上司が部下をうまく使えるかどうかは、会社の業績にも直結する大きな課題だ。ある調査結果による「嫌いな上司ランキング」では、「意見を聞いてくれない上司」が堂々のワースト1位。2位が「失敗は部下のせい、手柄は自分のおかげ」、3位は「相手によって態度を変えすぎる」という結果だった。
今度は、9月中旬、女性向けコミュニティサイト「ガールズちゃんねる」に、「皆さんは『部下が育たない上司の特徴』なんだと思いますか?」というスレッドが立ち、部下たちの怒りの声であふれ返っていた。これが示唆に富んだ内容で興味深い。(文:okei)
部下を評価せずに自分の評価ばかりを気にするのは絶対ダメ
一番多くの賛同を集めたのは、「怒るだけでほめない」というもの。スレ主が一番にあげていたのも「部下のことを絶対に褒めない 」だった。たとえばこんな声がある。
「批判の繰り返し。 しかもどうでも良いだろ!って怒りたくなるくらい本当にどうでも良い内容で」
「私のパート先の上司がまさにこれ。 誉めてくれた先輩に対して『何を勝手に誉めてんだ!』と怒鳴りける始末」
「ミスすると人格否定までするから、みんな正しい事より上司ならどうする?って思考になり悪循環」
という残念な職場もあった。ミスを叱るのが自分の仕事、褒めれば図に乗るだけと思い込んでいるのだろうか。部下を大事にしない、「自分のミスは部下のせい、部下の手柄は自分のもの」という身勝手な上司も本当に多いらしい。
「部下が評価されるのを良く思わない」
「何かあったら責任取るから!って覚悟がない? 自分の評価ばかり気にしてる」
また、「部下の成功を喜べない」ばかりか、「出てきた杭は速攻打つ 」という声もある。自分の保身や出世のことしか考えられないリーダーは、職場全体の士気を下げるだろう。
そもそも「上司が動かないと部下も動かない」
さらに、「気にかけてくれない」「放置」など、人として無関心な場合や、「なにも教えないくせに『できないやつ』と陰口をいう」などの告発もある。
「そもそも育てる気がない。 始めから器用で使いやすい人を可愛がる。 だから自分が人を育てる力が育たない」
育てる能力がないのか労力を惜しんでいるのか、どちらにしても会社にとって良いことは何もない。
また、「絶対に自分は率先して動かない。上司が動かなくて部下が動くわけない」への賛同も多かったが、その逆で「全部自分でやっちゃうワンマン上司」も、良い上司とは言えない。「成長を待てずに、なんでも自分でやってしまう上司の部下はいつまでもダメなまま」というのだ。
やる気を引き出す法則「希望を持たせ、充実感を与え、良い人間関係を築く」
他にも、「あからさまなエコヒイキ!」「気分屋」「いじめて新入社員をどんどん辞めさせちゃう人」や、「不倫している」「部下の休日に平気で仕事を入れる」というパターンもあった。いずれも、「上司の能力」以前に、一緒に仕事する上での人間性が問われているように思う。
ダイヤモンド社のビジネス書、「部下のやる気を2倍にする法~できる上司のモチベーション・マネジメント」(和田秀樹/大塚寿/奈須正裕/植木理恵:著)で、部下のやる気を引き出すためには3つの法則が紹介されていた。ざっくりいうと「希望を持たせ、充実感を与え、良い人間関係を築く」ことが必要だという。
スレッドに寄せられていた200以上の書き込みは、ほぼこれの逆。やはりこんな上司の元では能力を発揮できないだろう。コメントには、こんなつぶやきもあった。
「やっぱり無能な上司って、自分の下で部下が育ってない事に気付かないのかな。どんどん部下が辞めていっても『最近の若い者は根性が無いな』としか思わないのかな」
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