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マグヌッセン車の火災で「ハロ」の課題が浮き彫りに。アロンソが懸念示す

2016年10月05日 13:51  AUTOSPORT web

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2016年第16戦マレーシアGP ケビン・マグヌッセン(ルノー)のマシンから出火
フェルナンド・アロンソは、マレーシアGPの週末、ケビン・マグヌッセンが燃え盛るルノーから脱出するシーンを見て、F1のコクピット保護デバイス「ハロ」は取り外し可能であるべきだと提案した。

 金曜日、セパンでのプラクティス1の際、ピットレーン内でマグヌッセンのマシンから出火、ドライバーは急いで車から飛び降りた。

 ハロは2018年にすべてのF1マシンに装着が義務付けられるかもしれないデバイスだが、それが装着されていたならマグヌッセンはどのぐらいの時間でマシンから脱出できたのか、ということが注目され、懸念を引き起こした。


 ハロが複雑な問題を引き起こす懸念があるかと聞かれ、アロンソは「そう思う、イエスだ」と答えた。
「僕がシンガポールでハロを試した際に気付いたことのひとつが、クルマから脱出するときに少し問題があるということだ。足をかけなければいけない場所とか、ジャンプしなければならないところとかがね」

「この理由から彼らは導入を遅らせている。あらゆる可能性を網羅したことを確認するためにね」
「マシンから飛び降りる時間を少し短縮できるように、なんらかの形でハロを取り外し可能にする方法があるかもしれない」

 ハロは当初、来季導入される予定だったが、FIAがさらにテストを実施するため、2018年に延期された。

 最近のプラクティスセッションではドライバーたちが彼らの車にハロを装着して短い走行テストを行っており、舞台裏では脱出テストも行われてきた。

 それがすべてのドライバーにとって一番の関心事だとトロロッソのカルロス・サインツJr.が述べている。

「(マグヌッセンの騒動を見て)初めに浮かんだ考えは、危ないっていうことだ。ハロが装着されている際の安全性だ」とサインツ。

「(ハロがついていたら)あそこで何が起こっただろう?」
「あれだけ素早く飛び出さなければいけないときには、きわどいかもしれない。となると頭を保護しつつ、クルマから脱出するのに時間がかからないようにするには、何ができるかだ。ケビンはあの時、ものすごく速く飛び降りた」

 ハロが導入されれば問題になると思うかと問われて、サインツは答えた。
「僕は脱出テストをしたんだけど、そのテストから言えば、ちょっとイエスだ」
「正確にどのくらい遅かったかは覚えていないので言えないが、ちょっと遅かった」
「そこまで速くない。あそこに何かがあれば、それが当たり前だ」

 サインツはマグヌッセンに起こった事がFIAに検討するべき問題点を与えるだろうと感じている。

「FIAにとって分析し、また一歩改良し、よく考えるための良い事例になった。そう、もうひとつの良い事例にね」とサインツは加えた。
「全容を理解し、何を改善できるかを確認するため、実例や状況などの情報を集めることが重要だ」