「ブラック企業を抜けられなかったのは思い込みだった」。過去にブラック企業に勤務し、現在はホワイト企業で勤務する人物が10月5日、はてな匿名ダイアリーに投稿した内容が話題だ。
「『私がダメだから、こんな働き方になっている』と刷り込まれるほど叱られるので、現状に抵抗できる気力が根こそぎ奪われます。さらに『そんなことでは、転職してもやっていけない』と上司や先輩から言われるので、信じ込みます」
「私なんて、社会人に向いてない。こんなところでしか働けない」
投稿者は、ブラックな人材派遣会社を2社経験。1社目では朝8時半出勤、夜1時退勤を繰り返し、休みは月に一度だけだった。
紹介可能なスタッフが少なく、取引先から求められる人材を紹介できず、その穴埋めとして社員が取引先に「誠意を見せる」名目で働くことが常態化していたという
その後、人材教育会社に転職。しかし、契約社員と言われていたのに業務委託にされた。ある月には休みなしに働いたにも関わらず給料は14万円だった。
その際、会社から「こんなにお金を出すのはうちしかいない。感謝しろ」という趣旨のメールを受け取った。感謝の言葉を送ったが、「感謝が足りない」と指呼び出されて嫌味を言われ続けた。そこの仕事も最終的に契約を切られたという。
冷静に見れば、こんな環境は入社してすぐに辞めればいいと思える。投稿者は、そのことをわかったうえで、ブラック企業で働き続けてしまう理由をこう説明した。
「私なんて、社会人に向いていない。こんなところでしか働けない。というか働かせていただいている。そんな社畜根性でしがみつくわけです」
「辞めたいと思ったことは何度もあるんですが、他社に行っても雇ってもらえないと思い、スキルアップのため、成長のため、という気持ちで必死でついていっていました」
ホワイト企業に入り、これまでが「劣悪な環境」であったことに気づく
次に転職した会社も同じく人材系の会社だが、前の2社とはまったく違うホワイト企業だった。残業代は支払われ、有給は使える。仕事で必要な資格は勤務時間で勉強できるほか、「今まで何をやってきたの?」「性根が曲がっている」などの心無い言葉を投げかけられることもなくなり投稿者は、
「今まで当たり前だったこれが、『罵倒だ』と分かったのは最近です。というかここまで書いていてお分かりかもしれませんが、私、劣悪な環境で耐えて働いている自分に、気付いていませんでした」
と冷静になった。やがて投稿者は他者に寛容になったり、痩せたりするなどの自身の変化を実感。自分に自信を持てるようになり、仕事で結果を出せるようになったという。
投稿者が経験したブラック企業では、「お前はダメだ」と罵ったり、社員に過大なノルマを課したりすることで自己肯定感を下げ、完全なマインドコントロール状態に置いていた。
ほかのブラック企業でも、最初の研修で徹底的に罵倒して精神的ダメージを与え、従業員を社畜に仕立て上げようとすることがある。少しでも「おかしい」と思ったら周囲に相談し、早い段階で逃げることが大事だろう。
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