2016 AUTOBACS SUPER GT Report
BURIRAM SUPER GT RACE 第7戦 チャン・インターナショナル・サーキット
ZENT CERUMO RC F #38 立川祐路/石浦宏明
◆10月8日(土) QUALIFY 公式予選総合結果 11位(1分25秒140)
<公式予選>天候:晴れ コース状況:ドライ
見事な勝利を飾った8月のSUPER GT第6戦鈴鹿を終え、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは約1ヶ月 のインターバルを経て、シリーズ終盤 の大事な一戦となる第7戦タイを迎え た。舞台となるのは、今年で3年目の SUPER GT開催となるタイ王国ブリ ーラム県のチャン・インターナショナル・サーキットだ。
鈴鹿での勝利により、ZENT CERUMO RC Fの立川祐路/石浦宏明のコン ビはドライバーズランキングでも合計45点で2位に浮上。トップの#1 GT-R のコンビに11点差まで迫っている。ただ、ここで思うようにポイントを加算 しきれないのがSUPER GTの難しさ。このタイでのレースに向けて、ZENT CERUMO RC Fは90kgのハンデウエイトで挑むことになる。
驚異的とも言える僅差のGT500クラスの戦いのなかで、90kgのハンデは 非常に厳しいところ。もちろんLEXUS TEAM ZENT CERUMOはより上位、 そして表彰台を目指してタイに乗り込んでいるが、最低限の目標はランキング 首位の#1 GT-Rよりも前でフィニッシュすることだ。そのためにも、予選順位は非常に重要だ。
外国ならではのリラックスした雰 囲気で過ごした金曜日までとはうっ て変わって、10月8日(土)の朝か らは一気に本番モード。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは現地時間 午前10時からの公式練習に臨んだ。
ZENT CERUMO RC Fは立川がス テアリングを握りコースイン。まずは実際に90kgのウエイトがどんな影響を 及ぼすのか、そして予選に向けてどんなタイムを出すことができるのか、セッ トアップを確認していく。
しかし、これまでテストでも搭載したことがない90kgというハンデは、予 想以上のものだった。特に、これまで少しずつウエイトを積み重ねてきた状態 ならまだしも、いきなり前戦から50kgも増えるのは、繊細なレーシングカー にとって大きな影響となった。
「初めてこのクルマで90kgものウエイトを積むので、想像以上でしたね」と 村田卓児エンジニアも、“未知の領域”に驚きを隠せない様子だった。
しかし、驚いてばかりもいられな い。LEXUS TEAM ZENT CERUMO は立川にステアリングを委ねたまま、 立川中心に90kgへの対処を進めてい く。石浦も自らの走行時間を削り、セ ットアップに時間を費やした。最終的 に、公式練習では立川が22周を走行 し、専有走行の時間帯にマークした1 分25秒644がベストタイムに。石浦は9周のみの走行となった。
結果としては13番手というタイムだったが、予選に向けて好材料は見つか った。タイらしいゆったりとした雰囲気のピットウォーク等を経て、迎えた午 後3時20分からのGT500クラスの公式予選Q1。ステアリングを握るのは、 終始セットアップを進めていた立川だ。
ZENT CERUMO RC Fを駆る立川は、2周をウォームアップに費やしアタ ックを展開。1分25秒140と、公式練習からのセット変更が功を奏し大幅に タイムを上げ、その時点で3番手につける。しかし、その後ウエイトの軽いラ イバル勢もタイムを上げ、ひとつ、またひとつとポジションを下げてしまう。 終わってみれば11番手。ZENT CERUMO RC Fは惜しくも8台が進出でき るQ2への切符を手に入れることができなかった。
しかし、予選を終えた後のLEXUS TEAM ZENT CERUMOのメンバーの 表情は、思ったほど暗くはなかった。 90kgのハンデウエイトのなかで充分 なパフォーマンスを発揮できたから だ。特に、ライバルとなる#1 GT-Rよ りも前のグリッドを獲得できたことは 大きい。
「明日の決勝で、いかにポイントを獲るか」が今回のZENT CERUMO RC F の勝負。最終戦もてぎに繋げるレースが期待される。
ドライバー/立川祐路
「今回は90kgというハンデウエイトもあり、苦しい戦いになるのではないか と思っていました。今までテストも含めて体験したことがない領域でしたから ね。実際に公式練習からこれまで同様の思ったような流れではいかず、苦しい 展開となりました。ただ、予選では改善することができて、最低限の目標であ る#1 GT-Rの前にいくことができました。ただ、明日はもっと前のポジション にいって、ポイントを獲らなければいけませんからね。がんばります」
ドライバー/石浦宏明
「ウエイトを積むことによってバランスも今までと異なっていたりと、走って みないと分からないことも多く、走りはじめから難しい展開でしたね。立川選 手を中心にセットアップを進めた方がいいと感じ、エンジニアに伝えて僕は朝 はニュータイヤも履かず、少ない周回にとどめました。その中で感じたことを 立川選手にトライしてもらったりと、チームが一丸となって90kgというハン デウエイトに立ち向かった一日でした。その甲斐もあって、90kgの状態での ベストは出せたのではないかと思います。予選でもいい感触でしたし、明日の レースに一歩ずつ繋がる流れで進めることができました。勝負は明日。少しで も多くのポイントを持ち帰れるようにしたいですね」
高木虎之介監督
「同じレクサスRC Fを使うチームで、我々と近い ハンデウエイトのチームが前にいるので、まだま だクルマの部分でやれたところはあるかもしれま せん。あとコンマ2秒上げることができたら、も う少し違った展開もあったかもしれないです。そ こは詰めたかったですね。公式練習から予選まで にさまざまなトライをしましたが、#1 GT-Rより 前にいることができているので、しっかりポイン トを獲っていきたいと思います」