マノーがフロントウイングを改良してきた。新しいフロントウイングは、すでに前戦シンガポールGPから投入しており、今回のマレーシアGPが2戦目となった。
主な変更点は翼端板とカスケードウイング部分。翼端板は後端がスクエア形状だったのがラウンド形状となり(赤色矢印)、翼端板の外壁に小型のカナードが装着された(黄色矢印)。また翼端板自体の形状も以前は単なる垂直だったものが、新しいウイングではカスケードウイングとの接合部分に小さなくぼみを設けた複雑な形状に変更されている(緑色矢印)。
またカスケードウイングに小型の垂直フィンが2枚追加された(紫色矢印)。またカスケードウイングの下面と内側壁面の接続部分の角が、これまでは完全な直角だったのが、やや丸みを帯びた形状に変更された。
これらの変更はいずれもフロントウイングで受けた空気を剥離させることなく、後方へ導くための処理だと考えられ、フロントウイングそのもののダウンフォースはもちろん、マシン全体のダウンフォースアップにもつながっていると考えられる。
新しいフロントウイングについて、ウェーレインに尋ねてみると、「確かにダウンフォースは増えたと思うけど、シンガポールGPはいくらダウンフォースがあっても困らないからなあ……」と、新しいフロントウイングに100%満足している様子はなかった。
さらに今回のマレーシアGPでも土曜日のフリー走行3回目で電機系のトラブルに見舞われ、「クルマのセットアップが全然できない」(ウェーレイン)まま予選を迎え、初めてチームメートに負けるという屈辱を味わった。