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石原さとみ、新垣結衣、米倉涼子……秋ドラマのプライムタイムは“闘う女たち”が活躍

2016年10月09日 12:41  リアルサウンド

リアルサウンド

秋ドラマイメージ

 いくら季節外れの台風が来ようとも、暦の上ではオクトーバー。秋のドラマが、続々始まろうとしています。さて、今クールは、どのドラマを観ましょうか? ということで、今季もまた、これから始まる新ドラマを一挙チェックしていきたいと思います。「21~22時台」から始まる「プライムタイム」のドラマをチェックする「前編」と、23時以降に始まる「深夜ドラマ」をチェックする「後編」。まずは前編、「プライムタイム」の連続ドラマから、ひと通り見ていくことにしましょう。


参考:中村蒼が語る、『刑事ダンス』でコメディに挑戦した理由 「イメージを壊していくのも、俳優の仕事」


■石原さとみvs新垣結衣


 朝ドラを例に挙げるまでもなく、女性主人公の活躍を描いた作品が多い昨今のテレビドラマ界ですが、今クールも「プライムタイム」は“今が旬”の女優たちが、ズラリ顔をそろえています。そのなかでも、特に注目したいのは、すでに10月5日からスタートしている、石原さとみ主演の『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(毎週水曜22時~/日本テレビ系)と、新垣結衣主演の『逃げるは恥だが役に立つ』(10月11日(火)22時~/TBS系)。


 ファッション誌の編集者を夢見ながら、地味な校閲部に配属されてしまった主人公の奮闘を描く、テンション高めの「お仕事ドラマ」である『校閲ガール』。そして、大学院は出たものの、職無し、彼氏無しの主人公が、恋愛経験のない草食系男子と契約結婚する社会派(?)ラブコメディであるという『逃げ恋』。


 現在29歳の石原と、28歳の新垣……その可憐さに、ますます磨きが掛かっていることはもちろん、女優としても着々とキャリアを積んできた彼女たちの演技に期待です。ちなみに、石原さとみが一目惚れする相手役を菅田将暉が、新垣結衣が契約結婚する相手役を星野源が演じるなど、こちらも魅力的な配役。主演女優の年齢をはじめ、いずれも漫画が原作であること、かつて主演女優とタッグを組んだ経験のある女性脚本家が脚本を担当していることなど、何かと共通点も多いこの2作。石原さとみと新垣結衣の華やかな対決に注目です。


■プロフェッショナルな女たち


 “女たちの対決”と言えば、今クール、もうひとつ注目したいのは、白衣に身を包んだ女医たちの対決です。まずは、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(10月13日(木)21時~/テレ朝系)。米倉涼子の当たり役であり、毎回高い視聴率を獲得している人気シリーズ「ドクターX」の第4弾が、堂々スタートします。「私、失敗しないので」でお馴染み、フリーランスの天才外科医・大門未知子が、本シリーズでは天敵・蛭間(西田敏行)と再び激突するのだとか。


 それに対抗するのは、『チーム・バチスタ』シリーズのスタッフが新たに生み出す医療ドラマ『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(10月11日(火)21時~/フジテレビ系)です。地上波民放連続ドラマ初主演となる吉田羊をはじめ、相武紗季、吉岡里帆、白鳥久美子、滝沢沙織、笛木優子、伊藤蘭……7人の女医たちが、ときに反発し合いながらも、難病に立ち向かいます。


 さらに、プロフェッショナルな女性という意味では、天海祐希主演の『Chef~三ツ星の給食~』(10月13日(木)22時~/フジテレビ系)も気になります。天海演じる天才女性シェフが、何の因果か学校給食に挑むことになるという本作。コック姿が凛々しい天海祐希はもちろん、“給食のプロ”である栄養士役に遠藤憲一が登場することも注目の一本です。


■女たちの闘い


 そして、“闘う女たち”というよりも、“女たちの闘い”という意味で気になるのは、菅野美穂主演の『砂の塔~知りすぎた隣人』(10月14日(金)22時~/TBS系)です。実に4年ぶりの連続ドラマ主演となる菅野美穂が演じるのは、念願の高級タワーマンションに一家で引っ越してくる、ごく普通の主婦。しかし、そこには最上階に住む女性(横山めぐみ)をトップとする、強力なヒエラルキーがあり……という何やら恐ろしげな物語です。


 さらに、菅野演じる一家の隣りに住む、謎の女役に松嶋菜々子を起用。どうやら彼女は、近隣を騒がせている「連続幼女誘拐事件」と関係があるようで……その展開に毎週目が離せない、今クールきってのサスペンス・スリラーとなりそうです。菅野演じる主婦の幼馴染みであり、近所の体操教室でコーチを営んでいる男性を演じる、三代目J Soul Brothers/EXILEの岩田剛典は、そんな“女たちの闘い”に、どう絡んで行くのでしょう? それも合わせて気になる一本です。


■男たちは捜査する


 などなど、さまざまな場所で闘う女性たちに対して、男たちはもっぱら捜査に余念がありません。『相棒 season15』(10月12日(水)21時~/テレビ朝日系)を筆頭に、今クールは、それぞれ趣向を凝らした刑事ものが、いつになく盛りだくさんな印象です。織田裕二主演の『IQ246~華麗なる事件簿~』(10月16日(日)21時~/TBS系)は、貴族の末裔でありIQ246の頭脳を誇る天才が、警視庁の依頼によって、次々と難事件を解決する本格ミステリー。彼のバディとなる女性刑事を土屋太鳳が、そして主人公の執事役をディーン・フジオカが演じることも話題の一本です。


 異色の捜査官という意味では、阿部寛主演の『スニッファー 嗅覚捜査官』(10月22日(土)22時~/NHK総合)も負けていません。“匂い”以外のことに一切興味がないという変人捜査官を阿部寛が、そのバディ役を香川照之が演じるなど、NHKの割には何かとクセの強そうな一本となっている模様です。一方、玉木宏主演の『キャリア~掟破りの警察署長~』(10月9日(日)21時~/フジテレビ系)は、玉木演じる主人公の名前が“遠山金志郎”であることからも明らかなように、キャリア官僚が自ら街に出て事件を捜査する、現代版『遠山の金さん』的な物語となるようです。


 そして、日テレ×Huluの共同製作で話題を呼んだスペシャルドラマから、地上波連続ドラマへと進出した『THE LAST COP/ラストコップ』(毎週土曜21時~/日本テレビ系)では、唐沢寿明演じる、30年間の昏睡から目覚めた熱血刑事が、そのバディ役を演じる窪田正孝と、昭和風味満載のドタバタを繰り広げています。12月からはHuluで新作エピソードの配信、さらに来年のGWには、劇場版の公開も決定しているとのことですが、果たして勝算はあるのでしょうか?


■頑張れ20代男性俳優


 そんな特殊の能力や属性を活かして日々捜査に勤しむ男たちとは対照的に、巨額の借金を抱えたお人好しの元サラリーマンが、期間限定の“救世主”としてレンタルされ、無理難題に立ち向かう、沢村一樹主演の『レンタル救世主』(10月9日(日)22時30分~/日本テレビ系)もありますが、“闘う女性たち”に比べると、40代、50代の男性の主演作が多いのが、今クールの特徴でもあるようです。


 主人公の相手役ではなく、若い男性が主演を張るドラマは無いのでしょうか。ひとつだけありました。テレビドラマはもちろん、映画『暗殺教室』シリーズや『グラスホッパー』などでその評価を高め、来年公開予定の実写版『鋼の錬金術師』の主役に抜擢された、Hey!Say!JUMP!の山田涼介が、初めて“ラブストーリー”に挑む月9ドラマ『カインとアベル』(10月17日(月)21時~/フジテレビ系)です。“ラブストーリー”と銘打っている割に、旧約聖書の逸話から取られたタイトルなど、どうやら山田涼介演じる弟と、桐谷健太演じる兄の確執がメインとなりそうな気がしないでもない本作。ラブストーリー部分は、桐谷の恋人役を演じる倉科カナが担当するのでしょうか。


 いずれにせよ、“月9”らしからぬハード&シリアスな作品となることが予想される本作ですが、今クールの「プライムタイム」ドラマにあって、唯一20代男性俳優が主役を張る一本として、是非とも頑張ってもらいたい一本です。(麦倉正樹)