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成功は「やりたい仕事ではなく求められる仕事」を選んだ結果――マツコと福山雅治の会話から見えたもの

2016年10月02日 10:40  キャリコネニュース

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マツコ・デラックスと福山雅治。二人とも、芸能界トップクラスの売れっ子だが、共通するのは「今の地位を目指していなかったこと」である。「テレビに出るなんて考えていなかった」というマツコと、「本当はロックやパンク音楽がやりたかった」という福山。そんな二人が、いかにして今の場所に辿り着いたのか。そこには、仕事に対するある共通の想いがあったようだ。

9月28日に放送された「夜の巷を徘徊する」(テレビ朝日系)で初対面を果たした二人。神保町のカレー店で食事しながら、仕事について真面目に語り合う場面があった。(文:みゆくらけん)

本当は音楽で売れたかったが、まずは俳優からスタートした福山

「テレビに出たくて頑張ってきたという人生ではなかったですよね?」。これは、福山からマツコへの問いだ。「自分が望んで求めていったわけではない、とマツコさんを見て思っていた」、そう福山が感じていたとおり、偶然や出会いが重なってテレビで活躍する今の状況に流れ着いたと答えるマツコ。

その「意図するところではない」コースで今の立ち位置に来たのは福山も同じだという。もともとロックやパンク音楽が好きで、その道でやっていくために芸能界に入った。しかし、自分から出てくる音や声はどうもそれではない。ドラマに出演すると甘いルックスが反響を呼び、求められるのは恋愛ソング―。福山からすれば「本意ではない」展開だった。やりたい道を追求するという選択もあったというが、福山が選んだのは求められることを提供する、ということ。

「音楽を続けるには、まず売れなきゃいけないと思ったんですよ。じゃあ売れるってなんだってなった時に『なんだっていい』と。それが憧れてた音楽のスタイルでなかろうが、とにかく一個カタチを作らなきゃ次がないと」

覚悟を決めた福山は、なんだってやるつもりだった。「ジャニーズ事務所に入ったり、宇宙企画(AVメーカー)でやっていたかもしれない」とも話していた。

福山の話に、マツコも「出会いと巡り合わせよね」と共感。「こんなにも望んでくれた職種って今までなかったのよね。私の居場所はここで、骨を埋めるまでやるしかない」と話し、仕事に対する想いをこう語っていた。

「生きたからには何かしら世の中の役に立って死にたい。そのために何が必要かってなった時に、力を手にしなければ何もできないし何も変えられないと思ったの。私が認めてもらうには、自分を使って世の中の声みたいなものを伝える役割しかない」

興味のない仕事の挑戦してみることで得られるものもある

二人に共通するのは、自分がやりたいことよりも、求められることを仕事にしているということだ。売れっ子であることが二人にとってイコール成功ではないのかもしれないが、私たちに生きるヒントを教えてくれる。自分がやりたい仕事が他人から評価されるのは稀なことで、マツコや福山ですら難しい。人の天職と適職というのは、こうも違うんだなァ。

それでも福山は、「趣味嗜好に合わない仕事に挑戦して気づかされたことも多い」とその良さを語る。たとえばNHK大河ドラマの「龍馬伝」では、それまでさほど興味のなかった生まれ故郷・長崎の素晴らしい歴史を深く知ることができ、地元愛がより深まったようだ。

最後にマツコは福山の仕事について「もうね、十二分に御奉公しましたよ。需要と供給とか考えなくていい時が福山さんには来た気がする」とし、「(今後は)完璧じゃないところを表現として見せちゃってもいい」と背中を押していた。

周りから期待される仕事をやりきった上で、自分が求める道を行く―。そこには、とても謙虚な二人の「生きる姿勢」が見えた。

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