トップへ

『HiGH&LOW THE RED RAIN』、吉本実憂が明かす“雨宮三兄弟”の関係性 「本当の兄弟みたい」

2016年10月08日 15:21  リアルサウンド

リアルサウンド

吉本実憂

 『HiGH&LOW』シリーズの映画第二弾である『HiGH&LOW THE RED RAIN』が、明日10月8日から公開される。『HiGH&LOW』シリーズは、「山王連合会」「White Rascals」「鬼邪高校」「RUDE BOYS」「達磨一家」という5つのチームが支配する“SWORD地区”を舞台に、各チーム同士の争いを描くアクションエンターテインメント。本作では、“SWORD地区”全体に影響力を持つ、雨宮雅貴(TAKAHIRO)、雨宮広斗(登坂広臣)、雨宮尊龍(斎藤工)の“雨宮三兄弟”がたどる運命を描き出す。リアルサウンド映画部では、本作のヒロイン・成瀬愛華役を務める吉本実憂にインタビューを企画。本作が自身に与えた影響や、TAKAHIRO、登坂広臣、斎藤工ら共演者とのエピソードを語ってもらった。


参考:『HiGH&LOW』が創る“ユニバース”の革新性ーー生身の人間による総合エンタテイメントを読む


ーー今回の役柄を演じるにあたり、いままで演じてきた役柄と変わりはありましたか?


吉本実憂(以下、吉本):今回の作品を通して、成瀬愛華というひとりの女の子のことが大好きになりました。愛華が持っている繊細な部分にすごく惹かれたんですよ。今までは、与えられたキャラクターに対する憧れから役を作っていくことが多かったのですが、今回は愛華の内面に寄り添っていくような感覚でお芝居ができたかなって。


ーー“憧れ”と“寄り添う”にはどんな違いが?


吉本:たとえば、明るい女の子の役なら私もこんな風に明るくなりたいとか、クールな役なら私ももっと賢くなりたいとか、役を客観視したときに憧れを持ち、なんとかそこに近づこうと努力していく感覚だったと思います。でも今回の脚本を読んでみて、役としての愛華ではなく、人間として彼女の内面を好きになることができました。今まで以上に一歩踏み込んで、愛華の気持ちを理解したいと思えたんです。だから、役作りは彼女の葛藤を理解していく作業からはじめました。その作業を重ねる中で、どんどん彼女の内面に引き込まれていき、本番はお芝居というよりも、愛華そのものになりきって彼女の人生を体験している感覚に近かったですね。


ーーより演じる役柄の内面を理解するように努力したわけですね。


吉本:あと、私は『レオン』や『グラン・トリノ』という映画が大好きなんですけど、それらの作品に描かれる出身や性別を超えて心を通じあわせていく人間ドラマが、本作に通ずる部分があると感じました。それに愛華も『レオン』のマチルダと似ている部分があるなって。もちろん、愛華とマチルダはまったく別の存在ですが、監督も「マチルダっぽいよね」とおっしゃっていたので、少し役作りの参考にした部分はあるかもしれません。愛華の服装もボーダーのインナーにMA-1、あとショートパンツです(笑)。


ーーいままで演じてきた役は、どちらかというとクールな役が多いですよね。


吉本:キュートかクールかでいったら、クールかもしれませんね。なにか起こったときのリアクションも薄いんですよね。普段、友達がふざけて私をびっくりさせようと驚かせてくることがあるのですが、そのときも「リアクションが冷めてる」って言われることもあります(笑)。心の中では意外とびっくりしてるんですけどね。でも、可愛らしい女の子を演じるのも好きです! 『時をかける少女』のゾーイは、可愛い系だと思うんですけど、アドリブとかを色々やらせていただいて楽しかったです。


ーーTAKAHIROさん、登坂広臣さんとの共演はいかがでしたか?


吉本:作品によっては、撮影のときにオンオフを切り替えることがあるのですが、今回は撮影期間中の現場ではずっと愛華として振舞っていました。なので、撮影の合間も愛華と雅貴の関係性を保っていたと思います。TAKAHIROさんが私をふざけて茶化そうとするんですけど、私は「はいはい」って受け流すような感じです(笑)。登坂さんもTAKAHIROさんも、自分たちと雨宮兄弟は似ているとおっしゃっていたので、私も愛華としてそこに居やすかったですね。


ーー和気藹々とした現場だったようですね。


吉本:そうですね。お二人が仲いいのはすごく伝わってきました! TAKAHIROさんが登坂さんに話しかけるんですけど、登坂さんはぼーっとして無反応みたいな。それでTAKAHIROさんがアタフタしだす感じは、作品内で広斗に振り回され気味な雅貴の感じそのままでした。それに、おふたりとも私を自然に受け入れてくれたので、遠慮することなくお芝居もできました。シリーズものの現場に入るときは不安に思うことも多いのですが、おふたりや監督が私の入りやすい空気を作ってくださったので、すごく助かりました。


ーー斎藤工さんとの共演はいかがでしたか?


吉本:撮影以外ではあまり話す機会はなかったのですが、お芝居の時に雨宮尊龍役は工さんにしかできない役だと思いました。劇中で愛華は、恩人である尊龍に会いたい気持ちを募らせていくのですが、工さんが演じる尊龍の演技や言葉に説得力があっからこそ、そのときの感情を引き出せたのかなって。


ーー吉本さんは歌手業もしていますが、今後はさらに女優業の方も追求していくのでしょうか?


吉本:そのつもりです。女優業は、過去に経験したことをすべてプラスにできる仕事だと思います。これって意味があるのかなと疑問に思う経験や葛藤も、演技なら活かせることもあります。だから、これからはお芝居を軸に活動を広げていきたいですね。いままで習い事でも長期間続けられたものが少なかったのですが、お芝居は作品に出るだけ、どんどん夢中になれるんですよ。自らやりたいと思って続けられているのは、合気道とお芝居だけだと思います。私の人生にとって、お 芝居と出会えたことはかけがえのないことなんだと思っています。(泉夏音)