世界ラリー選手権(WRC)第10戦ツール・ド・コルスは2日、SS9~10が行われ、初日からトップを快走したセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が優勝。しかし、ボーナスポイントが獲得できるパワーステージで3位に終わったため、今大会でのタイトル獲得はならなかった。
現地30日に行われたSS1でトップに立ったオジエは、SS2を終えた段階で15秒近いギャップを構築。その後、総合2番手につけていたクリス・ミーク(シトロエンDS3 WRC)にパンクがあったことで、初日終了時点で44秒もの大量リードを獲得した。
その後、オジエは「パンクの可能性を考慮してペースを抑えた」としながらも、トップを快走。今大会最長のSS9を走り終えた時点でも総合首位に立ち、パワーステージのSS10でトップを獲得すれば、母国ラウンドでのタイトル連覇を決められる状況へと持ち込んだ。
しかし、そのSS10では初日にパンク、1日のSS6では木にヒットしてデイリタイアしていたミークが奮起。オジエを1.6秒上回ってステージ勝利を奪い、ツール・ド・コルスでのタイトル確定を防いだ。
母国での4連覇達成はならなかったものの、オジエはSS10をステージ3位で完走し、第9戦ドイチェランドに続いて2連勝。コルシカ島でのWRC初勝利を手にしている。
「今週末、僕たちの真の目的は母国ラウンドでの勝利だった」とオジエ。
「僕とジュリアン(・アングラシア)がコルシカでのWRC戦で勝利するのは初めて。本当にクラシックな1戦で勝利できて最高の気分だよ」
「今週末は完璧だったから、これ以上なく幸せだよ。もちろん、理論上はここで4年連続のチャンピオンになるチャンスもあったけれど、それは次のスペインで狙っていく」
前日、ヒュンダイのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 WRC)とアンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が接戦を繰り広げていた総合2位争いはヌービルに軍配。フォルクスワーゲンのワン・ツーはならなかった。
この週末、マシンのセットアップとブレーキバランスに苦しんだヤリ-マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が総合4位。最上位クラスで初のターマックイベントに臨んだクレイグ・ブリーン(シトロエンDS3 WRC)が総合5位に入っている。
また、今大会で実戦デビューを果たしたヒュンダイi20 R5は、WRC2の4番手として臨んだSS7で液漏れが発生。デビュー戦完走は果たせなかった。
WRC第11戦は10月13~16日にスペインで行われる。