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本屋に立ち寄るついでに「法律相談」 起業家を支援する雇用労働相談センター

2016年10月05日 11:02  弁護士ドットコム

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国家戦略特区に指定され、創業支援と雇用創出に力を入れている福岡市。若者が集まる繁華街の天神エリアには、起業を考えている人たちが気軽に相談したり、人脈を広げたりできる「スタートアップカフェ」が設けられている。


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ユニークなのは、厚労省が運営する「福岡市雇用労働相談センター」も併設されていて、弁護士が常駐していることだ。ベンチャー企業の経営者や従業員が、雇用などの法律問題について無料で相談できる。2014年11月のオープンからまもなく2年を迎えるセンターを訪ね、現状を聞いた。(亀松太郎)


●本屋に立ち寄るついでに「法律相談」

福岡市のスタートアップカフェや雇用労働相談センターは、同市中央区の大型書店「TSUTAYA BOOK STORE TENJIN」の3階にある。ビジネス書が並んでいるフロアの奥にスペースが設けられていて、「本屋に立ち寄るような感覚で、誰もが気軽に起業の相談ができる空間」を目指している。


9月30日に訪れると、スタートアップカフェには相談員のほか、ノートパソコンで作業をする人が数人いた。WiFiと電源が無料で使えるコワーキングスペースとしても活用されているのだ。そのカフェのすぐ横に、福岡市雇用労働相談センターのデスクがあり、担当の田中友一郎弁護士が座っていた。


同センターには約100人の弁護士が登録していて、交代で法律相談に応じている。「1日3交代制なので、私がここに来るのは1カ月に1回ぐらいですね」(田中弁護士)。社会保険労務士も週2、3回は対応するという。


営業時間は、月曜・祝日を除く日の午前11時から午後9時まで。夜間や土日も相談に応じてくれるのは、起業を考えているサラリーマンやOLにとって便利だろう。


●今後は「新しい働き方」の情報発信も

福岡市雇用労働相談センターが利用者として主に想定しているのは、起業を考えているか、起業して5年以内の人、あるいは、創業まもないベンチャー企業で働いている人だ。また、福岡市での事業展開を検討している外国企業の相談にも応じる。


相談者の男女比は半々だ。業種は飲食店や美容室といったサービス業が多いが、アプリ開発のベンチャー企業の相談もあるという。


「相談内容は労働関係が中心で、雇用契約書や就業規則のチェックをすることもあります。これから従業員を雇いたいという人から『どんな募集をかけたらいいのか』という相談もありますね」(田中弁護士)


ただ、すでに紛争化している労働問題は対象外。そのような相談があったときは、弁護士会の法律相談センターや労働局の労働相談コーナーを紹介するようにしている。


同センターによると、今後は「新しい働き方」に関する情報の収集と発信にも力を入れていきたいという。子育てをしながら在宅で仕事をしている女性や、複数の仕事を掛け持ちする兼業を考えている人なども支援していく。


(弁護士ドットコムニュース)