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フォルクスワーゲン WRC第10戦ツール・ド・コルス ラリーレポート

2016年10月04日 12:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

セバスチャン・オジェ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2016年10月3日(月)
フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン株式会社

オジエ選手が地元「ツール・ド・コルス」で初優勝し、4度目のタイトルに向け前進

● セバスチャン・オジエ選手が地元イベントで初優勝。WRCチャンピオンシップ防衛に王手。
● フォルクスワーゲン・ポロR WRCは、WRC通算49戦40勝。

 世界ラリー選手権(WRC)第10戦「ツール・ド・コルス」が、9月29日~10月2日、フランス・コルシカ島西岸の街、アジャクシオを中心に開催されました。

 フォルクスワーゲン・モータースポーツのセバスチャン・オジエ選手が地元ラリーで初優勝、4度目のチャンピオンシップを手元に引き寄せました。

 チームメイトのアンドレアス・ミケルセン選手とヤリ-マティ・ラトバラ選手も3位と4位でフィニッシュ、このイベントからチームを率いる新モータースポーツ・ディレクター、スヴェン・スミーツを祝福しました。

「ツール・ド・コルス」には、ストレートらしいストレートがなく、「10,000のコーナーを持つラリー」の異名で知られると同時に、かつては「ツール・ド・コルス(コルシカ島1周)」の正式名称で知られるターマック(舗装路)イベントです。

 WRCカレンダー随一の風光明媚なラリーと言われていますが、ルートの片側は切り立った山肌、逆側は崖と難所が多く、クルーがその景色を楽しむ余裕はありません。

 全長1,170.40kmにレイアウトされたスペシャルステージ(SS:競技区間)は、その数こそ10カ所と少ないものの、最終SS以外はすべて30km超。SS区間距離は390.92kmです。クルーはその間、ひと時も集中力を切らすことなく、タイヤ摩耗にも気を遣わなくてはなりません。


 9月30日のデイ1は4SSの構成。このラリーを制し、ライバルのポイント状況次第では4連覇が確定するオジエ選手は、初日から素晴らしい走りを見せ、4カ所すべてのSSでトップタイムを記録、2位以下に44秒の大差をつけました。ラトバラ選手とミケルセン選手も、デイ1を3、4位で終えました。

 10月1日のデイ2も、前日と同様、全4SSで戦いが繰り広げられました。午後はにわか雨が降る不安定な天候となり、各クルーは突然の降雨を意識しながらも、急速に乾く路面にも対応しなければならず、難しいタイヤ選択を強いられました。

 オジエ選手は、この日も安定したパフォーマンスを見せて首位をキープ。ミケルセン選手がラトバラ選手を逆転し、3位と4位が入れ替わりました。

 ポロR WRCは、600回目のSSウィンをマークしました。2013年のデビュー以来、892カ所のSSにアタックし、そのうち2/3を制したことになります。


 大量リードに守られたオジエ選手は、最終デイ3も無難にまとめてWRC通算36勝目を手中に収めるとともに、4連覇に向けて大きく歩を進めました。

「ツール・ド・コルス」前にはオジエ選手を含めて7名のドライバーにタイトル獲得のチャンスがありましたが、このラリーを終えてチャンスが残されているのは、オジエ選手とミケルセン選手のほか1名のみとなりました。

 第11戦「ラリー・スペイン」は、10月13日~16日に、バルセロナ南のリゾートタウン、サロウを中心に開催されます。このラリーには、オジエ選手とフォルクスワーゲン・モータースポーツのダブルタイトル決定の可能性があります。


[終了後のコメント]
■フォルクスワーゲン・モータースポーツディレクター:スヴェン・スミーツ
「ポロRWRCが通算40勝を達成しました。モータースポーツディレクターとしてのデビュー戦で誇らしいリザルトを得ることができました。次戦スペインは、ポロRWRCが節目となる50戦目を迎えるとともに、タイトル獲得のチャンスがあります。」

■カー#1:セバスチャン・オジエ(フランス) 最終結果:1位
「何としても地元ラリーで勝ちたいと思っていました。金曜日が完璧だったので、その後はタイム差の維持に集中しました。この勢いをスペインに繋げて、タイトルを獲得したいです。」

■カー#2:ヤリ-マティ・ラトバラ(フィンランド)最終結果:4位
「諸手を挙げて喜べるリザルトではありませんが、責任は自分たちにあります。スペインで再び表彰台に立てるよう全力を尽くします。」

■カー#9:アンドレアス・ミケルセン(ノルウェー)最終結果:3位
「3位という順位に満足しています。計算上タイトルのチャンスはありますが、今後はランキング2位獲得に照準を絞ります。」

■FIA世界ラリー選手権 第10戦ツール・ド・コルス最終結果
1. セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(フォルクスワーゲン) 4時間7分17秒0
2. ティエリー・ヌーヴィル/ニコラス・ジルスル(ヒュンダイ) +46秒4
3. アンドレアス・ミケルセン/アンダース・イェーガー(フォルクスワーゲン) +1分10秒0
4. ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ(フォルクスワーゲン) +1分35秒6

■FIA世界ラリー選手権 マニュファクチャラーズ選手権ランキング(第10戦終了時点)
1. フォルクスワーゲン・モータースポーツ 293
2. ヒュンダイ・モータースポーツ 227
3. フォルクスワーゲン・モータースポーツII 136

■FIA世界ラリー選手権 ドライバーズ選手権ランキング(第10戦終了時点)
1. セバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン) 195
2. アンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン) 127
3. ティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイ) 112
5. ヤリ-マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン) 101

*結果はすべて暫定。