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インドネシアでも「じゃんけんぽん!」 JKT48初のじゃんけん大会は日本式?

2016年09月30日 17:11  リアルサウンド

リアルサウンド

8月19日インドネシア・ジャカルタで行われたJKT初のじゃんけん大会の様子(C)AKS

 AKB48グループのメンバーによる『AKB48グループじゃんけん大会2016』が、10月10日に神戸ワールド記念ホールで開催される。そこで今回は、先立って8月19日にインドネシア・ジャカルタで行われたJKT初のじゃんけん大会について紹介しつつ、そのシステムをおさらいしたい。


 大会のシステムは日本と同じで、JKT48のメンバー53人がじゃんけんで争い、優勝者がセンター、勝者上位16人がJKT48 14thシングルの選抜メンバーとなる。また今回優勝したJKT48メンバーは、先述した『AKB48グループじゃんけん大会2016』への参加権利を獲得することができるとあって、メンバーたちは一段と燃えていた。


(関連:JKT48はインドネシアでなぜ成功した? 現地アイドル文化の特徴を読み解く


■優勝はチームK3のシンカ、仲川も選抜入り


 53人の出場メンバーは思い思いの衣装やコスチュームに身を包み、意地とプライド、そして選抜メンバーをかけて激闘を繰り広げた。優勝したのは、チームK3に所属するシンカ・ジュリアニ。JKT48の2期生として姉のシンタ・ナオミとともに姉妹で加入し、「妹キャラ」で大人気のメンバーだ。2016年のJKT48第3回選抜総選挙では17位に選ばれ、アンダーガールズのセンターを務めており、日本でも人気が出そうな雰囲気を持っている。彼女の運と実力が発揮され、初めての選抜メンバー入りでセンターを獲得した。そして10月10日神戸で行われるAKB48のじゃんけん大会では、1回戦はEブロックでAKB48チームKの湯本亜美と対決することになっており、インドネシア中のファンが楽しみにしている。


 シンカは「優勝するなんて考えてもいませんでした。今まで選抜に入るチャンスもなく、本当に嬉しいです。 決勝で勝ってセンターに入れるなんて……センターになれるなんて信じられない。 あとAKB48のメンバーの皆さんに会えることも楽しみですし、AKB48グループじゃんけんに参加するときは、ユニット選抜に入ることを目標にしちゃいます!」と喜びを語った。


 日本のAKB48からJKT48に移籍し、現地でも大人気の仲川遥香は、「アイドルなんて呼ばないで」(JKT48・僕の太陽公演)の衣装で登場。残り限られたステージをアイドル全開の衣装で飾るという、今年の年末での卒業を発表している仲川らしい演出だった。仲川はもはやJKT48ファンだけでなく、インドネシア中が注目する日本人である。結果はベスト16まで残るという相変らずの強運を発揮、選抜入りを確定した。「やっぱりハルカは持ってるなー」とJKT48のファン全員がそう思った。


 またインドネシアの伝統的音楽「Dangdut」(ダンドゥット)を踊るユニットで活躍し、現地放送局MNCTVの『Anugerah Dangdut Indonesia』など、多くの音楽賞を獲得している近野莉菜は、「Dangdut」特有の真っ赤のきらびやかな衣装で登場した。もはや見た目ではすっかりインドネシア人のようになっている近野は、残念ながら一回戦敗退であったものの会場を大いに沸かせた。「正直優勝する気で今回のJKTじゃんけんに挑みました。一回戦負けでした(笑)。AKB でもじゃんけんの一回戦で負けたことなかったのに……。またやり直します!!」と語っていた。


■インドネシアでも日本式の「じゃんけんぽん」


 今回、JKT48のじゃんけん大会でも選抜入りした仲川は以下のように語っている。


「じゃんけん大会は AKB のじゃんけんに何回か参加しましたが、JKT48 では初めてで、異国でやる じゃんけんはとても新鮮でした。『じゃんけん』は日本語ですが、今回はそのままに『じゃんけん』を使って試合しましたし、この言葉がインドネシアでもっと広がってくれたら面白いと思います。今回のじゃんけんでは運良くベスト16で選抜に入ることができました! 他の選抜メンバーは新しいメンバーばかりなので、私が盛り上げていくように頑張ります」


 仲川が指摘するように「じゃんけん」は日本語だ。インドネシア人にも「じゃんけん」と同じものがあり「スィー」という掛け声で始まる。日本の「じゃんけん」のように「ぐー・ちょき・ぱー」ではなくて「象(親指:ガジャ)、人(人差し指:オラン)、アリ(小指:スムット)」。『人はアリに勝ち、象には負ける。象は人に勝ち、アリに負ける。アリは象に勝ち、人に負ける』、これがインドネシアのじゃんけん(スィー)だ。


 それが今回のJKT48では、インドネシアで日本式の「じゃんけん大会」だった。タイトルも「JKT48 JANKEN Competition」と「じゃんけん」は日本語で、さらに日本人にはお馴染みの「ぐー・ちょき・ぱー」でメンバーらは戦った。そして日本でやるように大きな声で「じゃんけんぽん」の掛け声もあった。レフェリーもいて、それはまさにAKB48が日本でやる「じゃんけん大会」と同じだった。


 日本人がいきなりインドネシアの「スィー」で親指、人差し指、小指を出して競えと言われても、慣れるまでは頭が混乱してしまうように、インドネシア人のメンバーやファンにとっても、最初は慣れない日本式の「じゃんけん」だったが、本番で混乱しないように大会前から多くの「じゃんけん」を行っていた。例えば、ジャカルタのJKT48劇場では公演後に会場に来ていたファンから抽選で選ばれた人が自分の好きなメンバーと「じゃんけん」をするなど、大会前から練習を積んでいた。慣れてしまえば簡単で、メンバーもファンも日本語での「じゃんけんぽん」という大きな掛け声で「ぐー・ちょき・ぱー」を出して勝負を競っていた。


 そしてあっという間にJKT48とファンの間で、日本式の「じゃんけん」と「じゃんけんぽん」の掛け声がインドネシアに浸透していった。もちろんインドネシア人は日常的には今でも「スィー」で対決するが、JKT48の「じゃんけん大会」を通じて日本式の「じゃんけん」を知ったインドネシア人がたくさんいた。仲川もコメントしていたように「じゃんけん」という言葉と遊び方が、インドネシアでもっと定着していったら面白いだろう。9月21日には、シンカがセンターを務めるシングル『LOVE TRIP』が発売された。シンカから「もうすぐ日本に行くから、待っててね」とのコメントも届いている。次は10月10日の日本でのじゃんけん大会でのシンカの勝負の行方に注目だ。


■第一回JKT48のじゃんけん大会ベスト16メンバー


<優勝>
シンカ・ジュリアニ(チームK3)


<準優勝>ニ・マデ・アユ・ファニア・アウレリア(チームT)


<ベスト4>
フィフィヨナ・アプリアニ(チームK3)/ アドリアニ・エリサベス(研究生)


<ベスト8>
フェニ・フィトゥリヤンティ(チームT)/ ナディファ・サルサビラ(チームT)/ タリア・イファンカ・エリサベス(チームJ)/ ヤンセン・インディアニ(チームT)


<ベスト16>
デフィ・キナル・プトゥリ(チームK3)/ ジェニファー・ラヘル・ナタシャ(チームJ)/リスカ・ファイルニッサ(チームK3)/ センディ・アリアニ(チームJ)/ ガブリエラ・マルガレット・ワラオー(チームJ)/ ジェシカ・ファニア(チームJ)/ アリシア・チャンジア(チームK3)/ 仲川遥香(チームT)


(佐藤 仁)