WEC世界耐久選手権のトップカテゴリーであるLMP1クラスで、プライベーターの雄として長年参戦を続けてきたレベリオン・レーシングが、今季いっぱいでのLMP1-Lエントリーをあきらめ、2017年からLMP2クラスでの参戦を計画している。
このスイスのチームは、2012年の耐久レース世界選手権復活以来、唯一の“LMP1プライベーター・タイトル保持者”としてレースを戦ってきた。彼らは来季2017年に向けても、協力関係にあるフランスのコンストラクター、オレカが製作した『レベリオンR-One』での参戦を準備していたが、ここへきて──まだ未確定ではあるものの──LMP2へのスイッチを検討しているという。
レベリオン・レーシングの代表を務めるバート・ヘイデンは、「この決定はまだこの数日の間になされたものであり、正確なプログラムはまだこの後の推移を待たなくてはならない」とコメント。
「我々はWECの精神を好意的にとらえているし、とても可能性のあるカテゴリーだと思っている。けど、LMP1マシンを製作してそれで何ができるのか? ということは冷静に見つめなければならない」
「オレカとの提携を続ける場合、(2017年規定に準拠し、FIAが製造許可のライセンスを発行した4社のうちの1社である)彼らのLMP2を使用するのが良いのでは、と考えているが、まだ何も決まってはいない」
ヘイデンは、この新規定の導入されるLMP2規定に参入した方が、現在のプライベーターLMP1でエントリーするよりはるかに高いレベルでの“コンペティション”が実現する点も、レベリオンの意思決定に影響を与えたと明かす。
「新たなLMP2カーは現行のマシンより速さが増すことになる。そうなると、現状のLMP1-Lでのエクストラコストを正当化するのがより難しくなる……と言わざるをえない。ならば、速さを増すLMP2カーでレースするのが妥当だろう。それに、我々はレースでより多くの競争に身を置きたい。来季もLMP1-Lグリッドへの新規参入は見込めないだろうからね」
その他の要因として、レベリオンは北米の耐久ビッグイベントへの“復帰”も視野に入れているようだ。
「たしかにP2であれば、そうした魅力的な選択肢も可能となる。すぐには不可能でも、将来的な選択肢になり得るからね」と、ヘイデン。
2012年にWECに参戦を開始したのと時を同じくして、レベリオンはローラ・トヨタB12/60でALMSアメリカン・ル・マン・シリーズ最大のイベント、ロードアトランタでの『プチ・ル・マン』にもエントリー。2012、13年と2連覇を達成している。
この計画が実行されれば、ハイブリッドを搭載するトヨタ、アウディ、ポルシェのワークス系LMP1-H以外にLMP1-Lを走らせるのはバイコレスのみとなる。今季のWECでは開幕以降2台体制で戦ってきたレベリオンだが、ル・マン以降の5戦をタイトル獲得を優先するため1台体制に縮小している。