VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーにおいて、先日ホールデンとの26年間にわたるワークス契約を2017年シーズン限りで打ち切ると発表したウォーキンショー・レーシングが、来季のドライバー・ラインナップを発表。今季限りで契約が終了するジェームス・コートニーと新たに3年契約で合意し、チームメイトに現在DJRチーム・ペンスキーに所属するスコット・パイを迎えると発表した。
2010年のV8スーパーカー王者であり、日本でもフォーミュラ・ニッポンやスーパーGTで活躍したコートニーは、来季に向け海外からも「とてつもない数」のオファーを受けていたが、自らの意思でオーストラリアに残ることを決断したという。
「僕がウォーキンショー・レーシングに来たとき、自分自身に“このチームとともに、もう一度チャンピオンになる”ことがゴールだと決めた。だから未完の仕事を残したままチームを去ることはできないと思ったんだ」と、コートニー。
「エンジニアリング・スタッフはもちろん、マネジメントや商業面を担当するスタッフまで、とてつもない努力によって、僕がレースに勝てる機会を作ろう、いいマシンを用意しようとしてくれている」
「僕自身もこのチームに、血と汗と涙を注いできた。それなのに、僕がここから立ち去って誰かが代わりにすべてを引き継いで成功を手にしたとしたら? ……それは許せないね」
2006年にトム・ウォーキンショーが設立した同チームは、2010年のウォーキンショー死去の後、実子のライアン・ウォーキンショーが代表に就任。コートニーは「創設者であるトムとの特別な約束」を果たすためにも、チーム残留は必然だったという。
「いちばん最初の契約はトムと交わしたんだ。そのとき、トムは僕をまっすぐ見て『必要なものはすべてチームが準備する、助けが必要なときは必ず言ってくれ』って言ったんだ。だから僕は、チームとトムのためにすべてを捧げる決意をした。それは今、ライアンに対しても同じだ」
一方で、12年にわたってチームのエースに君臨し、前戦のサンダウン500でも勝利を挙げていたガース・タンダーは、スコット・パイの加入によりチームを放出されることが決まった。
「優勝した日曜が終わってすぐ、ライアンから来季の契約がないことを告げられた。すごく失望したし、本当に寂しい話だった」とタンダー。
代表のライアンは苦渋の決断だったとしながらも「通算50勝、26ポールポジション、72の表彰台、そしてバサーストでの2度の勝利。これまでチームの成功の大部分を彼ととともに成し遂げた事実は変わらない。彼はいつもチームの兄貴分的存在であり、今後のキャリアが幸運とともにあることを強く願っている」