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MotoGP:日本人女性ライダーが21年ぶりに日本GP参戦。岡崎「世界のライダーから技術を盗みたい」

2016年09月30日 21:21  AUTOSPORT web

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Moto3クラスにワイルドカード参戦するUQ&テルル・Kohara RTの岡崎静夏
9月30日に都内会場にて『2016MotoGP世界選手権日本グランプリ岡崎静夏Moto3ワイルドカード参戦発表会』が行なわれた。

 日本人の女性ライダーが世界グランプリに参戦するのは1995年の井形ともさん以来21年ぶりとあって、会場には多くの取材陣が駆けつけた。

 発表会の冒頭には岡崎が所属するチーム『UQ&テルル・Kohara RT』の小原斉監督から参戦の経緯が説明された。

「本人から『どうしても出たい』と強い希望がありました。ワイルドカードの申請をしたところ、幸運にも参戦権を得ることができました」と小原監督。

「近年、日本勢がいい成績を出せていないのはMoto3が3クラスの中で一番マシン格差が大きいからです。今回の参戦は、ワークスマシンが20台以上走っている中でのワイルドカード参戦で、劣勢の中での厳しく無謀とも思える挑戦となります」

「ですが、世界トップレベルのライダーと走るチャンスは簡単には得られません。ひとつでもふたつでも経験して今後に活かしてほしいと思います」

 また、日本人女性ライダーとして唯一の世界グランプリフル参戦経験を持つ井形さんも発表会に登場。

「私が初めて世界戦にワイルドカード参戦したときは、女性ということで注目を浴び、鼻息荒くコースに出て転倒、リタイアしました。彼女へのアドバイスは『完走すること』です。地味に聞こえますが、走りきるのはとても難しいことです。特に過去の例を見てもワイルドカードの完走は難しい。私の『しくじり』を繰り返さないように、フリー走行から1周1周を無駄にしないようにしっかり走ってほしい」と女性の先輩ライダーとして激励の言葉を贈った。

 それを受けて岡崎も次のように意気込みを語った。

「私もレースは参加することが目的ではないと思っています。全日本でも完走を目指しています。世界のトップライダーたちが持つマシンコントロール技術を間近で見て勉強し、吸収したいです。少しでも戦えるように、頑張りたいです」

「去年までは世界戦を見ていても全く違う乗り物に乗っているように感じていましたが、今年は全日本開幕戦の筑波で6位に入賞し、世界戦も具体的に見られるようになりました」

「全日本で思うようにマシンをコントロールできるようになったので、世界戦を意識して全日本もランキングを重視して戦ってきました。もてぎのコースは苦手意識があるのですが、世界戦で得意なコースに替えられるように世界ライダーから技術を盗みたいです」

 男女が同じ舞台で戦う2輪ロードレース。「普段はあまり考えてはいないけれど、世界戦にフル参戦している女性ライダーが前にいたら、意識してしまうかも」という岡崎。

 ワークスマシンという武器は手に入れていないが、情熱と負けん気は世界トップライダーに負けてはいない。