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F1マレーシアGP決勝 トップ10ドライバーコメント

2016年10月03日 15:41  AUTOSPORT web

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2016年F1第16戦マレーシアGP マックス・フェルスタッペン ダニエル・リカルド ニコ・ロズベルグ
2016年F1第16戦マレーシアGP決勝トップ10に入ったドライバーたちがレースを振り返った。

■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=1位
 最高の日だよ。感激して胸がいっぱいだ! 勝利のシャンパンを飲むのは久しぶりだから。2週間前、「今年のうちに優勝できる」と僕は言ったけど、正直、このサーキットでそれが実現するとは思っていなかった。 
  
 勝つまでにこれほど汗をかくレースは他にない。“シューイ”をするにも汗をかきすぎるね。僕としては構わないんだけど、他の人に少し申し訳なかった。僕の靴からシャンパンを飲まなければならないなんて気の毒だ。でも観客のみんなが見たがっていたからね!

 今日はチャンスが訪れたから、それをしっかり生かす必要があった。絶対にチャンスを逃さないと思った。

 マックス(・フェルスタッペン)とのバトルはよかったね。彼はてごわいレーサーで、そこが僕らの共通点だ。激しく戦ってアグレッシブに攻めたけど、限界までプッシュしながら、きちんと走り続けた。それができるってことを証明したんだ。正々堂々と戦い、ふたりともバトルを楽しんだ。

 僕のタイヤの方が少し古くなっていたけど、できるだけ長く彼を抑え続けようと決めていた。バーチャル・セーフティカーが出た時、2台揃ってピットインし、新品タイヤに換えた。それで最終スティントは楽になった。

 今年はチームが大きく進歩している。素晴らしい年だ。去年より一段高いレベルでスタートし、そこからさらによくなっている。このサーキットで勝てるなんて本当にすごいと思う。それを可能にしてくれたチームにありがとうと言いたい。今日は本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

 モナコの後は複雑な気持ちになった。受け入れるのが難しかった。でも皆で乗り越え、より強く、より優秀なチームになったと感じる。

 両親と姉に感謝したい。家族が応援してくれたことで成長できた。そして、この勝利をジュール(・ビアンキ)に捧げたい。彼に勝利を捧げられる日をずっと待っていた。あの事故以来、僕の人生は間違いなく変わった。今、自分が手にしているものをありがたく思い、心から感謝するようになったんだ。

(formula1.comに対して語り)2年ぶりの優勝だ。この2年は長かった。いろいろなことが起きた。僕の人生を変えた瞬間、それはジュールを失った時だ。彼はライバルであり友人だった。なかなか受け入れられなかった。もっと早く勝って、彼に勝利を捧げたかった。
  
 あの出来事が、人間としての僕を変えた。いい方にだ。自分の立場、自分が手にしているものに対して感謝する気持ちが強くなった。今日、F1レースで勝った。また夢がかなったんだ。だからこれは彼のものだ。


■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=2位
 ふたり揃って表彰台の上段に上れるなんて、チームにとって最高の結果だよ。

 大満足のスタートだった。やっとうまくいって、順調にターン1に入った。でもセバスチャン(・ベッテル)の動きの影響を受けた。彼がニコ(・ロズベルグ)と接触したから、それを避けなければならず、いくつかポジションを落とした。その時に失った時間が最終的に大きく響いた。バーチャル・セーフティカーに関しても少しついてなかったしね。でもそれもレースだ。
  
 ハードコンパウンドを履いて、前のグループに追いついていった。ダニエル(・リカルド)とのバトルは最高だった。本当に楽しかったよ。僕らは互いに心から尊敬し合っている。だから相手にたっぷりスペースを残しながら、全力でプッシュし合えた。

 DRSの範囲内に近づいたけど、僕のタイヤの方が少し古くてオーバーヒートを起こしつつあった。だからレンジに入って攻めることはできなかった。
  
 チームから「クリーンに戦うのであれば、自由にレースしていい」と言われた。だからバトルができた。無線でそう言ってもらえてすごくうれしかったよ。

 今日の僕らには勝てるだけのレースペースがあったと思うけど、ワンツーというチームにとって完璧な結果が出せたのだから、満足しなくちゃね。


■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=3位
 勝とうという意志を持ってここに来たけれど、うまくいかなかった。だからハッピーだとはいえない。

 1コーナーのアクシデントの後、状況はかなり暗いと感じた。僕のレースはもう終わったと思ったんだ。走り続けられるとも思わなかった。4度の世界チャンピオンの制御不能な魚雷が衝突してきた。そんな感じだったよ!

 激しく衝突されたとピットに報告した。だから走り続けて順位を上げていけたのはラッキーだった。僕は懸命に走り続けた。ポジションを上げていく過程でいくつか素晴らしいバトルができた。それは楽しかったよ。表彰台まで戻れたのはうれしい。正直言って、最終的に表彰台に立てたなんて、信じられないぐらいだ。

 キミ(・ライコネン)とのインシデントの後、ペナルティが出て驚いた。彼を抜く必要があって、チャンスが訪れたから行ったんだ。チャンスが来たときにはそれをつかまなければ。クリエイティブである必要がある。アグレッシブな動きだったけど問題ないと思う。だって僕らはああいうことをするためにレースをしているんだから。とはいえ、決定は受け入れる。幸い、結果には影響しなかった。フェラーリより僕らの方がペースがよかったから。

 終盤はフェラーリとのギャップを10秒以上築こうと全力を注いだ。でも同時にエンジンをセーブしなければならなかった。ルイス(・ハミルトン)にトラブルが起きたから、最後まで全開でプッシュすることに皆が躊躇したんだ。

 ルイスにとってきつい一日だったと思う。あの瞬間、どれだけつらいか分かるよ。僕も何度か経験しているからね。たとえば2014年のアブダビがそうだ。最悪の気分だ。でも彼は強くなって戻ってくると思う。ファイターだからね。

 1戦1戦こなしていくというアプローチをとっていこうと思う。次に何があるかは決して分からないんだ。次は鈴鹿だ。また優勝を狙っていくよ。


■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=4位
 4位は望んでいたリザルトではないけれど、今日は残念ながらこれ以上の結果を出すのは無理だった。マシンは悪くはなかったし、ハンドリングもまずまずだった。ただ、純粋なラップタイムがよくなかった。スピードが足りず、前のグループにチャレンジするチャンスは一度もなかった。

(ニコ・)ロズベルグに抜かれた時、彼を避けるために右に寄らなければならなかった。このままでは彼がぶつかってくると分かった。そうしたらふたりともレースを終えることになっていただろう。そのおかげで僕のリヤのフロアがダメージを負い、ニコはペナルティを受けた。

 その後、彼とのギャップを10秒以内に保つようベストを尽くしたけれど、残念ながらおよばず、順位を上げることができなかった。当然のことながらもっといい結果をつかみたかった。でも今の結果を受け入れるしかない。
 
 マシンの速さを向上させ、ライバルたちにチャレンジできるように、これからも改善を図り、努力し続ける。
 

■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 決勝=5位
 僕にとっては、とても良い一日だったと思う。とりあえず、今日手に入りそうだったものは、すべてゲットしたからね。スタートは良かったし、その後も計画どおりに戦略を機能させることができた。それがフォース・インディア勢の前でフィニッシュできた最大の要因だろう。

 ただ、僕はポイントを稼げたものの、フェリペがいろいろなトラブルでポイントを獲れなかったのが残念だ。でも、自分のレースに関しては満足している。日本でも今回と同じようなレースができるように努めるよ。


■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=6位
 僕らとしては悪くないレースができた。ただ、レース展開に関しては、少し不運なところもあったと思う。

 スタート直後は、ものすごくうまく行きそうに思えた。いいスタートが決まって、ずっとインサイドのラインをキープしていたら、ターン1を過ぎたところで3番手に上がっていたんだ。ただ、背後には何台か速いクルマがいたし、彼らとの戦いに熱くなりすぎて、タイヤをダメにしてはいけないことは分かっていた。

 僕のレースを左右したポイントは、最初のバーチャル・セーフティカーだった。ミディアムタイヤでスタートできたドライバーたちは、あれで大きなアドバンテージを得たし、反対に僕はピットに入った時点でだいぶ順位を下げることになった。

 そこから6位まで挽回するのは、なかなか骨の折れる仕事だったよ。でも、コンストラクターズ選手権を4位で終えるためには、1ポイントも疎かにはできないと思っていたからね。

 今日のレースで、僕らはひとつも判断ミスをしなかったと思う。ただ、状況が僕らよりも他のチームとドライバーにより大きく味方しただけだ。


■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 決勝=7位
 いくつかすごいバトルがあり、僕らにとってかなりエキサイティングなレースだった。
  
 最後尾グリッドだったが、スタートでいくつか順位を上げ、幸い1コーナーのアクシデントにも巻き込まれずに済んだ。自分のポジションにびっくりしたよ。ほんの数周でポイント圏内を走っていたんだ。

 その時点で、無線を通して戦略について話し合った。アグレッシブにいくか、コンサバ寄りでいくかの選択だ。最終的に、僕らはアタックすることに決め、オプションタイヤの新品セットをすべて活用することにした。予選で使わずに残しておいたものだ。

 最後のバーチャル・セーフティカーは僕らに有利に働いた。そこで最後の新品セットを装着することができた。
  
 今週末は(グリッド降格)ペナルティを受けなければならなかったから、多少幸運が必要だった。今日はその運をつかむことができたんだ。

(Crash.netに対して語り)この2年、僕らは苦労してきた。たまには幸運をつかむ資格がある。
 マシンは最後までペースがよかった。特に苦労もなく(ニコ・)ヒュルケンベルグを後ろに抑えることができたし、前のセルジオ(・ペレス)に向けてアタックすることもできた。

 ハッピーだよ。攻めていくことに決めて、すべてがうまくいった。でもやるべきことはまだ多い。


■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=8位
 レースの状況を考えれば、8位フィニッシュはまずまずの結果だ。実際、僕にとっては、かなり厳しい戦いだった。

 まず、とてもいいスタートが切れたのに、ターン1まで来たところで(ニコ・)ロズベルグと(セバスチャン・)ベッテルのアクシデントを回避しなければならず、2つほど順位を下げてしまった。そして、最初の2つのスティントでは、どうしてもジェンソン(・バトン)を抜くことができず、彼のペースに付き合わされて大きくタイムをロスした。

 今日の僕のクルマは速かったのに、序盤にトラックポジションを失った結果、もっと上位でフィニッシュするのが難しくなったんだ。選んだ戦略は間違っていなかったと思う。だが、なかなかオーバーテイクができず、その戦略をうまく生かすことができなかった。

 全体としてみれば、2台がポイント圏内でフィニッシュできたのだから、十分に満足すべきだろうね。(コンストラクターズ選手権争いで)少しはリードを広げることができたし、ここで稼いだポイントが、僅差の争いになりそうなシーズンの終盤戦で効いてくるはずだ。


■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
ジェンソン・バトン 決勝=9位
 悪くないレースだった。でもバーチャル・セーフティカーのタイミングがすごくついてなかった。僕の後ろのグループは3回ストップで走っていて、僕は2回ストップだった。僕がピットストップを済ませた3周後にバーチャル・セーフティカーが出たもので、3回ストップの人たちは僕に対して15秒稼ぐことができたんだ。そのチャンスを自分が逃したのは悔しい。この数戦、あまり運に恵まれないね。  

 スタート直後に4位に上がったが、オープニングラップの間に、2台に抜かれてしまった。

 今日は2回ストップの方が優れた戦略だったけれど、バーチャル・セーフティカーが出ると、うまく戦略を機能させるのは難しかった。それまでは7位はつかめそうだったんだけどね。 

 でも終盤5戦には運が向いてくることを願っているよ。


■ルノー・スポール・フォーミュラ1チーム
ジョリオン・パーマー 決勝=10位
 ついにポイント獲得者になった! 本当にうれしくて、ハッピーだ。この週末は全体がポジティブなもので、レースも最後まで順調だった。いつもこんな風に、すんなり行くといいんだけどね。

 ただ、週末の初めからずっといい手応えを得ていただけに、予選の結果にはガッカリしていたんだ。レースでは順調に走り、その埋め合わせをすることができて本当に良かった。クルマは僕が必要としていたものを全部与えてくれた。タイヤをうまく扱うこともできたし、戦略とピットストップに関してはチームがすばらしい仕事をした。そして、少しばかり運にも恵まれ、最終的にすべてがうまくまとまって10位でフィニッシュできた。