にいたGT500のMOTUL AUTECH GT-Rと交錯。UPGARAGE 86はランオフエリアへ追い出され、この隙を突いてB-MAX GT-Rが2番手へ浮上した。
前方がクリーンになったマーデンボローは、トップを行くVivaC 86の松井孝允を猛追。残り3周までに1.9秒差まで迫る。マーデンボローは最後までペースを緩めず松井を攻めたてるが、1.189秒届かず。VivaC 86が今季3度目のポールスタートから悲願の今季初優勝を奪ってみせた。
2位B-MAX GT-Rの25秒後方にはタイヤ無交換作戦に出たARTA BMW M6 GT3が続き、4位にGAINER GT-R、5位に31号車TOYOTA PRIUS apr GTと続いている。
また、このタイ戦にスポット参戦したArto MC 86とVattana BMW M6 GT3は、Arto 86が18位、Vattana M6はスタート手順違反や青旗無視によるペナルティも受けながら20位で完走を果たしている。