日本GP初日の10月7日、金曜日。FIAからトークンに関するリリースが出された。それによれば、ホンダがマレーシアGPでアップデートしたパワーユニットは「1トークン」しか消費していないことが明らかになった。
マレーシアGPで、ホンダの長谷川祐介総責任者は、「ICEに信頼性の向上を目的した改良を加え、これに1トークンを使用。さらにエンジン以外の部分(排気管)の軽量化に1トークンを使用した」と語っていた。ただし、「合計2トークンという数字は、ホンダがFIAへ申請している数字で、FIAがどのように判断するのかは、まだわかりません」とも回答しており、FIAの発表が待たれていた。
今回の発表により、ICEに使用した分の改良はパフォーマンスアップではないため、トークンを消費する必要がなかったことが判明した。これでホンダが今シーズン使用できる残りのトークン数は、「2トークン」となった。
ただし、「どこかのタイミングで開発のシフトを来季へ移さなければならないわけですが、残り4戦のために引っ張という選択肢はなかった」と長谷川総責任者がマレーシアGPにアップデートしたパワーユニットを金曜日に投入したことでもわかるように、ホンダの2016年のパワーユニット開発は、9月下旬をもって、事実上終了している。つまり、残るトークン数が1トークンだろうが2トークンだろうが、ホンダがそれを使用することはないだろう。
ちなみにフェラーリも2016年分のトークンはすべて使用してしまったため、パワーユニットの開発は来シーズンへシフトしている。ルノーは18トークン残っているが、こちらもすでに来年の開発をスタートしているため、トークンを使う可能性は低いと聞く。
トークンを使用するかどうか不透明なのが、メルセデスAMG。コンストラクターズ選手権3連覇が濃厚な彼らが、これ以上トークンを使用する必要性は感じられないが、マレーシアGPで発生したハミルトンのエンジンブロウ(クランクシャフト破損)を解決するために使用することは十分考えられる。
ただし、その場合、ハミルトンは新しいエンジンを使用することとなり、さらなるペナルティが待っていることも忘れてはならない。