2016年10月4日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部
NASCARスプリント・カップ・シリーズ第29戦ドーバー
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が“チェイス”2勝目!
トヨタ勢は5人全員が第2ラウンド進出
ドーバーの“モンスター・マイル”で行われたスプリント・カップ・シリーズの“チェイス“第3戦は、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が他車を大きく引き離す独走で勝利。“チェイス“序盤の3戦で2勝。今季4勝目を挙げた。
同じドーバーで直前に行われたエクスフィニティ・シリーズでも、ダニエル・サレスが独走し今季2勝目。“チェイス”次ラウンド進出を決めた。ラスベガスで行われたキャンピング・ワールド・トラック・シリーズではトヨタ勢は苦戦したが、“チェイス”を争う4名は全車着実にトップ10フィニッシュを果たした。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第29戦 Citizen Soldier 400
開催日:10月2日
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が圧勝で“チェイス”2勝目!
トヨタ勢は5人全員が第2ラウンド進出
10月2日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第29戦「Citizen Soldier 400」が開催された。
シリーズ終盤に上位ドライバーがタイトルを争うプレーオフ“チェイス”は3戦目を迎えた。現在の“チェイス”は3戦毎に下位4名が脱落していくシステムとなっており、今戦終了で次ラウンドへの進出が決まる。トヨタ勢ではマーティン・トゥルーエクス・Jr.が第27戦で勝利を挙げ、既に次ラウンド進出を決めており、他のドライバーも着実な上位フィニッシュを続けている。
コンクリート舗装の路面と高いバンク角で“モンスター・マイル”と呼ばれる難コース、ドーバーではシリーズ戦が年2回行われており、今期春の大会はマット・ケンゼスが制しているほか、カイル・ブッシュも2008年、2010年と2度の勝利を挙げている。
9月30日(金)に予定されていた予選は降雨のためにキャンセルとなり、規定に則りオーナーポイント(ドライバーではなく車両オーナー:ゼッケンにかけられるポイント)でグリッドが決定。隣のニュージャージー州出身で、コースから2時間ほどのところで育つなどここドーバーが“ホーム”とも言えるトゥルーエクス・Jr.が最前列2番手。2列目にカイル・ブッシュとケンゼス。デニー・ハムリンが7番手、カール・エドワーズが10番手から決勝に臨むこととなった。
2日(日)午後2時17分に1マイルオーバルを400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。6周目に2番手スタートのトゥルーエクス・Jr.がトップ浮上。これを20周目にカイル・ブッシュがかわすと、序盤戦を支配。トゥルーエクス・Jr.も離されず、2台のマッチレース状態に。
序盤の100周ほどはトップをキープしたカイル・ブッシュだったが、中盤戦に入るとトゥルーエクス・Jr.の速さが勝り、今度はジミー・ジョンソン(シボレー)との一騎打ちで後続を引き離していった。
この日はイエローコーションの少ない展開となり、折り返し直前の193周目にこの日4度目のイエローコーションが出された後は、コーションのないままレースが推移。トゥルーエクス・Jr.とジョンソンの2台が抜け出して首位を争い、後続は次々に周回遅れとなっていった。
トゥルーエクス・Jr.とトップを争っていたジョンソンは、287周目にグリーンフラッグ下でピットに向かった際、ピット作業でのペナルティを受け後退。これで、トゥルーエクス・Jr.の独走態勢となった。
ジョンソンの脱落で2位にはカイル・ブッシュが浮上したが、トップのトゥルーエクス・Jr.との差は一時10秒以上に。首位と同一周回はわずか6台という、圧倒的な速さを見せたトゥルーエクス・Jr.が、自らのホームコースでレースの半分近い187周で首位を走行、今季4勝目、“チェイス”での2勝目を飾った。
カイル・ブッシュは2位、ケンゼスが5位、ハムリンが9位、エドワーズは14位でフィニッシュ。それぞれポイントではトップ12位圏内をキープし、トヨタ勢は5人全員が12名で争われる“チェイス”の次ラウンド“ラウンド・オブ・12”への進出を決めた。
“ラウンド・オブ・12”に進んだ12名は、全員3000ポイントへとリセット。続く3戦で未勝利の下位4名が脱落、次のラウンドへ進む8名に絞られる。
次戦第30戦は10月8日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.:
「信じられないような週末だった。このコース(ドーバー)は私にとってのホームとも言えるコースだが、07年以来勝利がなく、何度も悔しい思いもしてきた。それだけに今日の勝利は格別だし、チームに感謝したい。ヴィクトリーレーンに戻れて本当に嬉しい」
<チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ>
“チェイス”と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバー(全レース出場、ランキング30位以内が条件)と、未勝利でランキング上位の計16名が“チェイス”に進出。
“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落しポイントはリセット。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。
NASCAR XFINITY SERIES
第28戦 Drive Sober 200
開催日:10月2日
ダニエル・サレスが今季2勝目!
“チェイス“次ラウンド進出を決める
10月2日(日)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第28戦「Drive Sober 200」がドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
エクスフィニティ・シリーズにも今季から導入された“チェイス”は2戦目を迎えた。トヨタ勢では昨年キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでルーキーながらチャンピオンを獲得しステップアップした20歳のエリック・ジョーンズが、レギュラーシーズンに最多の4勝を挙げ“チェイス”入り。
フル参戦2戦目で着実に上位フィニッシュを続け、第13戦ミシガンでは念願の初勝利を飾った24歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスも“チェイス”入りを果たした。
難コースとして知られるドーバーだが、今季春の大会ではエリック・ジョーンズが勝利。サレスも9位でフィニッシュしている。サレスは前戦ケンタッキーでも2位フィニッシュ、5戦連続トップ10と勢いに乗っており、2台の活躍に期待がかかった。
1日(土)決勝前に予選が行われ、エリック・ジョーンズが今季9度目のポールポジションを獲得。翌日のカップ・シリーズと掛け持ち参戦となるカイル・ブッシュが2番手、サレスが5番手につけた。
しかし、予選の後、コースは濃い霧に覆われ、予定されていた決勝レースは翌日2日(日)に順延。カップ・シリーズ決勝の直前に行われることとなり、掛け持ちの予定だったカイル・ブッシュら多くのドライバーがドライバー交代を余儀なくされた。カイル・ブッシュの18号車はドリュー・ヘリングがドライブすることとなった。
2日(日)午前10時10分に1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。18号車のヘリングは、予選2番手ながらドライバーを交代したため後方へとグリッドを落としてスタートを切った。
序盤はポールポジションのエリック・ジョーンズがトップを逃げ、2位に浮上したサレスがこれを追う展開。しかし、エリック・ジョーンズは徐々にハンドリングの不調に見舞われ、サレスがこれをかわしトップに浮上。
その後、エリック・ジョーンズはホイールからの異常振動に見舞われたため、グリーンフラッグ下で予定外のピットインを強いられ、2周遅れと大きく順位を落としてしまった。
4度目のイエローコーションから、残り50周での再スタートが切られると、サレスは独走。みるみるうちに後続を引き離していき、終盤にはその差は7秒以上に。圧倒的な速さを見せたサレスが最後はやや余裕も見せながらトップでチェッカーを受け、今季2勝目を挙げると共に、“チェイス”の次ラウンド、上位8名が進出する“ラウンド・オブ・8”への進出を決めた。
エリック・ジョーンズは16位でフィニッシュ。“チェイス”初戦の前戦ケンタッキーもクラッシュで28位に終わっており、“チェイス”ランキングでは次ラウンド進出圏外の10位となってしまった。
しかし、7位までとは5ポイントの中に4人が入る接戦となっており、第1ラウンド最終戦となる次戦での勝利、または上位フィニッシュでの次ラウンド進出を目指す。
次戦第29戦は10月7日(金)、シャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー ダニエル・サレス:
「チームを本当に誇りに思う。最高の仕事をしてくれて、我々の“トヨタ・カムリ”は素晴らしく速かった。ここまで圧倒的にレースを支配できたのは初勝利を挙げたミシガン以来だ。あの時もミスやペナルティがあったにもかかわらず追い上げることが出来た。今日は全てが順調だった。“チェイス”次ラウンド進出を決められたのはとても良いことだ。更なる自信と共に、いつもよりリラックスして次戦シャーロットに臨める」
<エクスフイニティ・シリーズの“チェイス”>
今季よりエクスフィニティ・シリーズと、キャンピングワールド・トラック・シリーズでもプレーオフ“チェイス”システムが採用されることとなった。エクスフィニティ・シリーズでは、全33戦のシーズンのうち、終盤の7戦でタイトルを争う。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバーと、未勝利でランキング上位の12名が“チェイス”に進出。
“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの2ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第18戦 DC Solar 350
開催日:10月1日
“チェイス”を争うトヨタの4名がトップ10フィニッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第18戦「DC Solar 350」が10月1日(土)に米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された。
トラック・シリーズも今季より“チェイス”システムが導入。前戦より第1ラウンドが開始されており、選抜された8名から、最初の3戦で下位2名が脱落する。トヨタ勢は4人がこの“チェイス”の8名に進出。その中で、今季最多勝と快進撃中の18歳のルーキー、ウィリアム・バイロンが前戦勝利を飾り、一足先に次ラウンドへの進出を決めている。
この週末、他シリーズは遠く離れたドーバーで開催されているため、掛け持ちはなく、シリーズレギュラーによる戦いとなった。ここラスベガスでは、“チェイス”進出ドライバーのひとりであるティモシー・ピーターズが2013年に勝利を挙げている。
1日(土)午後の予選に続き、日が傾き賭けた午後5時52分に1.5マイルオーバルを146周(219マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。
今季初のポールポジションを獲得したピーターズが飛び出すが、フロントグリルに異物が貼り付きオーバーヒート。徐々にポジションダウン。2番手スタートのマット・クラフトンも最初のピット時にピット作業ペナルティを受け大きくポジションを落としてしまった。
レース中盤には日が落ち、刻々と変わる路面コンディションで各車ハンドリングに苦戦。そんな中、10番手スタートから着実な走行を続けたバイロンが、トヨタ勢では最上位となる5位でフィニッシュ。
バイロンのチームメイトであり、同じくルーキーながら“チェイス”入りを果たしたクリストファー・ベルは3速ギアを失い、中盤大きく順位を落としながらも、後半のイエローコーションの出ない展開と素晴らしいピット作業にも助けられポジションアップを果たし、6位でフィニッシュ。
苦戦を強いられながらも、ベテランらしい走りでポジションを取り戻したクラフトンとピーターズはそれぞれ8位、9位でチェッカーを受け、トヨタの“チェイス”ドライバーは4人共にトップ10フィニッシュを果たした。
トラック・シリーズの“チェイス”争いは、次戦を終えた時点での上位6台が次ラウンドへと進出するが、トヨタ勢は4人全員がトップ5に残っており、全員揃っての次ラウンド進出を目指す。
次戦第19戦は10月22日(土)に米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで開催される。
ドライバー ウィリアム・バイロン:
「悪くないレースだった。レースを通して努力を続けたが、望むレベルに到るためにはもう少し調整が必要だった。とはいえ、良いポジションで、良いレースを戦い、着実にトップ5フィニッシュを果たせて嬉しい」
<キャンピング・ワールド・トラック・シリーズの“チェイス”>
今季よりエクスフィニティ・シリーズと、キャンピングワールド・トラック・シリーズでもプレーオフ“チェイス”システムが採用されることとなった。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは、全23戦のシーズンのうち、終盤の7戦でタイトルを争う。開幕からの16戦全ての決勝に出場し、ランキング30位以内に入った上で、シリーズ戦勝利を挙げたドライバーと、ランキング上位のドライバーから8人が選抜。
“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの2ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位2名が脱落しポイントをリセットして次ラウンドに進む。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。