カルロス・サインツJr.は、マレーシアGP決勝スタート直前にグリッド上でストールしていたと明かし、FIA F1レースディレクターのチャーリー・ホワイティングがそのままスタートを実行したことに驚いたと語っている。
各車がフォーメイションラップのスタートを切るなか、フェリペ・マッサのウイリアムズが動けずに取り残されたが、他のマシンがグリッドに戻ってくるまでには、無事にピットに戻されていた。しかしスタート直後、今度はサインツが積むフェラーリエンジンが止まってしまった。
サインツとエンジニアが迅速に対応し、MGU-Kによって車を再始動させることに成功、最初のラップで15位から11位までポジションを上げることができた。
5つのレッドライトのうち最初のひとつの点灯が遅れ、イエローライトも点滅していたため、サインツはレースが通常どおりスタートするとは思わなかったという。
スタート時のことを聞かれたサインツは「おそらく僕を待っていたんだと思う」と答えた。
「もう1周(フォーメイション)ラップをするためにイエローフラッグを出すべきかどうか、分からなかったのだろう」
「でも、ライトが点き始めて、一台のマシンが完全に停止していたのに、彼らはスタートを実行した。どうしてそんなことになったのか理解できない」
「レースがスタートして本当に驚いた」
サインツはクラッチを温めていたのになぜエンジンが止まったのか、理由が分からないと述べている。
「普通、クラッチを温めているとき、少し強めにすると、エンジンストールの防止になるんだけど、今回そうはならなかった。とても驚いたけど、ステアリングホイールの操作でエンジンを復帰させることができた」
「今シーズンに入ってから、試したことがあったので、分かっていた。それでも普通はエンジンが切れたら、『くそ、もうおしまいだ!』って思っちゃうよね」
「すぐに僕のエンジニアが無線で思い出させてくれた。でも最初にやってみた時はうまくいかなかった」
「2回目にやってみた時、5つのライトが点灯したちょうどその時に、ありがたいことにエンジンがかかった。『ふぅ、これでライトが消えたらスタートできる』って思ったよ」
1周目でポジションを上げたにもかかわらず、サインツは最終スティントで前のジョリオン・パーマーに近づくことができず、11位にとどまった。サインツの方が6周若いソフトタイヤを履いていたにもかかわらずだ。
サインツの2ストップに対し、ルノーはパーマーを1ストップで走らせていた。その戦略がうまく機能し、パーマーはルイス・ハミルトンのリタイアにより最後の1ポイントをつかむことができたのだ。
「(ルノーの)戦略は間違いなく成功だったよね」とサインツは言った。
「彼らは予選でも僕らより前の位置を確保した。だから(決勝で)僕らより速いペースで走れるだろうことは最初から分かっていた。特にケビン(・マグヌッセン)はね」
「彼は(ソフトタイヤの)中古のセットで予選タイムを記録し、僕らより0.3秒速いペースで走っていた」
「最終スティントで、僕の方が(パーマーより)新しいタイヤで走り、16周、予選ラップみたいにプッシュした。でも彼らの方が少しだけ速かった。気に入らないね。そんなこと、思ってもいなかったから」